2011年12月10日:皆既月食

Total Lunar eclipse 皆既月食 2011年12月10日

2011年12月10日(土)の夜更けから11日(日)未明にかけて日本全国で赤銅色の皆既月食を観測することができます。ほとんど頭上あたりで皆既となりますので、最高の条件で観測することができるでしょう。

夜の9時45分に部分月食が始まり、11時05分に月が地球の陰にすっぽり入り皆既月食となります。皆既は約53分間続き、11時58分に月は再び明るさを取り戻し始めます。日付が変わり、11日午前1時18分、部分月食も終わり満月へ戻ります。

皆既になると月は赤銅色に輝きますが、この明るさや色は地球の大気の状況によって毎回異なります。今年の月食はどんな明るさ・色で見えるかご自分の目で確かめてみてください。

また、皆既中は満月の明かりが失われ、それまで見にくかった星も観測することができます。冬の明るい星と赤銅色の月が見え、幻想的な眺めになるでしょう。

皆既月食の進行

月食とは...

月食とは太陽-地球-月の順番に一直線に並んだ時に、地球の影が月に映る現象のことです。

満月の時、月は太陽から見て地球の反対側にあり、地球の影はいつも太陽と正反対の方向にできます。しかし月食は満月の時に毎回おこる訳ではありません。それは太陽のみかけ上の通り道と月のみかけ上の通り道は 一致しておらず、お互いに5度余り傾いを通り過ぎたり、下を通り過ぎたりしており、太陽- 地球- 月と一直ているためです。そのため、ほとんどの場合、月は地球の影の上線に並び、地球の影を通り過ぎるのは1年に1~2回ほどしかありません。その時、夜にあたれば月食を見ることができます。

月が地球の半影に入ると半影月食、月の一部が地球の本影に入ると部分月食、月全体が本影に入ると皆既月食と呼ばれています。月食はその時間に月が昇っていれば地球上のどこからでも見ることができます。

皆既月食の仕組み

皆既月食はなぜ赤いの?

皆既月食中の月を見ると完全に真っ暗にはならず、赤銅色に見えます。これは地球の大気を通る間に夕陽が赤くなるのと同じ原理で、太陽の光のうち波長の短い青い光は地球大気に散乱されやすく、波長の長い赤い光は地球大気を通り抜けやすいため、赤い光の方がたくさん月に届き、赤く見えるのです。

また皆既月食中の月の明るさは、地球の大気の状態にも大きく影響されます。大きな火山噴火などがあった場合は、大気中に塵(ちり)が多く、赤い光でさえも月へ届かず、暗い皆既月食になることもあります。大気中に塵が少ないと明るいオレンジ色に見ることができます。

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