小河俊哉 - トキナーレンズの高画質をより引き出す技術

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TOKINAレンズで撮るレース写真 AT-X 14-20 F2 PRO DXで撮る街の桜写真 トキナーレンズ秋の作例集 トキナーレンズを使った花火撮影

AT-X 535 PRO DX(作例集2)

 
作例1
作例1
原寸実写画像

夜明けの草原を撮る


朝もやの降りた草原を昇る朝陽を撮る。 雲間から顔を出す朝陽の光が朝もやに反射し幻想的な一枚となった。 実力の無いレンズでこうした一枚を撮った時、手前光の回らない草の部分は暗く沈みこんでしまうことが多い。 しかし、AT-X535は明るさを保ち、且つ草の姿をキチンと解像し撮像素子まで情報を送ってくれている。


この一枚のレタッチであるが、頭に浮かんだイメージを再現するためトーンカーブのシャドー部分右端を切り詰めわざとダイナミックレンジを狭くしカーブの線をやまなりにしている。 これは、もやのふんわりした感じをのこしたままシャドー部分をしめるためである。その後、マゼンダを若干足し完成とした。


焦点領域135mm、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/200、絞りF8、ISO200、WBオート、カメラD300

 
作例2
作例2
原寸実写画像

朝のモンサンミッシェルを撮る


朝モヤ煙る中のモンサンミッシェルとモヤが晴れた後の姿を撮影した。 朝モヤ煙る中のモンサンミッシェルの姿は、まるで雲の上に浮かんでいるかのような姿であった。 こうした朝もやのなかの被写体を撮る時には、レンズの持つ解像度の高さが物を言う。 モヤの向こうのモンサンミッシェルのディティールがシャッキリしないとベタッとした画になってしまうのであるが。 高解像度のAT-X535はモヤのふんわり感を残しつつもキリッと描写してくれている。 AT-X535の高い実力が示された一枚だ。

作例2
原寸実写画像

続く2枚目のモンサンミッシェルは、モヤが晴れ朝陽を浴びる姿である。 拡大してご覧頂くと判るのであるがフランス国旗や、壁のディティール、塔天辺にあるモニュメントなどキチンと解像してくれているのが判る。


この2枚のレタッチであるが、1枚目は頭に浮かんだイメージの再現をするために補正を加えた。 モヤに浮かんでいる感じを強調するためトーンカーブ右端を切り詰め、さらに中間調を押さえた。その後、カラーバランスでマゼンダを足し、コントラストのスライダーを+側へ振った。 最後にもう一度トーンカーブで全体のトーンを整え完成とした。2枚目は、特に補正する部分が見当たらなかったためそのままで完成とした。


①焦点領域95mm、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/100、絞りF8、ISO200、WBオート、カメラD300
②焦点領域100mm、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/200、絞りF8、ISO200、WBオート、カメラD300

 
作例3
作例3
原寸実写画像

高い解像度1


真っ直ぐに伸びてゆくとうもろこしの奥にモンサンミッシェルが見える。 モンサンミッシェルは干潟に囲まれているが、少し離れてみるとこうした広大な畑が広がっている。 AT-X535は、グッと奥まで伸びているとうもろこしの葉一枚一枚をキレよく描写している。


この一枚のレタッチであるが、特に補正する部分が見当たらなかったためそのままで完成とした。


焦点領域85mm、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/200、絞りF8、ISO400、WBオート、カメラD300

 
作例4
作例4
原寸実写画像

高い解像度2


高台から眼下に広がる牧場を撮影した。 羊の姿一頭一頭を見事に解像している。 また、画角上部に見える家の辺り、右端ギリギリに羊を入れ撮影するというレンズにとって意地悪なことをしてみたのだがAT-X535は画角の隅々まで見事に解像していた。


この一枚のレタッチであるが、特に補正する部分が見当たらなかったためそのままで完成とした。


焦点領域135mm、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/200、絞りF11、ISO200、WBオート、カメラD300

 
作例5
作例5
原寸実写画像

高い解像度3


激しい波しぶきを上げる海、ちょうど良い角度で太陽光が入り虹が掛かっていた。 速いシャッタースピードでしぶきをキッチリ止め撮影する。 AT-X535の持つ高い解像力で岩に弾ける波の姿がキリッとした姿で描写されている。


焦点領域65mm、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/1250、絞りF10、ISO250、WBオート、カメラD300

