- Tokina atx-m 11-18mm F2.8 E
- Tokina atx-i 11-20mm F2.8 CF
トキナー超広角ズームを2本使って、その描写や操作性をとことん試してみました。
広角レンズの場合、描写性はもちろんですが、レンズの重量やサイズ感など、そのハンドリングの軽快さや操作性もユーザーとしては気になるところでしょう。特にAPS機では、システムの軽量化を重視する方も少なくないでしょう。またAPS機というと、そのセンサーサイズからどうしても広角側のレンズのラインナップが少なく、その選択肢として気になる方も多いかと思われます。様々なシーンに持ち出し、作例もたくさん用意しましたのでご覧いただきましょう。
最初にご紹介したいのが「atx-m 11-18mm F2.8 E」です。
今秋発売になったばかりのレンズですが、最初に手にしたときに、その小ささと軽さに驚かされました。超広角レンズというのは前レンズが大きく、それにともない重くなるのが常識だと思っていました。このサイズなら気軽に持ち出すことができるでしょう。
標準ズームをメインで使用する場合にも、サブとして鞄に忍ばせておいても全く邪魔になりません。今回はSONY α7RIV に装着しテスト撮影をしていますが、SONY EマウントのレンズはAPS機でもフルサイズ機でも使用が可能です。
atx-m 11-18mm F2.8 E 作例1
SONY ILCE-7RM4 1/50 F2.8 ISO100 (11mm)
城下町の風情を残す千葉県佐倉市の街を、超広角レンズ1本でスナップしてみました。このレンズは被写体にもグッと寄れて楽しい。
atx-m 11-18mm F2.8 E 作例2
SONY ILCE-7RM4 1/4 F14 ISO 50 (11mm)
レンズ重量が軽いので手持ちでのハイアングル撮影も苦にならなりません。シャッタースピードを落として、風を表現してみました。
atx-m 11-18mm F2.8 E 作例3
SONY ILCE-7RM4 1/640 F2.8 ISO 100 (11mm)
こちらはライブビューを活用しローアングルで撮影しました。こういった無理な体制の時にカメラシステムを軽く出来るのはありがたいものです。
atx-m 11-18mm F2.8 E 作例4
SONY ILCE-7RM4 1/800 F2.8 ISO 100 (11mm)
城下町らしい黒塀に、張り付く様にピントを合わせ、パースペクティブを活かし遠近感を強調しました。開放F2.8の効果により遠景のボケが美しい。
atx-m 11-18mm F2.8 E 作例5
SONY ILCE-7RM4 1/250 F6.3 ISO 100 (17mm)
公園でのコスモス撮影、花撮影と言ったらマクロレンズや望遠レンズで切り取りたくなるところですが、寄れる広角レンズだと表現が広がります。
SONY ILCE-7RM4 1/1000 F6.3 ISO 800 (11m)
atx-m 11-18mm F2.8 E 作例6
SONY ILCE-7RM4 1/25 F16 ISO 800 (18mm)
晴天の公園で、ダイナミックに立木を見上げた超広角レンズならではの表現です。青空や池に映り込む空のトキナーブルーも美しい。
SONY ILCE-7RM4 1/500 F8 ISO 800 (12mm)
atx-m 11-18mm F2.8 E 作例7
SONY ILCE-7RM4 4秒 F11 ISO 100 (18mm)
トキナーブルーの表現を求めて南房総へミニトリップに出てみました。青空や海の色が抜けるようなブルーで表現されるため、撮影していても気持ちが良いものです。
SONY ILCE-7RM4 4秒 F11 ISO 100 (11mm)
atx-m 11-18mm F2.8 E 作例8
SONY ILCE-7RM4 1/125 F11 ISO 100 (12mm)
何の変哲もない磯の窪みも、ぐっと寄る事で手前が大きくデフォルメされ絵作りが楽しい。開放F値が明るいので高速シャッターで飛沫を止めてみました。
SONY ILCE-7RM4 1/2500 F8 ISO 800
atx-m 11-18mm F2.8 E 作例9
SONY ILCE-7RM4 1/1000 F2.8 ISO 100 (11mm)
最後にデジタルカメラで赤外線写真が楽しめるフィルター「ケンコーPRO1D R72」を装着して撮影をしてみました。SONY α7RIV(無改造)にてフィルター装着前と後で撮影をして比較しました。フィルターを装着すると、長秒露光が必要になるので、三脚を使って撮影しています。
SONY ILCE-7RM4 8秒 F4 ISO 3200 (11mm)
