都会は大きい・・・
トキナーの担当者から、新発売されるatx-m 11-18mmF2.8Eを試しに使ってみませんか?と申し出がありました。
私は、広告畑のフォトグラファーで、今回のような撮影依頼をされた事がないので、ちょっと驚きましたが、私はいつでもどこでも、カメラを肩からぶら下げている珍しいプロのフォトグラファーなのです。
毎日ぶら下げているカメラはマイクロ4/3だったり、SONYのAPS-Cという事が目にとまったらしく今回の撮影になりました。
仕事の撮影がデジタルカメラになってもう何年もたちますが、いつまでフィルム撮影時代の「呪縛」35mmに囚われているのだろうと常々思っています。デジタルカメラの画素数が、多くなってAPS-Cのセンサーサイズでも、フィルムの35mmより鮮明な写真(画像)が写せるようになりました。それなのに、なぜ35mmサイズにこだわっているのだろうと常々思っています。
仕事の撮影でも、インタビュー撮影などでは、APS-Cを使用しています。APS-Cの有利さは、システムの大きさです。カメラボディーの大きさは、機種によって35mmフルサイズとあまり変わらないカメラもありますが、それでも小さめです。そして圧倒的に大きさが小さくなるのは、レンズの大きさです。
仕事で写す広告写真では、様々な理由から、まだまだ35mmや中判サイズから離れられませんが、毎日肩から下げているカメラは、APS-C機だったりマイクロ4/3だったりの少しでも小さく、軽いカメラとレンズにしています。
前置きが長くなりましたが、atx-m 11-18mmF2.8Eを渡された時に、まず驚いたのは小さい事でした。それでいて開放絞りが、F2.8通しで変わらないのも気に入りました。これが、35mmフルサイズのレンズだったら、1.5倍くらいの大きさにはなっていたと思うのです。レンズのデザイン的にもSONYのボディーと合っています。
さてさて、広告写真と違って自分の思い通りの写真を写せば「OK」のせっかくのチャンス、何を写そうかと思ったのですが、毎日生活している東京や横浜といった都会、それも、これまで写してきて、もうちょっとレンズがワイドだったらな〜と思った場面を思い出して撮影をする事にしました。
台風11号、12号と連続した悪天候のなか、晴れ間を見つけての撮影でした。結論は、これまで、撮れなかった写真が写せました。気がつけば、最短11mmでの撮影が多くなりました。
大都会は、みんな大きいのです。
作例1
SONY α6500 11mm 1/500 F5.6 ISO100 ZX C-PL使用
先ずは、クルーズ船です。
横浜の大桟橋に停泊中の、「飛鳥II」です。
桟橋の送迎デッキから、撮影しましたが、この角度で、大きな船の全長が全部入ります。さすが画角104°の11mmです。
作例2
SONY α6500 11mm 1/60 F4.5 ISO320
八重洲と銀座の境にある、槙三伏見稲荷神社です。
お稲荷さんなので、商売繁盛、五穀豊穣の神様です。
どんな場所に神社があるのかを写し込めるのは、超広角レンズだけです。
作例3
SONY α6500 11mm 1/15 F2.8 ISO1600
もう一つ、銀座の神社です。
銀座七丁目の豊岩稲荷神社です。ビルとビルの合間の人と人がやっとすれ違える、細い路地にあります。
火防・縁結の神様です。
このスペース感を出すには11mmしかありません。
作例4
SONY α6500 11mm 1/15 F5.6 ISO1600 ZX C-PL使用
夜のJR東京駅丸の内側です。
中秋の名月の数日前に撮影しました。明るい月が写っています。
1914年に完成したレンガの駅舎は335mの長さがあります。
真正面から、こんな風に写せるのはさずが11mmの威力です。
ワイド感を強調するため16:9の比率にトリミングしました。
作例5
SONY α6500 11mm 1/320 F6.3 ISO100 ZX C-PL使用
東京都庁の第1本庁舎です。
丹下健三さんが設計した、高さ243.4mの超高層ビルです。画角104°の超広角でとらえると、本庁舎向かい側の都議会議事堂庁舎の一部まで撮影する事ができました。
修学旅行生が記念撮影をしていました。
作例6
SONY α6500 16mm 1/60 F2.8 ISO1250
丸の内・大手町の夜景です。
建築写真のように、垂直をphotoshopで修正しました。
レンズの明るさが2.8なので手持ち夜景撮影には助かります。
夜なのに、お濠には白鳥が一羽、泳いでいました。
どこにいるのか、わかりますか?
作例7
sony α6500 11mm 1/40 F2.8 ISO1600
国立科学博物館の地球館に並ぶ動物の剥製です。動物園より、近くで見られます。剥製でも迫力があります。
かなり暗い場所ですが、絞り開放2.8で撮影。鼻にピントを合わせています。ワイドですが寄って撮影しているので、後ろは適度にボケます。
作例8
SONY α6500 17mm 1/50 F2.8 ISO1600
スタジオで、仕事中のスナップです。
撮影途中で、メイクとヘアの修正中にスナップです。影が面白いので撮影。
17mmで撮影しましたが、ワイドレンズの癖が目立たずに自然な感じで写せました。
作例9
SONY α6500 11mm 1/15 F2.8 ISO1600 ZX C-PL使用
銀座のキューピットです。キューピットと天使の違いは、弓をもっているのがキューピットだそうです。
キューピットがいるのは、高級時計と鉄道模型で有名な天賞堂でした。ビルは一昨年建て替えられ、現在はスイスの高級腕時計ヴァシュロン・コンスタンタンのショップになっていますが、新しいビルにもキューピットは、残りました。
粋な着物の御婦人が闊歩する午後の銀座で、キューピットは何をみているのでしょう。
作例10
SONY α6500 11mm 1/250 F5.6 ISO100 ZX C-PL使用
大桟橋で飛鳥IIを撮影した後、中華街に行きました。
中華街にある関帝廊です。中国の道教のお寺で主に商売人の守り神として崇敬を集めています。
日本のお寺と違ってカラフルです。
作例11
SONY α6500 18mm 1/250 F5.6 ISO100 ZX C-PL使用
関帝廊で500円の中華風の長いお線香を買い、お参りしました。
お線香を供養すると、それを証明するカードがもらえます。
1回のお参りで、玉皇上帝、関聖帝君、地母娘、関聖帝君、観音菩薩、福徳正神の6つの神様にお願いができ、ご利益は、国泰平安、商売繁盛・入試合格・家内安全・学問、健康と除災、解難と健康、縁談と安産、福徳正神には金運と財産保全です。
コスパ高いです。(神様に失礼です。)
作例12
SONY α6500 11mm 1/60 F5.6 ISO1000 ZX C-PL使用
お腹がすいたので、三和楼で名物の排骨麺をいただきました。三和楼は横浜中華街での排骨麺発祥の店と言われています。
ワイドレンズで料理を撮るなんて、以前はプロのセオリーにはありませんでした。
携帯が普及し、スマホが当たり前になり、内蔵カメラで料理を撮影するようになり、ワイドレンズで料理を撮影する事が当たり前になりました。という事で、カメラ+ワイドズームで撮影しました。
ワイドレンズで食べ物を撮影すると、面白い雰囲気の写真が写せます。
atx-m 11-18mmF2.8Eの最短撮影距離は、11mmで19cm 18 mmで30cmまで寄れます。
注意しないといけないのは、料理にカメラの影が落ちないようにする事です。
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