 
作例6
作例6
原寸実写画像

秋の姿を撮る


徐々に色づく秋の樹々撮る。 手前のもみじから奥に向かって樹々が徐々に秋色に色づいている。 手前のもみじの緑から黄色、そしてピントを置いた奥の赤く色づくもみじへの赤系のカラーグラデーションを撮影した。 AT-X535は秋色の再現も期待通りの色合いをにごり無く再現してくれる。


この一枚のレタッチであるが、撮影時ホワイトバランスを曇天にあわせる他、特に補正する部分は見当たらなかったためそのままで完成とした。


焦点領域125mm、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/80、絞りF8、ISO400、WB曇天、カメラD300

 
作例7
作例7
原寸実写画像

秋の山を撮る


秋色に染まる山、こうした秋色との出会いも撮りたくなる瞬間だ。 ここでは、AT-X535の解像度をチェックしたのであるが期待通りの働きをしてくれた。 山に生息する樹々一本一本を画角の隅々までキチンと解像している。


この一枚のレタッチであるが、撮影時ホワイトバランスを曇天にあわせる他、特に補正する部分は見当たらなかったためそのままで完成とした。


焦点領域75mm、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/200、絞りF8、ISO500、WB曇天、カメラD300

 
作例8
作例8
原寸実写画像

夜明けの稜線を撮る


昇りたての朝日の光が真横からさし稜線を照らす。 早朝のほんの一時見ることが出来る光と影の演出の瞬間だ。 AT-X535の広角端を使い撮影する。 筆者にとって、ズームレンズの広角端で絞り込んで撮った一枚というのは、他の焦点域で絞り込んで撮ることとは意味合いが違ってくる。 何故なら、数々のレンズをテストする場合、そのレンズのエッジの立ちがどの程度のものかを測るベンチマークの焦点距離にしているからだ。 AT-X535は一連のトキナーレンズらしいキリッとしたエッジの立ちで期待通りの解像度を見せてくれた。 また、稜線からあふれ出る光のグラデーションは、明暗の激しい撮影条件であるにもかかわらず見事に再現され精度の高い情報として撮像素子へ送ってくれている。


この一枚のレタッチであるが、撮った時のイメージに近づけるためカラーバランスでマゼンダとアンバーを+に補正し完成とした。


焦点領域50mm、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/500、絞りF11、ISO200、WBオート、カメラD300

 
作例9
作例9
原寸実写画像

特徴的な雲海の姿を撮る


気流の流れを形取るように雲が渦巻いている。 こうした光が回る画の中で、撮り手を悩ませるのが雲海の日陰部分だ。 この部分の描写が甘くなってしまうと、雲の動きが不自然に見えてしまうことがある。 陽の当たる部分の雲の描写と共に、日陰部分の描写が重要になってくるのだが、AT-X535は、陽の当たる部分の雲同様日陰部分の雲の描写も甘くならずしっかり描写してくれている。


この一枚のレタッチであるが、特に補正する部分が見当たらなかったため、そのままで完成とした。


焦点領域68mm、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/250、絞りF9、ISO200、WBオート、カメラD300

 
作例10
作例10
原寸実写画像

真夜中の昇りたての月を撮る


湖に月の光を反射させながら昇る月を撮影した。 昇りたての低い月の月明かりは、まだ十分な光量とは言えない。 昨今のデジタル一眼レフカメラのノイズ処理は優秀になったといえども、流石に光源の乏しい中ではだいぶノイズが乗ってしまう。 もちろん撮影時、辺りは真っ暗な中での撮影である。 しかし、AT-X535は、光源が街明かりと昇りたての月だけでここまで写るのである。 この一枚は、光の通りの良いガラスを使い、高い解像度を持つAT-X535であったからこそ撮れた一枚といえよう。


この一枚のレタッチであるが、高感度で撮影していると言うこともあり補正できない部分も多いことからそのままで完成とした。


焦点領域75mm、撮影モードマニュアル、シャッタースピード5秒、絞りF4.5、ISO1600、WBオート、カメラD300

 
作例11
作例11
原寸実写画像

北海道富良野の夜を撮る


真夜中、富良野から美瑛へ車で移動している最中、前が見えないほどのモヤが発生した。 その姿を撮るために高台に移動し撮影した。 筆者は迷わずモヤや霧の描写に強いAT-X535をカメラにセットし撮影した。 街を包む濃いモヤに半分以上隠れてしまっている街路樹や十勝岳を期待通りキチンと解像している。


