ケンコー・トキナースタッフブログ


C-PLでなくハーフNDを使う場面

 
Posted:2017.04.30 ブログを購読

青空と桜、といったシーンでは、青空をより青く、桜をより鮮やかに、色彩コントラストを出すためにC-PLフィルターを使う、といったことが多いようです。ところが、C-PLフィルターは広角レンズと組み合わせると、太陽の位置関係で効果が不十分だったり、空の青さにムラが出たり(偏光ムラ)することがあります。そのような場合の解決策、さらにケンコーハーフNDプロフェッショナルとコッキンNUANCES GND4Sの比較もご覧いただければと思います。

「アルプスの丘公園」の情景

・効果フィルター未使用

 

DSC_1704.jpg

トキナーAT-X 14-20 F2 PRO DX  1/1250秒 F5.6 20mm域(35mm判換算30mm) ISO100

晴れているのに少し雲は多め。ストレートに撮ってみると、桜やお願いして立ってもらったモデルは見た印象よりも暗く感じました。

 

・PRO1D Lotus C-PL使用

DSC_1705.jpg

トキナーAT-X 14-20 F2 PRO DX  1/400秒 F5.6 20mm域(35mm判換算30mm) ISO100

C-PLの使用は空の青さや桜の鮮やかさを期待してのことでしたが、効果はごくわずか、右上の空が少し青くなった程度。太陽が左側にあることに起因し、空の色が異なる「偏光ムラ」の状態がわずかに出ています。

使用フィルター「PRO1D Lotus C-PL

 

Lotuscpl.jpg

 

 

ケンコーハーフND4 PRO

 

DSC_1707.jpg

トキナーAT-X 14-20 F2 PRO DX  1/400秒 F5.6 20mm域(35mm判換算30mm) ISO100

空のトーンは暗めに落ちて青く見せることができ、桜も明るく見えて狙い通りに近い効果。ただ、ND部と透明部の境目がはっきりしたタイプを使用したので、写真上もやや不自然な感じがあります。(絞りを開き目にしており、境目がはっきりわからないように考えてはいますが)

使用フィルター

ケンコーハーフND4 PRO

 

HND4.jpg

 

 

 

 

コッキンNUANCES GND4S

 

DSC_1709.jpg

トキナーAT-X 14-20 F2 PRO DX  1/500秒 F5.6 20mm域(35mm判換算30mm) ISO100

NUANCES GNDのなだらかなグラデーションにより、自然に明暗差をつけて、桜の部分を明るくしながら、空のトーンを出すことに成功しています。

使用フィルター

コッキンNUANCES GND4S

GND4S300.jpg

 

 

コッキンNUANCES GND8S

 

DSC_1711.jpg

トキナーAT-X 14-20 F2 PRO DX  1/500秒 F5.6 20mm域(35mm判換算30mm) ISO100

NUANCES GNDのなだらかなグラデーションにより、自然に明暗差ながらND8のためより空のトーンを強く描写できました。

使用フィルター

コッキンNUANCES GND8S

 

GND8300.jpg

 

 

空のトーンを引き出しながら、下の部分の風景をやや明るく見せるという、わずかな明暗差コントロールにハーフNDを使いました。お手頃価格の「ケンコーハーフNDプロフェッショナル」は、境目がはっきりしているので、絞り値の設定にも気を使いますが、コッキンNUANCES GNDなら、意識せずに自然なグラデーションで、写真の明暗を調整できます。より自然な描写を求める方にオススメです。

2017年4月21日「角型フィルター活用術」セミナーの内容から抜粋。

(写真・文:広報・宣伝課 田原 栄一)

 

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