+プロフィール

Tokina新レンズを使う

三田崇博

三田崇博(さんだたかひろ)

1975年奈良県生まれ。サラリーマンから独学で写真家に転向。ライフワークとして年に数回の旅を繰り返しながら現在までに90以上の国と地域で300か所以上の世界遺産の撮影を行っている。東京や大阪をはじめ北海道から九州まで全国各地で開催している写真展は100回を超える。また、カレンダーや雑誌などに写真提供する傍ら旅の経験を語る講演会も数多く実施。日本写真家協会(JPS)会員、総合旅行業務取扱管理者の資格も持つ。→ ホームページ


» TOP » opera 50mm F1.4 FF

好きな絞り値でどんどん使える最高画質レンズ

opera 50mm F1.4 FF

operaシリーズの第一弾として発売されたopera 50mm F1.4 FF。全長107.5mmm、重さ950gというこのクラスのレンズにしては少々大きく感じる部分もあるが、その分画質に妥協することなく作り込まれた最高画質が得られるのが売りである。

私は海外を旅しながらの撮影が多いためなるべく小型軽量の機材で撮影に行くことが多い。しかしここぞという時のために画質に妥協のないレンズを必ず数本持参する。特に50mmという焦点域は人間の目で見た感覚に最も近いと言われており、その場の実際の雰囲気を伝えるのに最も適した画角でもある。この焦点域のレンズは各社から出ているが数段絞り込まないと鮮明な画が得られないものも多くせっかくの開放F値を生かし切れないことがある。しかしこのoperaレンズは大きさや重さに妥協することなく徹底的に画質重視で作り込まれたレンズなので開放F値1.4から安心して使えることが大きなポイントだ。また防塵・防滴対応であることも旅に持っていくにはありがたい。今回opera 50mm F1.4 FFを持って毎年秋に行われる2つの祭りを中心にミャンマーを旅をしたので実際の作例を見ながらこのレンズの特徴をお伝えしようと思う。

 

作例1

作例01

ミャンマーの玄関口であるヤンゴン。ここ数年で急速に近代化が進み車の量も激増している。ヤンゴンでは最も高い部類に入る高さ100mのビルの屋上から市内の夜景を撮影した。車の光跡を撮るためこのレンズの最大絞りであるF16で撮影。回析現象はほとんど見られず良好な画が得られた。画面奥に光り輝くパゴダ(仏塔)が見えるが、その周辺を照らすライトの光が絞り込むことにより絞り羽枚数の倍の18本の光芒が綺麗に現れた。


使用カメラ:Nikon D850、絞り値:f/16、シャッタースピード:15秒、ISO感度:ISO-100


 

作例2

作例02

ミャンマー北東部に位置する避暑地インレー湖。ここでは現在でも伝統的な方法で漁がおこなわれている。その様子を綺麗な夕焼けをバックに撮影。何カットか露出を変えて撮影してみたが開放F値で撮影したものも驚くほど鮮明に描写されている。


使用カメラ:Nikon D850、絞り値:f/1.4、シャッタースピード:1/400秒、ISO感度:ISO-200


 

作例3

作例03

使用カメラ:Nikon D850、絞り値:f/8、シャッタースピード:1/1600秒、ISO感度:ISO-400


インレー湖の秋の祭りであるファウンドーウーパゴタ祭り。黄金のカラウェイ(ミャンマー伝説の鳥「カラウェイ」の形をした黄金の船)を次の村まで曳航するため早朝より多くの足漕ぎボートがその時を待っている。ボート上からの撮影のため早いシャッター速度を選んで撮影。明暗の激しい逆光の太陽もディテールが崩れずに写し込むことができた。新開発のELRコーティングが功を奏していると思われる。

 

作例4

作例04

使用カメラ:Nikon D850、絞り値:f/8、シャッタースピード:1/500秒、ISO感度:ISO-400


いよいよ黄金のカラウェイが次の村に向けてたくさんの足漕ぎボートに先導されて現れた。曇り空の逆光の状況では少し露出補正をプラス側にして撮影するが、その場合背景が白とびしてしまうことが多い。しかしopera 50mm F1.4 FFは背景の色調を保ったままカラウェイの黄金色を出してくれた。

 

作例5

作例05

使用カメラ:Nikon D850、絞り値:f/1.4、シャッタースピード:1/125秒、ISO感度:ISO-200


インレー湖周辺では蓮の茎から織物用の糸を生成している。その製造工程を見学したときの一枚。茎の中から出てきた繊維にピントが合い蓮の茎はわずかにボケている。背景のボケ具合も自然で繊維の部分が立体的に際立ってみえる。

 

作例6

作例06

使用カメラ:Nikon D850、絞り値:f/4.5、シャッタースピード:1/1600秒、ISO感度:ISO-100


インレー湖に浮かぶ水上寺院。祭りの期間中に曳航されるカラウェイとご神体は普段はこの寺院に保管されている。突然目の前の鳩の大群が一斉に飛び出したので慌ててカメラを取り出したがopera 50mm F1.4 FFはリング型超音波モーターを採用したおかげで素早いAFが可能で撮影1コマ目からきちんとピントを合わすことができた。

 