この一枚のレタッチであるが、特に補正する部分は見当たらなかったが、隠し味程度トーンカーブでシャドウ部分を暗くし完成とした。


焦点領域110mm、撮影モードマニュアル、シャッタースピード15秒、絞りF8、ISO200、WBオート、カメラD300

 
作例12
作例12
原寸実写画像

綺麗なボケ味

Nikon D300 ISO400 F3.2 1/200 WBオート 125mm

AT-X 535はの持つボケ味は非常になだらかでやわらかいボケ味だ ピントは手前のもみじの葉にあわせているが、奥に向けてふわりと綺麗にボケてゆく。 合焦部分の描写がシャープなため、メリハリの利いた画作りが可能なレンズであり撮影者の意図が伝わりやすいレンズと言えよう。

この一枚のレタッチであるが、秋のしっとり感を残すため、撮影時1/3段程度露出を下げて撮影し、後に中間調からアンダー部分をトーンカーブで上に持ち上げることとした。 その後、カラーバランスで赤を+3ほどスライドし完成とした。

 
作例13
作例13
原寸実写画像

ポートレートレンズとして使う

Nikon D300 ISO250 F6.3 1/160 WB晴天 135mm

牧場で穏やかに草を食む馬の姿である。 やわらかな光を浴びた馬のタテガミを見事に解像していることが分る一枚だ。 今回、残念ながらモデルさんを使ったポートレート撮影は叶わなかったのだが、モデル撮影に於いても高い実力を発揮してくれることを証明する一枚となった。 また、最短撮影距離も1mと会話や距離感が撮影のキモになる人物ポートレート撮影においてはアドバンテージとなる撮影距離を実現している。

この一枚のレタッチであるが、レンズの実力が高いためこの一枚もほぼ補正することがなかった。 隠し味程度トーンカーブで中間調とハイライト部分をわずかに持ち上げ完成とした。

 
作例14
作例14
原寸実写画像

高い解像度

Nikon D300 ISO400 F8 1/1250 WB オート 135mm

高い解像力を持つAT-X 535、やわらかな光の回る海の空気感を大切にしたく思い、絞り値はF8に設定して撮影をした一枚だ。 通常こうした望遠レンズの望遠端付近で広い画を撮影する場合、かなり絞らなければカリっとした画になりにくいものだが、驚くべくAT-X535は絞りF8での撮影でもしっかりと奥に写る小さな鳥も解像している。 また、ふわりとした空気感を残しつつも画面全域に渡る波しぶきをしっかりと解像している。 AT-X535は高い解像力を示してくれた一枚だ。

この一枚レタッチであるが、ほぼ何も補正することはなかった。 隠し味程度、トーンカーブでアンダー部を若干持ち上げ完成とした。

 
作例15
作例15
原寸実写画像

中間域での描写

Nikon D300 ISO200一段減感 F8 1/125 WBオート 80mm

福島県五色沼の青沼での一枚だ。 中間域においての描写もトキナーレンズらしいシャープで色抜けの良い描写がみられる。 特に目に付くのは、水辺の枯れ草である。 横一列に並ぶ水辺の草は、AT-X535の高い解像力のおかげでつぶれることなく綺麗に描写されている。 こうした細かいものの描写は、画全体のシャープ感に影響するためキチンと解像してくれているのは嬉しいことだ。

この一枚のレタッチであるが、頭に浮かんだイメージを再現するため、わざとISOを100相当に下げ露出も適正露出から2/3段落として撮影した。 PC作業では、トーンカーブを逆S字にし若干コントラストを上げ、最後に彩度を上げ完成とした。

 
作例16
作例16
原寸実写画像

広角端での描写

Nikon D300 ISO250 F9 1/1250 WBオート 50mm

ボケ味の良いAT-X535であるが、逆に広角端でボカさずに撮り、波のしぶきをキリリと出すことを試みた。 見事、波しぶきの白のグラデ-ションが立体的に表れておりこの領域においても高い解像力をはっきした。

この一枚のレタッチであるが、この一枚は殆ど補正する必要は無かったが、画面全体のバランスを考え、トーンカーブで波しぶき背後にあたる部分を若干下げ完成とした。

 
まとめ
AT-X 535は、高い解像力を持ちつつ綺麗なボケ味両立させた高性能な望遠レンズである。 ポートレート撮影に、また風景撮影にとシチュエーションを選ばないレンズであり、また今までにはない軽量コンパクトな2.8通しの望遠レンズと言え持ち運びに非常に便利な一本だ。
 
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