Samyang AF35mm F1.8 P FE レビュー by 幡 あさみ
前モデルの35mm F1.8を長く愛用してきた私にとって、新しい AF 35mm F1.8 P FE はとても気になる一本でした。35mmは、風景も人物も日常のスナップも撮りやすい、ちょうどいい画角。今回の新モデルも、クセの少ないきれいな描写はそのままに、より軽く、より快適に使えるレンズになったと感じました。前モデルは235g、新モデルは216g。数字以上に、手にしたときの軽さの違いを感じます。カメラにつけたまま歩いても負担が少なく、「今日はこの一本で出かけよう」と思える軽快さがあります。
また、最短撮影距離は0.27m。花や小物、足元の小さな世界にも寄りやすく、35mmらしい自然な画角のまま、背景をやわらかくぼかした表現が楽しめます。
それから、特に印象的だったのはAFの速さです。動き回る子どもを撮る場面でも反応がよく、前モデルよりも安心して撮影できるように感じました。
軽さ、描写の素直さ、AFの快適さ。日常の中で出会うさまざまなシーンを、この一本で自然に残せる35mm単焦点レンズです。
作例1
35mmは、人物と背景のバランスがとても取りやすい画角です。桜やネモフィラの広がりを入れながら、子どもの存在感も自然に残せました。ロケーションの空気感ごと写したい場面にぴったりです。
作例2
最短撮影距離0.27mまで寄れることで、足元の小さな被写体にもぐっと近づけます。小さなクローバーを低い位置から撮ると、背景の光が大きくぼけ、日常の中の何気ない景色が少し物語のように見えてきます。
作例3
35mm F1.8は、夜のポートレートにも使いやすいレンズです。背景に夜景を入れながら人物を撮ると、場所の雰囲気も残しつつ、人物を自然に引き立てることができます。F1.8の明るさがあることで、暗い場所でも撮影しやすく、夜のお出かけやイルミネーション撮影にも使いやすいと感じます。
作例4
SAMYANGのレンズで撮る青は、個人的にとても好きな色です。このレンズでも、空の青がすっきりときれいに写り、黄色い花とのコントラストも爽やかに残せました。明るい日差しの中でも、色が濁らず気持ちよく描写してくれる印象です。
作例5
やわらかい写真だけでなく、光と影のコントラストを活かしたスナップにもよく合います。葉の緑、影の黒、壁の質感がしっかり描写され、画面にメリハリが出ました。クセが少ないレンズだからこそ、被写体の色や光の状態が素直に出ます。ふんわりした花や子ども写真だけでなく、少し硬さのある街のスナップや質感表現にも使いやすいです。
作例6
逆光で撮影すると、光が画面全体にふわっと広がり、やさしい雰囲気を作ってくれます。子どもの表情、白い服、背景の花がやわらかくなじみ、春らしい明るさを残すことができました。人物だけでなく、背景の季節の花やその場の空気感ごと残せるのは35mmの良さです。
作例7
子ども撮影では、表情も動きも一瞬で変わります。このレンズはAFの反応が速く、子どもの自然な表情を逃しにくいと感じました。背景の緑はやわらかくぼけ、人物の横顔や手元はしっかり写っています。35mmは近づきすぎず、離れすぎず、子どもと会話しながら撮れる距離感なのも魅力です。
作例8
動きのある子どもを撮る場面でも、AFの速さは大きな安心感になります。ブランコのように前後に動く被写体はピント合わせが難しい場面ですが、表情にきちんとピントが合い、楽しそうな瞬間を残すことができました。前モデルを使っていたときも35mmの使いやすさは感じていましたが、新しいモデルではAFの快適さがかなり向上した印象があります。子ども撮影やファミリーフォトでは、この違いはとても大きいです。
作例9
35mmは街歩きにもよく合います。目に入ったものを自然な距離感で切り取れるので、日常の中の色や形、光と影を見つけたときにすぐ撮れるのが魅力です。この写真では、黄色い自販機の色、建物の影、壁や配管の質感がしっかり写りました。軽いレンズなので、カメラを構えるまでの心理的な負担も少なく、散歩や旅行の途中で気軽にシャッターを切りたくなります。
作例10
近くの小さな被写体にも寄りやすく、手元のお菓子にしっかりピントを合わせられました。背景のチューリップはカラフルな玉ボケになり、35mmでも近接撮影の楽しさを感じられます。旅先のスイーツや小物撮影にも使いやすい一本です。
作例11
画面の中に太陽を入れると、レンズの逆光耐性や光の出方がわかりやすくなります。この写真では、太陽の光条と人物のシルエットが印象的に写りました。強い光を入れる場面でも、画面全体のコントラストが大きく崩れすぎず、ドラマチックな雰囲気を作れます。日常の中で見つけた強い光を、作品的に切り取りたいときにも使いやすいレンズです。
作例12(F1.8とF5.6の比較)
開放F1.8では、背景が大きくぼけ、主役の花がふわっと浮かび上がります。一方で絞ると、花の形や周囲の情報が少しずつ見えてきて、画面全体の印象も変わります。同じ35mmでも、絞りを変えることで、やわらかい雰囲気にも、少し説明的な写真にもできます。ボケを活かした表現から、被写体の形や色をしっかり見せる撮影まで、幅広く使えると感じました。
まとめ
AF 35mm F1.8 P FEは、軽さ・描写・AFの快適さのバランスがよく、毎日持ち出したくなる35mm単焦点レンズです。
前モデルから愛用してきた35mmらしい使いやすさはそのままに、より軽く、AFも快適になった印象があります。風景、花、子ども、街スナップ、夜のポートレートまで、一本で幅広く撮れる安心感がありました。クセがなく、色もきれいで、ボケも自然。初めての35mm単焦点としても、前モデルからの買い替えとしても、日常に寄り添ってくれる一本だと思います。
この記事で紹介された製品

幡 あさみ
東京都在住。幼い頃からデザインや表現に親しみ、写真と出会ってその奥深さに魅了される。現在は家族写真やポートレートを中心に、光の描写や空気感、その瞬間らしさを大切に撮影。レタッチ表現も取り入れながら、見る人の心に残る一枚を目指している。Photoshop講座やママ向けの写真講座など、講師活動も行う。サムヤンガールズ2026としても活躍中。
「Samyang」のその他の記事
- Samyang AF35mm F1.8 P FE レビュー by 古城戸 有加
- Samyang AF35mm F1.8 P FE レビュー by 幡 あさみ
- Samyang AF35mm F1.8 P FE レビュー by 小林友希子
- ライブ撮影に魅力的な、SAMYANG AF 35-150mm F2-2.8 FE
- サムヤンAF75mm F1.8Xの魅力 by 関一也
- 【実写レビュー】雰囲気を纏いながらも主題をシンプルに浮かび上がらせるSAMYANG AF 75mm F1.8 FE
- 【実写レビュー】素晴らしい描写に美しいボケと、これだけの写りを提供してくれるSAMYANG XP50mmF1.2
- 【実写レビュー】風景だけでなく、室内撮影やスナップ撮影でも面白い「SAMYANG XP 10mm F3.5」
- 【実写レビュー】旅や散歩でのスナップ撮影にぴったりなSAMYANG AF 18mm F2.8 FE
- 【実写レビュー】柔らかみのある描写で独特の写りをするSAMYANG AF 35mm F1.4 FE