レンズが軽量な上、歪みも含めて描写も申し分ない。軽快に撮影できるので、もっともっと撮影したくなるレンズです。マウントによっての選択になるかと思われますが、Eマウントユーザーは1本持っているだけで表現の幅も広がり、お勧めのレンズと言えるでしょう。
次は「Tokina atx-i 11-20mm F2.8 CF」です。こちらはキヤノン EFマウントのAPS用レンズです。筆者は、すべてキヤノン機に関してRFマウントへ移行済みなので、今回は純正マウントアダプターを使用しRシステムにて撮影しました。ちょうど発売になったEOS R10をサブ機として使用していますが、広角レンズをどうしようか思案していたところでしたので、ちょうど良かったです。
atx-i 11-20mm F2.8 CF 作例1
Canon EOS R10 1/2500 F8 ISO 200 (11mm)
さっそく近くの浜辺に出て撮影してみました。窮屈な印象があったR10の画角が一気に広がり、これがAPS機かと驚くほどの広さで撮影ができました。
Canon EOS R10 1/6400 F4 ISO 200 (11mm)
atx-i 11-20mm F2.8 CF 作例2
Canon EOS R10 1/125 F8 ISO 400 (11mm)
公園での撮影でも、超広角レンズの効果を活かして、様々な表現を試してみました。先に紹介した「atx-m 11-18mm H2.8 E」同様に、こちらのレンズもトキナーブルー健在といったところでしょうか、とにかく、撮影していてテンションがあがります。
Canon EOS R10 1/200 F16 ISO 200 (11mm)
atx-i 11-20mm F2.8 CF 作例3
Canon EOS R10 1/5000 F6.3 ISO 1600 (12mm)
暗所でも、開放F値F2.8のおかげで不安要素はありません。また建物内からの撮影でしたが、歪みが無いのには驚きました。
Canon EOS R10 1/50 F16 ISO 800 (11mm)
atx-i 11-20mm F2.8 CF 作例4
Canon EOS R10 1/30 F16 ISO 800 (11mm)
こちらは「atx-m 11-18mm H2.8 E」と比べて、一回りサイズアップはしますが、決して大きすぎる印象はありません。カメラを持ちあげて、ハイアングルや床すれすれでのローアングルポジションでも軽快に撮影ができました。また、こちらにはMF用のクラッチなどが搭載され、高級感も味わえます。
Canon EOS R10 1/125 F16 ISO 800 (11mm)
atx-i 11-20mm F2.8 CF 作例5
Canon EOS R10 1/500 F11 ISO 800 (11mm)
APS機ではあきらめていた、このような広い景色を写すことも可能です。また、トキナーブルーにすっかり魅了されてしまいました。
atx-i 11-20mm F2.8 CF 作例6
Canon EOS R5 1/250 F8 ISO 125 (20mm)
次の作例は、フルサイズ機のEOS R5に装着した画像です。こちらも先出のSONY α7RIVと同様にフルサイズ機ですが、APSレンズの装着も可能です。その際には、自動でクロップされる仕組みですが、高解像度のカメラだけあり、クロップされたとはいえ、素晴らしい解像感です。
十分に、高解像度カメラに対応しうるレンズ性能を有していると言えるでしょう。
Canon EOS R5 1/320 F8 ISO 125 (11mm)
atx-i 11-20mm F2.8 CF 作例7
Canon EOS R5 1/6400 F6.3 ISO 800 (11mm)
重量バランスが非常によく、手持ちでの磯撮影も快適です。
Canon EOS R5 1/320 F16 ISO 100 (17mm)
atx-i 11-20mm F2.8 CF 作例8
Canon EOS R5 13秒 F8 ISO 2000 (19mm)
こちらのレンズでも、赤外線フィルターを試してみました。ただ、こちらのレンズはフィルター径が82mmのため、今までのケンコーのPRO1D R72では対応していませんでした。つい先日82mm径が発売となったばかりで、ちょうど組み合わせることができました。
特に印象的だったのが、昔から定評のある「トキナーブルー」が健在であるという事です。
長年のファンも大勢おられると思われますが、ご自身のマウントに合わせて、どちらのレンズを選択しても満足する結果となるでしょう。さらに言うと、超広角ズームがこの価格で入手できる事が、何よりもありがたいのです。
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