小河俊哉 - トキナーレンズの高画質をより引き出す技術

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AT-X 107 DX(作例集2)

 

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作例01琉球國祭り太鼓を撮る

焦点距離10ミリ域(35ミリ判換算15ミリ相当)で使用、マニュアル、シャッタースピード1/250秒、絞りF10、ISO200、WB:オート、ニコンD300で撮影


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琉球國祭り太鼓神奈川支部のみなさんの公演の模様を撮影させていただいた一枚である。
足元から空までを一枚で撮ることができるフィッシュアイレンズならではの構図構成だ。
また、トキナーレンズらしい青の抜けの良さが際立つ一枚ともいえよう。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、レンズが良い仕事をしてくれているためあまり補正をすることが無かった。
コントラストを若干高めるためトーンカーブのハイライト部分を持ち上げ、次にシャドー部分を下げる「逆S字」に補正して完成とした。

 

作例02日の丸構図で画作りを楽しんでみる

焦点距離10ミリ域(35ミリ判換算15ミリ相当)で使用、マニュアル、シャッタースピード1/800秒、絞りF11、ISO200、WB:晴天、ニコンD300で撮影


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フィッシュアイレンズだからこそ、敢えてご法度と言われる日の丸構図で画作りを楽しんでみる。
歪曲収差が画全体の広がり感を演出してくれるからこその構図構成である。
注目するべき点は、真縦軸と真横軸から外に向かってゆく歪曲線が、大胆でありながらも真縦軸の線、真横軸の線はキチンと真っ直ぐになっている点である。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、真逆光の光源においての撮影であったため中心点に配置した電車は当然暗く落ちている。
その部分を明るくするためトーンカーブでシャドー部分を持ち上げ、同時に持ち上がってしまった中間調を若干下げることで空の階調を戻した。
次に、トーン全体が整った状態でさらにもう一度新規ステップでトーンカーブを若干の逆S字にすることでメリハリ感を付け完成とした。
一連の補正作業を行ってゆく中で思ったのは、真逆光というレンズにとって厳しい条件で撮影したにもかかわらず、シャドー部分にキチンと情報が残ってくれている点はAT-X107の持つ高い実力を示したものだと思えた。

 

作例03ズームレンズであると言う利点

焦点距離10ミリ域(35ミリ判換算15ミリ相当)で使用、マニュアル、シャッタースピード1/500秒、絞りF9、ISO200、WB:オート、ニコンD300で撮影


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広角端10mmではフィッシュアイらしい歪曲収差の効いた大きな画作りを楽しめるAT-X107だが、広角端17mmではその歪曲収差も綺麗に収まり通常の広角レンズとしても十分に機能してくれる。

 

焦点距離17ミリ域(35ミリ判換算25ミリ相当)で使用、マニュアル、シャッタースピード1/500秒、絞りF9、ISO200、WB:オート、ニコンD300で撮影


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こうした2通りの画作りができるのもAT-X107ならではと言えよう。
また、広角端、望遠端双方共に綺麗にレンズの隅々まで解像していることも特筆すべき点である。
一枚目の画は夜の時間を残した空を大きく入れ込みフィッシュアイならではの表現で画作りを行い、二枚目の画では雲海の夜明けを通常の広角レンズとして瞬時に撮ることができる。
「自然の光は待ってくれない」という朝焼け夕暮れの忙しい時間帯では非常に重宝する1本だ。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、コントラストを若干高めるためにトーンカーブを逆S字にした。
また、画面左下にある太陽からでる光芒を強調するため、トーンカーブの左右の隅を切り詰める形で光芒を強調した。
空の色合いはそのままでも十分であったが、撮ったときに浮かんできたイメージに変更するためカラーバランスで空の色合いをブルー側に若干補正し完成とした。

 

作例04優秀なグラデーション再現と解像力

焦点距離14ミリ域(35ミリ判換算21ミリ相当)で使用、マニュアル、シャッタースピード4秒、絞りF14、ISO200、WB:曇天、ニコンD300で撮影


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雨粒を弾くクルマのボディを撮影したものだ。
雨粒に立体感を出すため、左隅からストロボを焚いている。
ここで注目すべき点は、強い光源が発せられた左隅から右リアフェンダーのエッジ部分に至るグラデーションと雨粒の解像力である。
左隅ストロボ発光付近においてもキチンと雨粒を解像しており、また左リアフェンダーの窪み付近のシャドー部分でもキチンと解像している。
さらに、もう一点注目しておきたいのは右上にある「傘の丸さ」である。
通常、今までのフィッシュアイレンズであればこうした画面隅にあるものはある程度歪んでしまうものとして捉えられてきた。
しかし、AT-X107は焦点距離を中間点付近の14mmで撮ることによりそういった歪みは程よく補正され、フィッシュアイレンズらしい広がり感のある画作りを楽しむことができるのだ。
これは、フィッシュアイズームだからこその利点ともいえる。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、この一枚は殆ど補正する必要は無かったが画面全体のバランスを考えた時画面上部のシャドー部分を締めるため若干焼きこむことにし完成とした。

 

作例05接近戦も得意分野

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AT-X107は最短撮影距離0,14mという驚くべき距離での撮影が可能だ。
こうして動物などにかなり近寄りながらも足元から空までを一気に入れ込んだ画作りが可能である。
また、こうしたデフォルメされた楽しい一枚もフィッシュアイレンズならではの一枚だ。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、ほぼ補正する必要はなかったため、隠し味程度コントラストを付け完成とした。


焦点距離10ミリ域(35ミリ判換算15ミリ相当)で使用、マニュアル、シャッタースピード1/500秒、絞りF7.1、ISO200、WB:晴天、ニコンD300で撮影


 

作例06夜の街並みを近くから遠くまでをフィッシュアイレンズらしく撮る

焦点距離10ミリ域(35ミリ判換算15ミリ相当)で使用、マニュアル、シャッタースピード1/15秒、絞りF3.5、ISO1250、WB:オート、ニコンD300で撮影


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時に、きらびやかな夜の街に眼を奪われることがある、そんな時もAT-X107はフィッシュアイらしい画作りで応えてくれる。
この一枚は、走る車の窓から撮ったものだ。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、撮った時のイメージを大切にしたいため、画全体のコントラストをもう少し高めトーンカーブを逆S字にし、さらにハイライト部分を切り詰め「夜景感」を強め完成とした。

 

作例07満天の星空を撮る

焦点距離10ミリ域(35ミリ判換算15ミリ相当)で使用、マニュアル、シャッタースピード964秒、絞りF4、ISO400、WB:オート、ニコンD300で撮影


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満天の星空に眼を奪われた時、その全体を撮りたくなるものだ。
AT-X107がもつ焦点距離10mmはその望みを叶えてくれる焦点距離だ。
北極星を中心軸から若干右に配置し、星空を大きく入れ込み長秒露光で星空全体に動きを出す。
AT-X107は小さな星々も見逃さずに撮ることができる。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、露出多重コンポジットなどは使わずに撮るためどうしても夜空感が失われてしまう。
そのためトーンカーブでシャドー部分を下げる夜空感を出すこととした。
次に、街明かりが入り込み画全体が色かぶりしてしまっていたため、カラーバランスでマゼンダーとブルーを+に振り全体の色調を撮った時のイメージに戻し完成とした。

 
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