作例7

作例07

使用カメラ:Nikon D850、絞り値:f/4.5、シャッタースピード:1/100秒、ISO感度:ISO-200


近年外国人が訪れることができるようになったカックー遺跡。人々の寄進によって数千もの仏塔が立ち並ぶ光景はミャンマー国内でもここでしかみることのできない絶景だ。訪れた日は雨模様だったので仏塔に施された彫刻の色合いをいい雰囲気で撮影することができた。opera 50mm F1.4 FFは防塵・防滴対応となっているため安心して撮影に没頭することができた。

 

作例8

作例08

それぞれの仏塔には異なった彫刻が施されており気に入ったものを撮影して歩いた。opera 50mm F1.4 FFは開放絞りでも十分な解像力だが2段絞るとよりコントラストの効いた画を得ることができる。


使用カメラ:Nikon D850、絞り値:f/2.8、シャッタースピード:1/500秒、ISO感度:ISO-200


 

作例9

作例09

ミャンマーには130以上の民族が暮らすと言われている。タイ北部からミャンマーのこの地域に暮らすカヤン族もその一部族で女性は黄金の首輪を身に着け、一般的に首長族として知られている。背景のボケが欲しかったため開放F値で撮影したが目以外の部分はわずかにボケている。それがかえって瞳の美しさを引き立たせる結果となった。


使用カメラ:Nikon D850、絞り値:f/1.4、シャッタースピード:1/800秒、ISO感度:ISO-320


 

作例10

作例10

今回の旅の最大の目的であるタディンジュ満月の祭り。10月の満月の日、釈迦が天から降りる際に地上が見えるよう釈迦の足元を照らすという習慣がある。何千もの蝋燭が寺院の境内に灯される。ストロボを使うと雰囲気が壊れるため蝋燭の明かりのみで撮影するのに積極的に開放F値を使うことができた。


使用カメラ:Nikon D850、絞り値:f/1.4、シャッタースピード:1/320秒、ISO感度:ISO-2000


 

作例11

作例11

使用カメラ:Nikon D850、絞り値:f/1.4、シャッタースピード:1/160秒、ISO感度:ISO-1600


火を灯す子供の僧侶に近づいて撮影。opera 50mm F1.4 FFはなめらかなボケ味とコントラストの高い画が得られるおかげで主題をより引き立たせて撮影することができた。

 

作例12

作例12

民族衣装に身を包んだ女性がキャンドルに火を灯す。opera 50mm F1.4 FFは円形絞りを採用し、絞り開放F1.4~2の間でほぼ円形となる。背景のキャンドルが綺麗なボケになり幻想的な雰囲気を撮影することができた。


使用カメラ:Nikon D850、絞り値:f/1.4、シャッタースピード:1/80秒、ISO感度:ISO-800


 

作例13

作例13

使用カメラ:Nikon D850、絞り値:f/1.4、シャッタースピード:1/800秒、ISO感度:ISO-100


観光客の増加に伴い至るところに土産物の屋台が並ぶ。しかし他のアジアの国に比べるとまだまだ売り方が控えめなのはミャンマー人の民族性によるところだと思う。この写真では同じものが連続して並ぶ様を斜め上から開放絞り撮影した。上下に滑らかにボケ味が広がっていく様子がわかる。

 

作例14

作例14

使用カメラ:Nikon D850、絞り値:f/1.4、シャッタースピード:1/320秒、ISO感度:ISO-100


ミャンマーには地域ごとに様々な種類の麺があり、ここシャン州では米を原料とした麺が食される。シャンヌードルと呼ばれるこの麺はモチモチとした食感で好んで注文する料理のひとつだ。料理メニューとして撮影するのであれば絞り込むところだがやわらかいイメージに仕上げるためF1.4で撮影した。opera 50mm F1.4 FFはボケ味の諧調がとても豊かでディテールを残したまま綺麗にボケてくれた。

 

まとめ

お世辞にもコンパクトとは言えない大きさではあるがデジタル一眼レフとの重量バランスは標準ズームレンズを使っている感覚に近く特に重さを感じなかった。それよりもどの絞り値であっても最高の画質で撮れるというメリットが大きい。今回の撮影は暗いシーンが多かったこともあり積極的に絞り開放を使って撮影したがopera 50mm F1.4 FFのコントラストの高い描写がピントのあった部分をより立体的に表現することができた。特に最近の高画素のカメラを使う場合にはこのレンズを一本持っていくと、ここぞというときに最高のパフォーマンスで撮影できるという安心感がある。


 
opera 50mm F1.4 FF の製品情報はこちら »
 
このページのトップへ戻る

[著作権および画像利用についてのご注意]

本スペシャルページで提供している「実写生データ」の著作権は撮影者に、使用権は株式会社ケンコー・トキナーに帰属しています。著作権所有者および 株式会社ケンコー・トキナー への事前の承諾を得ること無しに、その全てまたは一部を、いかな る形式、いかなる手段によっても、複製・改変・再配布・再出版・表示・掲示または転送することは禁じられています。
本スペシャルページの「実写生データ」は、お客様のコンピュータースクリーン、もしくはお客様ご自身のプリンターまたは プリント手段等による、私的な画像確認での利用に限ってのみ、ご利用いただけます。