ケンコー・トキナースタッフブログ


中判フィルムスキャナーKFS-1420BFでモノクロフィルムをスキャンしてみるまでが大変だった話

 
Posted:2016.02.04 ブログを購読

先月発売となりました、中判フィルム専用フィルムスキャナー「KFS-1420BF」。最近の趣味はもっぱらモノクロフィルムの自家現像&引き伸ばしプリントで、いつかは中判も…(?)と考えている私、WEB担当Aにとっては非常に気になる新製品でございます。

 

というわけで使ってみようと思ったのですが、もちろん中判はやったことがないので中判フィルムが手元にありません。すみませーん、どこかに現像済み中判フィルムありませんかーー?と社内のあちこちに声をかけ、自分のデスクに戻ったところ…

 

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なんと、私の机の上に「マミヤRB67プロフェッショナルSD」が…!!

“自分で撮ってみたら?きっと楽しいよ!フィルム探しに行くのめんどくさいからby T原”、とのことです。

 

う~ん、はたして私にできるのだろうか…。とにもかくにも早速フィルムを買ってきました。

 

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バラ売りしてるのがこれしか見つかりませんでした。「イルフォード HP5 PLUS 400」です。

 

あれ?ところでこれどうやってフィルム入れるの…?説明書を読んだり2Fのサービスショップのスタッフさんに手を借りながら、なんとか装填完了!いざ撮影へ!

 

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なにこれ超重いんですけど…。しかしかの有名な女性写真家は、なんと手持ちで(!)このシリーズのカメラを使われているというではありませんか!…がんばりましょう。

このカメラには露出計が無いで別のカメラで露出を計り、絞りとシャッタースピードをセットして撮影しました。たった10枚しか撮れないのであっという間かと思ったのですが、腕はずっとプルプルするし屋上は寒いしでもう帰りたい…。

 

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現像はおうちで。普段はトライXを使っているので現像液がKodak D-76しかありません。HP5 PLUSとD-76の組み合わせの現像データを調べて(D-76 原液 7分30秒 20℃)やってみました。ちょっと眠いネガになってしまったような…?

それにしてもやっぱり中判フィルムは大きいですね~~。リール巻きに失敗して、1コマ目が傷だらけになってしまいました…。

 

 

さぁ、やっとスキャンです。ここまで長い道のりでした…。

しかしフィルムをセットしようとしたところ、なんとフィルムホルダーにフィルムが収まりません!マミヤRB67はその名の通り6×7判で、私はフィルムを3コマずつカットしたのですが、これだとホルダーからはみ出してしまいます。2コマずつカットすれば良かった…。泣く泣く1コマ切って、セット完了。

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KFS-1420BFの使い方は至って簡単。SDカードを入れ、フィルムタイプをポジ/カラーネガ/モノクロネガの3つから選び、サイズは6×7を指定し、スキャンボタンを押すだけ。今までの苦労は何だったのかと思うほどらくちんです。

このスキャナのいいところは、スキャン前に露出補正ができるところです。もしかしてこの写真、空の色が飛んでしまうかも?と思ったら念の為に暗めでもスキャンしておくと安心です。露出違いをたくさんスキャンしておいて、あとからパソコンでHDR合成なんてことも…?

 

というわけで、KFS-1420BFで露出補正-1.5にしてスキャンした画像です。 » 元データはこちら

20160202_06.jpg

あっ、ちょっとナナメになってる…のは私のカメラの持ち方が下手なせいでKFS-1420BFのせいではありません…。

1/2.3型のイメージセンサーにしてはなかなか健闘しているのではないでしょうか…?!さすがに等倍観賞ではモヤっと感が否めないところではありますが、2Lプリントや、縮小してSNSに上げたりするのには問題なさそうです。

 

ネガがやっぱりちょっと眠いかも…?それともスキャナーの性質?

しかしモノクロプリントは最初からコントラスト強めの状態から始めるよりも、コントラスト弱めの状態から、徐々に自分好みのコントラストをつけていく方がやりやすいといいますしね。

 

家ではたまに、撮った写真をSNSに上げるためにKFS-500という35mm判フィルム用のスキャナーでスキャンすることがあるんですが、それはPCに繋いでスキャンするタイプのもので、スキャン時に調整が一切できません。コントラストが強めにつくので、なかなか印象的なモノクロ写真になってくれるのですが、たまにちょっとコントラスト落としたいなーと思ってあとから画像編集しても、黒つぶれしたところは戻ってこなくてがっかりすることがありました。

…しかしその点において、今回のKFS-1420BFなら後から画像編集で遊べる余地が(KFS-500に比べると)残っているので面白いのではないでしょうか!!

 

というわけでKFS-1420BF、とっても簡単に中判フィルムをデジタルデータにしてSDカードに保存してくれる、お手軽・便利なフィルムスキャナー。SDにどんどん保存しておけば、そのままSDを持っていってお店プリントをお願いしたり、デジタルフォトフレームで再生したりできます。あとはPCに取り込んで編集したり、印刷したり、ブログに上げたりして、楽しみが広がりますね~~。中判フィルムがお手元にある方、まだまだ中判で撮ってるぞという方も、ぜひご検討くださいませ。

 

» KFS-1420BF 製品ページへ

 

※おまけ

PhotoshopではじめてHDR合成を使ってみました。思ったより自然な感じです。なんだか立体的になったような…?

20160202_08.jpg

 

(WEB担当:A)

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