AT-X 124 PRO DX Ⅱ|トキナーレンズで旅写真 - 藤井智弘


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AT-X 124 PRO DX Ⅱ

AT-X 124 PRO DX Ⅱトキナーレンズには、2本APS-Cフォーマット用の超広角ズームがラインナップしている。ひとつはAT-X 116 PRO DX。そしてもうひとつがAT-X 124 PRO DX Ⅱだ。

おそらく注目度が高いのはAT-X 116 PRO DXだろう。11mmの超ワイドとズーム全域でF2.8の明るさは大きな魅力だ。
しかしAT-X 124 PRO DX Ⅱの存在も忘れてはならない。このレンズの魅力は、ズバリ扱いやすさだ。他社からは10mmから始まる超広角ズームも発売されているため、ワイド端が12mmなのは地味に感じるかもしれない。しかしニコンでの35mmフルサイズ換算では18-36mm相当。18mmあれば、よほどのことがない限り、不満に思うことはないはずだ。

またテレ端は36mm相当なので、常用する広角域は、これ1本でカバーできる。ズーム全域でF4なのも使い勝手が良く、F2.8にはかなわないものの、実用上不満のない明るさだ。

そして見逃せないのが描写力の高さ。絞りF4開放から驚くほどシャープだ。周辺光量低下やディストーションも少ない。焦点域、明るさ、操作性、描写性能、すべてにおいてバランスが取れている。風景やスナップをはじめ、ポートレートや室内撮影など、幅広い被写体に向く。使いやすい広角ズームを探している人には、自信を持っておすすめできるレンズだ。


 

Index

 

作例01

ニコンD7000 絞り優先AE(F11、1/50秒) -0.3EV補正 WB:オート ISO100 12mm域


About

フランス北東部、アルザス地方の木組みの家々。12mmの超広角は、ファインダーを覗くと広々していて、旅先で出会った建物や風景をとらえるのに最適だ。しかも画面四隅でも像が崩れず、高い解像力を保っている。AFも静かで速く、AT-X 124 PRO DX Ⅱでの撮影は快適だ。

 

作例02

About

ヨーロッパの駅舎を中心に、青い空と青い水の配置を意識した。ズームレンズなら微妙なフレーミングが行える。AT-X 124 PRO DX Ⅱは、実にシャープでクリアな描写だ。見事、期待通りの描写性能を発揮してくれた。また歪曲収差もとても少ないことがわかる。安心して撮影に集中できるレンズだ。


ニコンD7000 絞り優先AE(F8、1/250秒) WB:オート ISO100 15mm域


 

作例03

ニコンD7000 絞り優先AE(F11、1/100秒) -0.3EV補正 WB:オート ISO100 12mm域


About

広角レンズは、手前のものを大きく、遠くのものを小さくし、遠近感を誇張した写真が撮れる。ここでも手前に花、奥に建物を入れて、遠近感を意識した構図にした。こうしたダイナミックな写真は、超広角レンズならではの楽しさだ。思い切って花に寄っているため、奥の建物はF11に絞っても被写界深度から外れている。だがAT-X 124 PRO DX Ⅱは、ボケも自然なので違和感がない。しかも解像力が高いおかげで、立体感のある作品になった。

 

作例04

ニコンD7000 絞り優先AE(F11、1/200秒) -0.3EV補正 WB:オート ISO100 19mm域


About

広角レンズは空に向けると画面内に直射光が入りやすい。そこで気になるのがフレアやゴーストだ。ここでも太陽は雲に隠れているが、光は強い。だがフレアが出ることはなく、コントラストの高い写真が撮れた。おかげで輝く雲がアクセントになった。コーティングが優れていることがわかる。

 

作例05

About

ヨーロッパの聖堂の中はとても暗い。しかも窓からの光は明るく、階調再現は厳しい条件だ。しかしAT-X 124 PRO DX Ⅱは肉眼に近い写真が撮れた。石造りの質感の描写も申し分ない。12mmの画角で、聖堂が持つ歴史の重みを表現することができた。なお聖堂内は当然三脚もフラッシュも使えない。高感度に頼ることになるが、AT-X 124 PRO DX Ⅱはホールディングのバランスが良く、ISO400で1/20秒のスローシャッターでも手持ちで撮影できた。


ニコンD7000 絞り優先AE(F5.6、1/20秒) WB:オート ISO400 12mm域


 

作例06

ニコンD7000 絞り優先AE(F4、1/50秒) -0.3EV補正 WB:オート ISO400 24mm域


About

AT-X 124 PRO DX Ⅱの最短撮影距離は、ズーム全域で0.3m。最大倍率は1:8だ。24mm側で絞りを開放にし、被写体に近づくと、広角ズームといえども背景はボケる。フランス北東部、アルザス地方のシンボル、コウノトリの置物に近づき、背景のディスプレイをボカした。広角ズームながら素直なボケ味で、二線ボケもない。背景の形が崩れていないので、自然な雰囲気に仕上がった。

 
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