AT-X 12-28 PRO DX × EOS 70D で楽しむ
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稲刈りが終わったばかりの水田で見つけた、のどかな風景。
バリアングル液晶モニターを使ってローアングルから被写体にレンズを向け、秋空を背景にスカッとする仕上がりを狙った。タッチ操作により複数の場所にピントを合わせて連続的に撮影したが、画面のほぼ中央に合わせたものが、もっとも被写界深度が有効に機能していた。
手持ちでもアングルを変えずに測距・撮影がスムーズに行えるため、より的確な仕上がりが狙える。
焦点距離:12mm、F8 、1/160秒、ISO200
最新の2020万画素CMOSセンサーにも対応。圧倒的な解像感が引き出せる。
近くのススキはもとより、空と交差する遠景のススキまでが、克明に写し出されていた。じっさいには、手前に生えていた背の高いススキを避けるため、ハイアングルから手持ち撮影しているが、瞬時にピント合わせが完了するため楽々撮影できた。
レンズのカラーバランスも良好で、ススキの色や青空がしっとりと描写されている。
焦点距離:12mm、F8 、1/80秒、ISO200
大きな液晶モニターで被写体が確認できるから、しっかりとした構図で撮影が行える。
AT-X 12-28 PRO DXの望遠端は35mm判換算で約44.8mm相当の画角になり、歪みが少なく素直な描写が楽しめる焦点域。液晶モニターにグリッドを表示させることで、さらに正確なフレーミングが行える。
ミドルポジションから撮影をしているが、不安定な中腰にならず撮影できたため、手ぶれを効果的に抑制することができた。
焦点距離:28mm、F11 、1/40秒、ISO400
ズームを広角端にセットして、画面右の幟(のぼり)にタッチ操作でピントを合わせて撮影した。
ファインダー撮影では測距点に合わせて構図を考えてしまいがちだが、ライブビューで撮影では測距点の位置にこだわらず、大胆なアングルでも的確にピント合わせが行える。
また、ファインダーから目を離して撮影できるので通行人も確認しやすく、ミスショットが防げる。
広角端では遠方の確認がしにくいため、ライブビュー撮影がきわめて有効だ。
焦点距離:12mm、F8 、1/100秒、ISO320
古都鎌倉で見つけた微笑ましいひとコマ。
とっさに人力車の背後に回りこみ、ローアングルにカメラをセット。タッチシャッターを使い、寿と書かれた提灯にピント合わせを行うのと同時に、乾坤一擲シャッターを切った。この間は僅かに数秒で、ファインダー撮影では取り逃していただろう。
EOS 70DのコンティニュアスAFをオンにしておけば、レンズを向けただけでフォーカスが作動。シャッターを切る前にピント合わせがほぼ終わる。この機能を有効に活用して、一瞬のシャッターチャンスのものにしたい。
焦点距離:12mm、F9 、1/200秒、ISO100
テーブルにカメラを置いた状態で、グラスにピントを合わせたもの。望遠端は広角ズームとは思えないほど、近接性能に優れている。
椅子から立ち上がることなく写真が撮れるから、周囲の目を気にせずにシャッターが切れる。AT-X 12-28 PRO DXが持つ標準ズーム並みのクローズアップ効果を、さまざまなシーンで活用してみたい。位相差AFでピントが合わせられるので、ライトなシーンでもしっかりとピントが合い、フォーカスが迷わないから安心だ。
焦点距離:12mm、F5.6 、1/30秒、ISO100
よく晴れた日、マリーナで見つけたひとコマ。
ここでは、画面右上の船首を大胆に取り入れつつ、12mmの画角を活かしてフレーミングした。ライブビューなら100%の視野率で撮影ができるため画面の隅々まで見渡せ、広角レンズ特有の画角を活用できる。
タイトな構図を作るときには、ファインダー撮影よりもライブビューがむしろ向く。撮影に対する考え方をもう一度見直してみたい。
