この度、トキナーからXマウントのフィッシュアイレンズが発売される。一足先に製品を手にした時、まずはそのコンパクトさに驚いた。ポケットに軽く入ってしまうサイズだ。
通常フィッシュアイレンズは、15mmくらいの焦点距離が多い。だが今回のレンズはなんと8mm! 富士フイルムのXマウント専用で、センサーはAPS-Cなので、35mm換算だと12mmという超広角なのである。 フォーカスがMFなのもこのコンパクトさに繋がったのだろう。
そんな、普段はあまり陸上では使わない癖のあるレンズ、フィッシュアイレンズで色々な場所を旅してきたので、ぜひその作品をご覧いただきたい。
癖はあるがそれを味方につけると、今までにない作品が生まれた。
作例1

カメラX-T4 F22 1/60 ISO640
これは広島県世羅町の、せらふじ園で撮影したものだ。藤は下向きに広がって咲く。それをこのレンズで下から煽り空まで気持ちよく入れることができた。この超広角レンズだからこそ写せた一枚だ。
作例2

カメラX-T4 F8 1/280 ISO640
夕方になり、誰も居なくなった桜並木。人が多いと広角レンズは使えないが、こんな時は真っ青な青空もたくさん入れて撮影がしたい。そんな時このレンズは力を発揮する。
少し絞ってあげれば、周辺の流れなども少なくクリアな絵を出してくれる。さすがトキナーブランドだと思う。
カメラX-T4 F22 1/80 ISO3200

カメラX-T4 F22 1/80 ISO3200
真っ青な空、川へのリフレクション、桜並木と、欲張りな要望にもこの超広角レンズは応えてくれる。水平を維持すれば、ゆがみも少ないので広角レンズとしても十分使える。
作例4

カメラX-T4 F16 1/170 ISO640
ネモフィラを撮っていて、このレンズに付け替え覗き込んでみたら、空に大きなハロが出ていることに気づいた。 きっとこのレンズを着けなかったら、このハロには気づかなかったと思う。この時はほんとにこのレンズに感謝した。近くにいる人も、広角レンズの効果で小さく写り、そこまで邪魔にならなかった。
作例5

カメラX-T4 F22 1/60 ISO640
広島県の世羅町世羅高原農場で撮影した一枚。広大なチューリップ畑を、わざとカメラを上に向けて夏の空も一緒に入れ歪ませてみた。こんな歪んだ面白い写真は、フィッシュアイレンズでしか撮れない世界。
このレンズの特徴が分かってくると楽しさ倍増になる。
作例6

カメラX-T4 F2.8 1/210 ISO640
このレンズの最短撮影距離はなんと10センチ!広い絵ばかりだったので、最短距離で撮影。フィッシュアイレンズ独特のくるりとなる背景がなんともかわいい。藤の新しい魅力を見つけた瞬間だった。そして、やっぱりこのレンズは晴れと相性が良い。
作例7

カメラX-T4 F5.6 1/90 ISO640
滋賀県日野町で撮影した田んぼに反射する夕日。この町は夕日がとてもきれいに見える町としても有名で、その時を楽しみに待っていた。そうしたら予想以上に広大で素晴らしい夕日を見ることができた。でも、この超広角レンズをもってしても全部を収めることができないほど、素晴らしい夕日だった。
作例8

カメラX-T4 F2.8 60秒(数枚を比較明暗合成) ISO3200
この日は真っ暗で凄い風だし、ここまで行くのに怖かった(笑)。でも、灯台をアクセントに星を撮影。星の撮影をしていて思うのは、「もっと広く写ったら」ということ。特に夏の天の川は全てを入れたいと思う。そんな時このレンズはとても重宝するだろう。マニュアルフォーカスというのも、変にピントがずれたりも無いので良いだろう。
このレンズはそんな遊びを楽しむレンズだと思う。でも、写りはシャープで期待を裏切らないのでご心配なく。

[著作権および画像利用についてのご注意]
本スペシャルページで提供している「実写生データ」の著作権は、撮影者である むらいさち氏に、使用権は 株式会社ケンコー・トキナー に帰属しています。著作権所有者および 株式会社ケンコー・トキナー への事前の承諾を得ること無しに、その全てまたは一部を、いかな る形式、いかなる手段によっても、複製・改変・再配布・再出版・表示・掲示または転送することは禁じられています。
本スペシャルページの「実写生データ」は、お客様のコンピュータースクリーン、もしくはお客様ご自身のプリンターまたは プリント手段等による、私的な画像確認での利用に限ってのみ、ご利用いただけます。