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Tokina70周年記念サイト

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The history of Tokina 1950-2020

今年2020年は、トキナーブランド誕生70周年を迎える記念の年です。
これを機会に、いままであまり語られてこなかったトキナーブランドの歴史をひもとく特集ページを作成しました。トキナーブランド誕生の秘話やトキナーレンズの、そして2020年の新トキナーアニバーサリーラインアップをご紹介します。

1980年に出版された社史「トキナー光学株式会社三十年史」によれば、トキナーの歴史は1950年までさかのぼります。同年の5月31日東京都新宿区に株式会社東京光機製作所を設立し、鏡面ガラス、平面研磨、プリズム・レンズ類の研磨加工事業を始めました。株式会社東京光器製作所の創業者は川口伝吉です。

創業初期の8年間は、非常に厳しい経営状態が続きました。第二次世界大戦後、経済がようやく回復に向かい始めたばかりで、受注も非常に不安定でしたが、度重なる経営難を乗り越えて、1959年秋に一眼レフカメラ用交換レンズの開発に着手しました。当時、ニコンや他の多くの日本のカメラメーカーが売上を大きく伸ばしており、それを見た経営陣は、日本のカメラメーカーが将来世界のカメラ市場を席捲する可能性が高いと確信しました。

手始めに海外の顧客向けにスライドプロジェクター用レンズのOEM生産をスタートさせましたが、将来は自社ブランドのカメラ用交換レンズを製造するという夢を抱いていました。 1960年に当社が初めて設計したレンズは、 HANIMEX (オーストラリア)ブランド の135mm F3.5 と 100mm F4 のズームレンズでした。これは、1954年に設立されたJCII(財団法人日本写真機検査協会:当時)が、光学製品を輸出する日本メーカーに、輸出検査を義務付けた時期にあたります。

東京光機製作所は、レンズ事業を堅調に伸ばすために、1960年にカメラ用交換レンズの自社ブランド「トキナー」を立ち上げ登録しました。「トキナー」の由来ですが、まず社名に関連して「ト」と「キ」の音を主体に名称を考案することにしました。

川口伝吉社長と当時の経営幹部は、ドイツで開かれる世界的に有名なカメラショー「フォトキナ」に自社ブランドのレンズを出展することを夢見ていました。この夢の実現を目指して、「ト」と「キ」の後にフォトキナの語尾「ナ」を付け「トキナー」が誕生しました。その後、1974年のフォトキナに自社ブースで出展し、念願を叶えました。(下の写真)。

一眼レフ用交換レンズの需要が世界的な高まりを見せていた1971年、東京光機製作所は、社名を商品ブランドと関連づけるため、トキナー光学株式会社に改めました。それと同時に将来技術に投資することによって、ブランドの基礎を築いて行きました。

1981 年 高品質のレンズシリーズトキナーAT-X(アドバンストテクノロジーX の略称)とコストパフォーマンスの高いレンズシリーズのトキナーSZ-X(SYSTEM ZOOM X の略称)の 二つのラインアップを発表しました。両シリーズともにレンズ10本を開発する予定だったため、シリーズ名の最後にローマ数字 X「10」を入れました。

1985 年 ミノルタが世界初のオートフォーカス機能を搭載したシステム一眼レフカメラ α-7000 を発売し、カメラ市場 を席捲しました。この新しい AF システムは、手動でピントを合わせるよりも便利で早くかつ正確でした。

トキナーをはじめ、マニュアルフォーカスレンズを製造していたレンズメーカーは苦戦を強いられることになりました。 急遽トキナーはミノルタ AF システムに合わせて AF レンズの開発を開始し、1988 年に AT-X シリーズとして初のAFレンズである AT-X270 AF(28-70mm F2.8)をリリースしました。

80年代のトキナーレンズ史で重要な役割を果たしたのが、1983 年発売の MF ズーム AT-X 828(80-200mm F2.8)と 1988 年発売の AF 標準ズーム AT-X 270AF(28-70mm F2.8)の二つのレンズです。

F 値を F2.8 固定にした80-200mm(今でいうところの70~200mmF2.8) の元祖はトキナーだと巷ではよく言われますが、それは正しくありません。実際には二年前の1982年にニコンがニッコール 80-200mm F2.8 を出しています。

しかしニッコール 80-200mm F2.8 は、価格が当時42万円、重さも1900gととても重くて大きく、非常に高価なレンズでした。翌年の1983年にトキナーがAT-X 828を発売した際のスペックは、重さはニッコールレンズの約半分の1,080g,価格も12万円と低価格を実現しました。この画期的なスペックと低価格実現によるインパクトこそが、トキナーAT-X828がF2.8望遠レンズの元祖と呼ばれる所以ではないでしょう。