焦点距離:12mm、F8 、1/800秒、ISO100
12mmならではのパースを活かした、広角レンズならではの撮影例。
灯台と看板を画面内でクロスさせるように構図を整えた。
ここでは、画面上の案内看板にタッチ操作でAFフレームを瞬時に移動。見せたい部分に的確にピントを合わせている。ファインダー撮影ではフォーカスロックをしなくては、この位置にピントを合わせにくい。やはりここでも、ライブビューが威力を発揮。AT-X 12-28 PRO DXの実力が引き出せた。
焦点距離:12mm、F11 、1/125秒、ISO100
光跡を引きながら回転する遊園地のアトラクションを撮影した。あらかじめ遊具の基部にピントを合わせたのちに、シャッター優先AEを用いて光跡をぶらしている。ライブビューでは液晶画面上で撮影範囲が一目でわかるので、動きのある被写体を撮るときにもタイミングがとりやすく便利。高い解像力によって、光跡のなかにある幾重もの筋が描写されている。
焦点距離:12mm、F7.1 、1秒、ISO200
メリーゴーランドの直前から、その全景を捉えてみた。
ライブビュー撮影ではレリーズ時にメインミラーが運動しない。そのため、わずかなブレでも画像に悪影響のある夜景撮影にぴったりだ。さまざまな光源がレンズ内に入ってきているが、目立つようなフレアやゴーストは確認できない。
画面の隅々までしっかりと解像。天井画までくっきりと見える。
焦点距離:12mm、F8 、3.2秒、ISO100
花を浮かべた水盤を、バリアングル液晶モニターを使用して真上から俯瞰撮影したもの。
28mmの焦点域はオールマイティに使える画角で、その優れた近接撮影能力から静物撮影にも向く。ピント位置は左側の花にタッチ操作で指定。画面全域がパンフォーカスになるようにF8を選択している。
広角レンズはワーキングディスタンスが短いため、俯瞰撮影に向いている。
焦点距離:28mm、F8 、1/250秒、ISO800
ここまで花を大きく写せるのも、AT-X 12-28 PRO DXならではの特徴のひとつ。
一般的な広角ズームレンズでは、ここまでのクローズアップ撮影は行えない。
現場では、池のなかほどに咲く花に向かって腕を思いきり伸ばし、ライブビュー機能でピントを自動的に合わせてシャッターを切っている。花弁付近のシャープさにレンズ性能の高さが見て取れる。
焦点距離:28mm、F7.1 、1/500秒、ISO100
古民家の土間に停まっていた古い自転車を、仰ぐような角度から写した1枚。
広角特有のパースを活かしつつ、タッチ操作で正確にピント(ヘッドライト)を合わせている。被写界深度が深い広角レンズでも、近接撮影時にはフォーカスロックによるコサイン誤差を考慮する必要があるので、カメラを動かす必要がないライブビュー撮影が有利。画面上でぼけぐあいを確認しながら、最適なF値を選択できる。
焦点距離:12mm、F8 、1/25秒、ISO400
12mm側を使って彼岸花をクローズアップした。 AT-X 12-28 PRO DXはズーム全域で0.25mの最短撮影距離を発揮するがため、広角レンズ特有のパースを活かしながら、ワイドマクロ的な描写が楽しめる。気ままに撮った1枚だが、仕上がりを見るとアリの姿までハッキリと描写。あらためて、AT-X 12-28 PRO DXのシャープさに驚かされる。
焦点距離:12mm、F5 、1/800秒、ISO400
一見地味な作例に見えるだろうが、AT-X 12-28 PRO DXの描写特性がよく現れている1枚。
正確なカラーバランスとしっとりとした描写特性によって、素朴な草花がありのままに写し出されている。
ここでは質感を損ねないように、ライブビューを使いウエストレベルからカメラを構え、最適な撮影ポジションから撮影した。ズーム中間域の描写力も申し分ない。広角ズームの常識を超えた、オールマイティに使える1本だ。
焦点距離:21mm、F8 、1/30秒、ISO500