桃井一至 - トキナーレンズで写す異国情緒


Reflex 300mm F6.3 MF MACRO 新製品

Reflex 300mm F6.3 MF MACRO トキナーブランドとしては初となるマイクロフォーサーズマウントモデルが、レフレックス300mmF6.3 MACROだ。
缶コーヒーよりも短い全長はまさに手のひらサイズ。そんな小さなレンズで、想像を超えるほど遠くのものが大きく撮れる。
それは覗いた瞬間、どこを見ているのかもわからないほど圧倒的だ。

小ささの秘密は「反射望遠方式」を採用しているから。本体を覗きこむと鏡が見えるが、この鏡とレンズ中央のフタのような部分の裏にあるもうひとつの鏡に反射させることで、通常の望遠レンズに必要な設計上の距離を折り曲げて、コンパクトな望遠レンズを実現しているわけだ。ボケのかたちも独特のドーナツ状のもの。自然なボケとは言いがたいが、この形を活かした作風にすればおもしろい効果が狙える。ただ、小ささゆえに安易に扱うと、優れた手ブレ補正が内蔵されたカメラボディであっても、手ブレを誘発しやすい。基本は三脚か一脚を使い、ライブビューの部分拡大機能を使って、しっかりとピントを合わせたい。

主要部は金属で作られた本格派。手にした時の心地良い重みと、しっとり動くフォーカスリングによって、チープな感触は一切ない。それにも関わらず、お値段が手ごろなのもうれしいポイントだ。超望遠、ドーナツボケと個性の強いレンズだが、それだけに自分の意図する作品に出会えた暁には喜びも大きいはず。ぜひ手にして楽しんで欲しい。


 

Index

 

作例01


About

静かなBARの店内。いくつもの銘柄の並ぶボトルを眺める。 手前にはカウンターを照らす照明が下がり、それが独特のリングボケを楽しませてくれた。テーブル上にカメラを置き、2秒セルフタイマーでレリーズ。35ミリ換算600ミリ相当のレンズはブレに細心の注意を払いたい。

 

作例02


About

階段状の坂を下るケーブルカー。画面上は望遠レンズ独特の圧縮効果で奥行きをさほど感じさせないが、乗用車の全長は一台あたり約5メートルと思えば、いかにその効果が強いものかが想像できるだろう。

 

作例03


About

本レンズの画角は4.8度。極めて狭い範囲しか撮影のできない超望遠レンズだ。これで街角の風景を切り取るには相当な距離を離れて狙うことになる。その証拠に炎天下では電車の後方に陽炎が揺らめく。また道路を横切る人物に、今にも電車が接触しそうだが、実際には数十メートル以上離れている。これも超望遠レンズの独特の視覚効果だ。

 

作例04

About

反射望遠レンズ独特のリングボケが目を引くが、画像を拡大するとブレーキレバーの錆やハンドルバーに巻きつけられた布テープの質感までもしっかり描写されている。あの小さな鏡筒から、これほどまでの写りが楽しめるのに驚く。



 

作例05


About

従来、超望遠での撮影は大きなレンズとそれに合わせたボリュームの三脚が必須だったが、本レンズとミラーレスカメラでは、自重も軽く、ブレの大敵となるミラーショックも皆無。当然、三脚も軽量化が望める。本製品ならばすべてがコンパクト。超望遠の夜景撮影も身軽に楽しめる。

 

作例06


About

象の水浴びを画面いっぱいに狙う。35mm換算600ミリ相当で象の巨体は大迫力。ファインダーを覗くと、目視を超えたスケールで飛び込んでくる。超望遠レンズは近づけないからこそ、撮りたい願望に応えてくれる。

 

作例07

About

光の波長により、焦点距離が長くなるほど色収差の影響を受けやすく、超望遠レンズほどシャープな画質を得るのが難しい。幸い反射望遠タイプは色収差の発生が基本的になく、すっきりと美しい画像を楽しませてくれる。



 

作例08


About

キラキラ光る水面をバックに、子供たちが岩場を走る。 反射望遠レンズは構造上、基本的に絞り値の変更ができない。そのため極端に明るい状況下で意図する露出を得るには、機種や感度設定しだいでシャッタースピードの上限を超えることも想定される。このシーンでは幸い露出連動範囲に収まったが、シーンに応じて、55ミリ径のNDフィルターを用意しておくのもいいだろう。

 

作例09


About

製品名の最後に「MACRO」と書かれているように、至近距離から小さな物を大きく撮れるのも、反射望遠レンズの魅力のひとつ。 小さな虫など、近寄ると逃げてしまうような生物でも安心だ。 羽根の細部模様まで、描写されているのが見て取れる。

 
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