AT-X 828 (80-200mm f/2.8)AT-X 828 (80-200mm f/2.8)

世界のレンズブランドとして、トキナーの地位向上に大きく貢献したもう一つのモデルは、 AT-X 270AF(28-70mm F2.8) でした。 AT-X シリーズで初めて AF 機能を搭載したレンズです。 競合他社は 35mm からの 35-70mm F2.8 の時代に、実現するのが非常に難しいとされた広角側を 28mm に 広げる開発に成功したことが、現代の代表的な標準ズーム 24-70 ㎜ F2.8 の開発に繋がっています。 両レンズは 1994 年に AT-X PRO シリーズで再設計・発売され、トキナーが世界的な大口径標準ズームレンズメーカーとしてのブランドを確立するのに役立ちました。

AT-X124 PRO DX(12-24mm F4)AT-X124 PRO DX(12-24mm F4)
AT-X270 AF(28-70mm F2.8)AT-X270 AF(28-70mm F2.8)

2000 年代に入ると、デジタル革命の波が急進しデジタルカメラの時代が到来します。 最初のデジタル一眼レフカメラはとても高価でしたが、2000 年にキヤノンがリリースした EOS D60 と 2002 年にニコ ンがリリースした D100 は、アマチュアやプロの写真家にとってデジタル一眼レフカメラをより身近な存在としました。 トキナーはデジタル化技術の検討を始め、デジタル一眼レフカメラ専用に設計された交換レンズを開発しました。

2004 年に発売されたAPS-C フォーマットのデジタル一眼レフカメラ用の AT-X 124 PRO DX(12-24mm F4) レンズは、トキナーの歴史から見て画期的なレンズでした。トキナーはコストダウンと非球面量の確保から、全く新しいプラスチックモールド非球面レンズ(P-MO)を開発し、搭載することに成功しました。その結果、ニコンの12-24mmF4と同スペックながら、ほぼ半額で販売することに成功しました。この技術が今のトキナーレンズにおいても活きており、トキナーが広角系のレンズを得意とする要因の一つでもあります。

トキナーブランドのグローバル化に貢献したもう一つの伝説的なトキナーレンズは、2008 年に発売された AT-X 116 PRO DX(11-16mm f/2.8 AF)で、のちに動画のクリエイターの間でも世界的に認められるようになりました。

この長い歴史の中で培われた開発技術は、現在のモデルにも生かされており、世界有数の広角ズームレンズメーカーとして、トキナーブランドはカメラ市場にしっかりと根を下しています。

AT-X 116 PRO DX(11-16mm f/2.8 AF)

フィルムカメラの時代 1950-1980

1950

川口伝吉が株式会社東京光器製作所を設立し鏡面ガラス、平面研磨、プリズム・レンズ類の研磨加工事業を始める。

川口伝吉
1959

経営再建を経て、1959年秋に一眼レフカメラ用交換レンズの開発に着手する。

1960

トキナーブランドの交換レンズを開発・生産を開始。
交換レンズメーカーとして地位を確立していく。
初期の代表作として100mm F4, 135mm F3.5がある。

1971

トキナー光学株式会社に社名変更。
一眼レフ用交換レンズの世界的需要増大に呼応して、社名を商品ブランドに関連付けることで、ブランドの基盤強化を図った。

1974

フォトキナに初出展

1979
1980

80~200mm F4 35~105 F3.5-4.5 が世界的ベストセラーになる。

1981
1984

高性能、高品質モデルのAT-Xシリーズを開発・発売。

  • AT-X 525(50-250mm f/4-5.6)
  • AT-X 352(35-200mm f/3.5-4.5)
  • AT-X 285(28-85mm f/3.5-4.5)
  • AT-X 828(80-200mm f/2.8)
  • AT-X 240(50-250mm f/4-5.6)
  • AT-X M90 Macro(90mm f/2.5)
  • AT-X 100(100-300mm f/4)
  • AT-X 300(300mm f/2.8)
  • TM500 RMC Reflex(500mm f/8)
  • AT-X 120(60-120mm F2.8)

大口径ズーム、高倍率ズームの先鞭をつける。
過去最高の好業績を残す。

フィルムカメラの時代 1981-2000

1985

ミノルタα7000発売。一眼レフの本格的なオートフォーカス化が始まる。

1987

キヤノンがレンズ内モーター搭載のオートフォーカス一眼レフEOS620 650を発売。
ミノルタとのシェア争いが激化。トキナーも各社のAFシステムの開発を急ぐ。

1988

AT-Xシリーズで最初のAFレンズ AT-X270AF(28-70mmf/2.8)を発売。

1990
1993

資本増強のためHOYA(株)の支援を仰ぐ。
AFレンズマーケットは成長を続け、この4年間に以下のモデルを発売。

  • AF 287(28-70mm f/2.8-4.5)
  • AF 210(70-210mm f/4-5.6)
  • AF 235(20-35mm f/3.5-4.5)
  • AT-X 17 AF(17mm f/3.5)
  • AT-X M100 AF Macro(100mm f/2.8)
  • AF 730(75-300mm f/4.5-5.6)
  • AT-X 400 AF(400mm f/5.6)
1994

