秦 達夫

風景を見つめる秦達夫の視点


opera 16-28mm F2.8 FF

opera 16-28mm F2.8 FF

前モデルから9年の時間が経ち新たにモデルチェンジをして登場したopera16-28mmF2.8。前モデルから定評があった高画質へのこだわりが、その風貌からも醸し出されている。

特徴的なのは前玉の形状だ。前モデルにも採用していたP-MO非球面レンズを改良し面精度やコートの改善によりゴースト、フレアを低減させる事に成功している。なにより気に入っているのはピントリングスライド式のAF・MFの切り替えだ。これによりスムーズにAFの切り替えが行える。

撮影において最も優先させる事はリズムよく仕事ができること。これどうするんだっけ?とシャッターを切る以外の事に気を使いたくないのだ。

描写については高画素化が進むカメラ業界においてレンズの高画素への対応は急務でありレンズメーカーはカメラ純正メーカーよりもシビアに高画質へのこだわりを持っている。冒頭でも触れているが風貌からも画質へのこだわりを見せており満足の行く仕上がりになっている。広角ズームレンズとしては大柄なレンズではあるが手持ちで構えた時にボディーとのバランスも良く全体の質感に高級感があって撮影している楽しみを実感できる。手にして満足する一品に仕上がっている。

ラインナップはキヤノン・ニコンの2ラインでピントリングの回転方向はメーカー別に合わせて作られているから違和感なく使用する事ができるだろう。


 

作例01

このレンズの嬉しいとことは、超広角レンズであるにも関わらず接写距離が短く被写体大きく撮影できること。
この撮影距離はレンズフードから30㎝も離れていない距離から撮影している。


使用カメラ:Canon EOS R、絞り値:f/9、シャッタースピード:1/4000秒、ISO感度:ISO-200、焦点距離:25mm


 

作例02

使用カメラ:Canon EOS R、絞り値:f/11、シャッタースピード:1/125秒、ISO感度:ISO-640、露出補正:+0.33EV、焦点距離:19mm


広角レンズの特徴はパースが強調されることにある。つまりレンズに近い被写体は大きく、離れると小さく写る特徴があるの。それを活かし、もともと放射上の被写体を仰ぎ見ることで放射構図を強調した作品に仕上がている。

 

作例03

夕日が窓ガラスに反射し、その光が石畳みに降り注いでいた。
その光だけでは作品に仕上がることは難しいのでローアングルに構え畳みの奥まで入るように構図を考えて撮影している。
石の質感と奥行きを感じさせることができた。


使用カメラ:Canon EOS R、絞り値:f/11、シャッタースピード:1/160秒、ISO感度:ISO-1600、露出補正:-0.67EV、焦点距離:24mm


 

作例04

使用カメラ:Canon EOS R、絞り値:f/8、シャッタースピード:1/125秒、ISO感度:ISO-250、露出補正:-0.67EV、焦点距離:22mm


サーファーがボードを抱えて波打ち際を歩いてきたのでシャッターを切った。夕暮れの光の中シルエットで浮かび上がる姿がかっこいい。

 

作例05

使用カメラ:Canon EOS R、絞り値:f/2.8、シャッタースピード:1/60秒、ISO感度:ISO-6400、焦点距離:28mm


巨大なビルの真下から夜空を仰ぎ見ると満月に近いお月様が顔を覗かせていた。キングコングでも登って来そうな、そんな事を考えつつパースを意識しながら撮影。ビルが歪むことなく綺麗な直線の描写がお気に入り。

 

作例06

暖冬だった2019年の冬。それでも氷柱は大きく直径は3m近いのではないだろうか。
デカい氷柱は広角レンズで仰ぎ見ると迫力が出る。足下が狭く危険なためポジションが限定されるときに広角ズームは威力を発揮してくれる。


使用カメラ:Canon EOS R、絞り値:f/8、シャッタースピード:1/125秒、ISO感度:ISO-200、露出補正:+1EV、焦点距離:16mm


 

作例07

使用カメラ:Canon EOS R、絞り値:f/8、シャッタースピード:1/400秒、ISO感度:ISO-200、露出補正:+0.67EV、焦点距離:19mm


冬の八甲田山は天気が悪い日が多い。この日も吹雪いており3m先が見えないホワイトアウト状態だった。そんな時は広角レンズで樹氷に思いっきり近づいて撮影をする。雪の質感が写り白の世界に樹氷の模様が浮かび上がる。

 

作例08

魔女が棲んでいる森にありそうな木々。曇天の空も悪いことが起こりそうな雰囲気を演出してくれているようだった。
こんな時は露出をアンダーに設定し暗い仕上がりにしてみる。魔女が登場するワンシーンのように仕上げることができた。


使用カメラ:Canon EOS R、絞り値:f/8、シャッタースピード:1/2000秒、ISO感度:ISO-400、露出補正:-0.67EV、焦点距離:28mm


 

作例09

使用カメラ:Canon EOS R、絞り値:f/8、シャッタースピード:1/320秒、ISO感度:ISO-200、露出補正:-0.33EV、焦点距離:19mm


宝剣岳を代表に聳える中央アルプス。ここはロープウェーで気軽に2600mの世界を楽しむ事ができる。この広い空間を捉えるためには超広角の力が絶対必要だ。夕陽が西に傾き山々はシルエットになるがダイナミックな空の広がりを写し止めることができた。

 

作例10

愛嬌のある白馬。より愛嬌を引き出す為に鼻がレンズに当たってしまうかも?と思うくらい近づいて撮影している。隣の馬も僕の行動が気になるようで覗きに来ていた。
広角レンズは四隅の確認が疎かになるがファインダーをよく見て周辺にも気を配る。


使用カメラ:Canon EOS R、絞り値:f/5、シャッタースピード:1/1600秒、ISO感度:ISO-400、露出補正:+0.67EV、焦点距離:23mm


 
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