シャープカットフィルターには、L-37からR-68まで18種類があります。L、Y、O、Rの記号は、それぞれColorless、Yellow、Orange、Redというフィルターの色調を表わし、2桁の数字は透過限界波長を表わします。L-42からR-66までのフィルターは“発色ガラス”であり、発色温度を調整することによって、ある程度分光特性を変化させることができます。
シャープカットフィルターは、JIS B7113(写真撮影用シャープカットガラスフィルター)によって、波長350nmから800nmの範囲内において、ある波長以下の光をできるだけ遮断し、これより長波長の光をなるべく完全に透過させるものとして波長傾斜幅(∆λ)、透過限界波長(λT)、高透過域の透過率(TH)、吸収域の透過率(TA)が規定されています。
波長傾斜幅(∆λ)
下図に示すように、カラーフィルターガラスの透過率が72%に該当する波長と5%に該当する間隔で表わし、その値は35nm以下になっています。
透過限界波長(λT)
波長傾斜幅の中点に該当する波長で表わします。
ガラスタイプは10nm単位で得られた透過限界波長に相当する整数で命名されています。透過限界波長はガラスタイプとして表示された値との差が5nm以下になっています。
高透過域の透過率(TH)
高透過限界波長から800nmまでの高透過域における透過率の平均値で表わし、その値は85%以上になっています。
吸収域の透過率(TA)
吸収限界波長より30nm以上短い波長の吸収域における透過率で表わし、その値は1%以下になっています。
※)カラーフィルターガラスの肉厚が薄くなると、吸収域の透過率が高くなり、シャープカットフィルターの規格に適合しなくなります。従って2mm以上の肉厚で使用されることをお薦めします。
分 類 | ガラスタイプ | 透過限界波長 | 用 途 | サイズ(mm) | 厚さ(mm) |
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シャープカットフィルター(無色) | L-37 | 370nm | 一般撮影用 | 50×50 | 2.5 |
L-38 | 380nm | ||||
L-39 | 390nm | ||||
L-42 | 420nm |
分 類 | ガラスタイプ | 透過限界波長 | 用 途 | サイズ(mm) | 厚さ(mm) |
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シャープカットフィルター(黄色) | Y-44 | 440nm | 一般撮影用 | 50×50 | 2.5 |
Y-48 | 480nm | ||||
Y-50 | 500nm | ||||
Y52 | 520nm |
分 類 | ガラスタイプ | 透過限界波長 | 用 途 | サイズ(mm) | 厚さ(mm) |
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シャープカットフィルター(橙色) | O-54 | 540nm | 一般撮影用 | 50×50 | 2.5 |
O-56 | 560nm | ||||
O-58 | 580nm |
分 類 | ガラスタイプ | 透過限界波長 | 用 途 | サイズ(mm) | 厚さ(mm) |
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シャープカットフィルター(赤色) | R-60 | 600nm | 赤外用 | 50×50 | 2.5 |
R-62 | 620nm | ||||
R-64 | 640nm | ||||
R-66 | 660nm |