TOKINA AT-X M100 PRO Dは、焦点距離100mmを持つ、最大で等倍までの撮影が可能なマクロレンズである。
AT-X M100 PRO Dは、35mm一眼レフ、APS-Cサイズの撮像素子を搭載したデジタル一眼レフ双方で使用が可能だ。
レンズの作りはTOKINAらしいしっかりとした作りで、ピントリングの粘度もちょうど良く、AT-X PROシリーズお馴染みのワンタッチフォーカスクラッチ機構も搭載されている。
マクロレンズは接写時、被写界深度が浅くマニュアルフォーカスでの撮影も多くなることから、瞬時にオートフォーカスからマニュアルフォーカスに変更することができるメリットは大きい。
また、一定の範囲での撮影において、ピント合わせに便利なフォーカスリミッターも搭載されている。
最短撮影距離は30cn、絞り羽根は9枚も使われている。
マクロレンズのキモともいえるボケ味は、TOKINAマクロレンズらしい滑らかなやわらかいボケ味が楽しめるレンズだ。
以下、作例をご覧頂きながら解説をしてゆきたいのであるが、僕の撮影方法は「頭に浮かんだイメージを再現する」撮り方を行っているため、作例には自分のイメージ通りに再現するための撮影、現像、レタッチを行った作例であることを先におことわりしておきたい。
また、作例解説には、TOKINA AT-X M100 PRO D(以下AT-X M100とする)の特徴を生かし
た撮影方法と、レタッチの方法も合わせて解説してゆきたい。
目次 [開く]
作例01花にとまっていたトンボに寄って撮る
焦点領域100mm(35mm判換算150mm相当)で使用、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/160秒、絞りF5.6、ISO500、WBオート、カメラD300
AT-X M100 PRO Dは、APS-Cサイズの撮像素子を使ったデジタル一眼レフカメラで使用すると35mm換算150mmと望遠マクロになり、昆虫などある程度距離を置かなければ撮影できない被写体に対し大きなアドバンテージになる。
作例ではトンボを撮影したのだが、トンボも近づき過ぎてしまっては逃げられてしまうので150mmという焦点距離は大きなアドバンテージになった。
肝心の描写であるが、拡大して見ていただくとわかるように、ピントを合わせたトンボの複眼部分を見事に解像している。
また、背景の緑もにごり無く綺麗にボケている。
葉や樹の枝などの緑色が中心の背景で、にごり無く綺麗にボケるマクロレンズは事のほか少ない。
こうした背景でもAT-X M100 PRO Dは、にごり無く綺麗にボケてくれるマクロレンズである。
この一枚のレタッチであるが、特に補正する部分は見当たらなかったため、そのままで完成とした。
作例02水滴を撮る
焦点領域100mm(35mm判換算150mm相当)で使用、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/500、絞りF5.3、ISO200、WBオート、カメラD300
ピントを合わせた水滴の中に写る花、そしてバックは一気にふわりと柔質なボケ味が広がってゆく。
マクロレンズが持つボケ味には様々な質があるのだが、この柔質なボケ味はAT-X M100 PRO Dならではの味わいである。
このやわらかいボケ味は唯一無二のボケ味と言えよう。
焦点領域100mm(35mm判換算150mm相当)で使用、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/1000、絞りF5.6、ISO200、WBオート、カメラD300
また、引いた画でのボケ味も試すことにした。
寄りでの撮影同様、
AT-X M100 PRO Dは、100mm(35mm換算150mm)単焦点レンズとして使う楽しさも備えている。
この2枚のレタッチであるが、特に補正する部分は見当たらなかったため、そのままで完成とした。
作例03あじさいを撮る
焦点領域100mm(35mm判換算150mm相当)で使用、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/250、絞りF5.6、ISO400、WBオート、カメラD300
マクロレンズの出番の中で、花の写真撮影は非常に多いシチュエーションなのではないかと思う。
AT-X M100 PRO Dも花写真は得意科目のひとつだ。
ピントを合わせたしべも確り解像し、さらに独特の柔らかいボケで花の繊細さをさらに強調してくれている。
AT-X M100 PRO Dは、他にはないボケ味で一味違った画作りを撮り手に提供してくれる一本だ。
この一枚のレタッチであるが、特に補正する部分は見当たらなかったため、そのままで完成とした。
作例04テーブルフォトを撮る
焦点領域100mm(35mm判換算150mm相当)で使用、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/60、絞りF5、ISO800、WBオート、カメラD300
AT-X M100 PRO Dはこうしたテーブルフォトも美しくしずる感ある一枚を提供してくれる。
食べごろの鶏肉の食感まで伝わってくるような一枚を提供してくれるレンズである。
この一枚のレタッチであるが、光源がミックス光になってしまったため若干の色かぶりを起こしていた。
そのためカラーバランスで見た目の色合い戻し完成とした。
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