
こんにちは。屋久島を拠点の写真家/映像クリエイターのSHU ITO(伊藤秀海)です。 普段は企業のプロモーションやドキュメンタリーの写真・動画の撮影を担当させて頂くことが多く、写真家の活動としては屋久島の”水の循環”をテーマに自然を抽象的な表現で撮影し、写真展などで作品を発表しています。
スリックの三脚は普段から愛用しているのですが、今回は発売前に「ライトカーボンE74 II AC』を試用する機会を得たので、実際に使ってみた感想をご紹介したいと思います。

この日は屋久島の自宅から車で40分程の場所にある『大川の滝』という場所で撮影をしてきました。
それでは早速、三つのポイントに分けてこの三脚を使って感じた魅力をお伝えしていきます。

軽さと安定感のバランスが絶妙
当然の事なんですけど、三脚って軽ければ良いってものではないですよね。 忘れもしないエピソードがあります。 まだプロを目指してすらなかった頃、初めて買った一眼レフで三脚を用いて撮影をしていた際、強風で三脚が倒れ、カメラとレンズを大破してしまったんです。
国内外含め、撮影地に出張することが多いので、出来るだけ荷物は軽くしたいんですが、三脚だけはある程度重さが不可欠ということをその時学びました。 とはいえ、動き回りながら撮影をすることを考えれば、パイプ径25mmクラスの製品が使用機材に十分対応できて、使いやすいと考えました。
ライトカーボンE74 II ACは、折りたたんだ状態の大きさも重さも扱いやすく、持ち運びに便利でありながら、使っていて安定感があり、とてもバランスの良い印象です。

雲台は2ハンドル3ウェイでアルカスイス互換
ここが、この製品の目玉ポイントでしょう。
自由雲台は軽くて便利ではありますが、特に望遠レンズを付けた時になど、しっかりと固定するのが難しいんです。なので、しっかりと固定して撮りたいと思うと、2ハンドル3ウェイが絶対良い。私の機材システムはアルカスイス互換のものが多く、実はこの製品を長らく待ち望んでいました。
例えば他メーカーでカメラバックの肩の部分にカメラをマウントしたり、動画撮影の場合はジンバルと三脚や三脚と三脚を行き来する場面など、結構あります。

その都度何かを外したり付けたりすることなく、アルカスイス互換で揃えることでシームレスな撮影が実現する、非常に便利なポイントなんです。
あとは、これは動画撮影をする方向けですが、様々な機材をマウントして使うために”ケージ”をカメラに装着して使用します。少し本体が重くなるんですけど、私の場合ケージは写真のみの撮影時でもほとんど取り外さず、そのまま使用することが多いです。
ケージもアルカスイス互換であることが多いですが、形状の問題でアルカスイス互換のある三脚にそのまま装着出来ない事があります。

この三脚は問題なくケージも取り付ける事が出来た時は感動しました。
2ハンドル3ウェイ雲台には、縦位置/横位置方向の調整用に、通常の長いハンドルと短いツマミ形状のものが付属しています。私の場合は、携行性を優先して短いツマミを常用していますが、じっくり構図調整をしたい方は、長いハンドルを使うとよいでしょう。
カメラ台を90°回転可能
最後に、この三脚を使ってみて、とても便利だった機能の紹介です。
カメラ台部分が90°回転することで、個人的に使っていて微量な調整が非常にしやすくなっていました。

上で紹介したケージが装着出来るのも、写真の部分が90°回転するお陰で、回転しなかった場合はカメラが三脚の正面ではなく横向きに装着されてしまいます。 これはスローシャッターによる流し撮りや、野生動物など位置を固定しつつ左右に振りたい場面などにも、とても役立ちそうです。
私の撮影する自然の写真は、カメラ自体も動かしながら撮影することで抽象的に表現をすることが多いんですけど、その点でもこの三脚はとても魅力的に感じました。 下の作品の撮影ではケンコーの『バリアブルNDXII』を使用し、シャッタースピードのコントロールの幅を広げています。

今後の作品づくりや仕事の場面でも、信頼できる相棒として活躍してくれそうです。

