ハーフNDフィルターといえば「白飛び・黒つぶれをなくし、写真上再現されないところを再現するフィルター」と一般に理解されています。果たしてそうでしょうか。
先日、長野県飯田市の桜撮影スポット、との紹介で「増泉寺」を訪れました。
見事な樹齢350年というしだれ桜があり、お寺の門とともに撮影をしていました。
門を横切る子供とともに捉えたのが、効果フィルター未使用の写真です。
トキナーAT-X 12-28 F4 PRO DX 1/50秒 F11 22mm域(35mm判換算33mm) ISO100
ただ、このときにもたくさんの写真家が周りにいて
「増泉寺という看板が新しくって目立って残念」
「フォトショップで加工しなきゃ」
といった声も聞こえてきました。
ここでひらめいたのが、ハーフNDを逆に使う方法です。
トキナーAT-X 12-28 F4 PRO DX 1/20秒 F11 22mm域(35mm判換算33mm) ISO100
コッキンNUANCES GND8S使用
ハーフNDを上下逆に使い、山門のところを暗く演出しました。
写真だけを見ると、撮影時間が異なるように見えますが、実際は効果フィルター未使用のカットを17時20分に撮影、NUANCES GND8Sを使用して撮影したのが17時22分とわずかな時間差です。
参考例
トキナーAT-X 12-28 F4 PRO DX 1/20秒 F11 22mm域(35mm判換算33mm) ISO100
コッキンNUANCES GND4S使用
ハーフNDを上下逆に使い、山門のところを暗く演出しようとしましたが、うまくいきませんでした。
ハーフNDは明暗差の調整フィルター。今回は発想の転換といった使い方でしたが、ぜひ皆様も撮影現場でいろいろ試していただければと思います。
2017年4月21日「角型フィルター活用術」セミナーの内容から抜粋。
(写真・文:広報・宣伝課 田原 栄一)