(株)ケンコーの100%子会社となりグループ企業として再出発する。
株式会社トキナーに社名を変更。

デジタルカメラの時代 2001 - 2019

1994
2001

AT-X PROシリーズを開発・発売。

2002

デジタル一眼レフ ニコンD100 キヤノンEOS D30の発売でデジタル一眼レフが一般ユーザーにも手が届く価格になる。
デジタル専用の交換レンズの開発に着手する。

2004

2004年11月にAT-X 124 PRO DX(12-24mm F4)を発表。
レンズ専業メーカーでは初のAPS-C 撮像素子専用の交換レンズを発売。
トキナーの業績は急速に好転する。

2005

ペンタックス株式会社と提携しデジタル専用の交換レンズの共同開発を行う。
4月にAT-XM 100 PRO D(100mm F2.8マクロ)を発売。

2006

9月にAT-X 107 DX Fisheye(10~17mm F3.5-4.5)を発売。
10月にAT-X535 PRO DX (50~135mm F2.8)を発売。
新製品の販売が好調で、トキナーの売上高は前年の1.5倍となる。

2007

3月にAT-X 165 PRO DX(16~50mm F2.8)を発売。
12月にAT-X M 35 PRO DX(35mm F2.8マクロ)を発売。

2008

2月にAT-X 116 PRODX(11~16mm F2.8)を発売。
APS-C専用大口径広角ズーム。動画撮影用レンズとしても海外で高い評価を獲得。
トキナーの主力機種として販売に貢献。
11月にAT-X 124 PRO DX II(12~24mm F4)を発売。
ニコンレンズ内モーターを搭載。中・低位機種にも対応。

2009

5月にAT-X 16.5 - 135mm F3.5-5.6 DX発売。
ワイドを重視した高倍率ズーム。

2010

8月にAT-X16-28mm F2.8 PRO FXを発売。
フルサイズデジタル一眼レフ専用機種の開発。

2011

8月にAT-X 17-35mm F4 PRO FXを発売。
フルサイズデジタル一眼レフ専用機種を開発。
株式会社ケンコーと株式会社トキナーは、2011年6月をもって合併し
株式会社ケンコー・トキナーとなる。売上高は200億円超となる。

2012

マイクロフォーサーズ専用機種の開発。オリンパスとライセンス契約締結。
5月に Reflex 300mm F6.3 MF Macroを発売。
3月にAT-X 116 PRO DX II(11-16mm F2.8)を発売。
ニコンレンズ内モーター搭載機種。コーティング変更。

2013

4月にAT-X 12-28 mm F4PRO DXを発売。
AT-X 124 PRO DX(12-24mm F4)の後継機種として開発した。
テレ側を4mm伸ばして使いやすくしたモデル。

2014

5月にAT-X 70-200mm F4 PRO FX VCM-Sを発売。
トキナー初のレンズ内手振れ補正機構採用、リング超音波モーター搭載機種。

2015

2月にAT-X 11-20mm F2.8 PRO DX
AT-X 116 PRO DX(11-16mm F2.8)の発展型。大口径超広角を二機種ラインナップ。
6月にAT-X 24-70mm F.8 PRO FX 発売。

2016

2月にAT-X 14-20mm F2 PRO DXを発売。
超広角ズーム初の開放値F2を達成し、動画対応も可能なモデル。

2017

ソニーフルサイズミラーレス機専用レンズシリーズ導入。
1月にFíRIN 20mm F2 FE MF 発売。
ミラーレス機の販売シェアがDSLRの半分を占める。
トキナーがミラーレス機専用レンズの企画開発を行った第一弾。

2018

フルサイズDSLR専用の5,000万画素に対応した高性能シリーズ。
10月にopera 50mm F1.4FF 発売。
4月にFíRIN 20mm F2 FE AF 発売。

2019

3月にopera 16-28mm F2.8FF 発売。
4月にFíRIN 100mm F2.8FE Macro 発売。
9月にatx-i 11-16mm F2.8 CF 発売。
10月にatx-i 100mm F2.8 FF MACRO 発売。

2020

製品の仕様と発売予定時期は予告なく変更することがございます。