AT-X 107 DX Fisheye|トキナーレンズで旅写真 - 藤井智弘


» 藤井智弘 TOP » AT-X 107 DX Fisheye

AT-X 107 DX Fisheye

AT-X 107 DX Fisheye AT-X 107 DXは、10~17mmのユニークなズーム魚眼レンズだ。 APS-Cサイズ専用で、ニコンに装着した場合は15~25mm相当になる。

魚眼レンズといえば、ご存知のように大きく歪曲した写真が撮れる特殊レンズだ。このレンズでは、10mm側で画角180度の対角線魚眼になる。そして17mm側へズーミングすると、歪曲は少なくなるものの、歪みを残したままフレーミングの調整ができる。さらに最短撮影距離は0.14mなので、被写体に思い切って近づき、背景も入ったクローズアップも可能だ。画質はズーム全域でシャープ。ズームリングの動きも適度な重さがあり、フレーミングの微調整が行いやすい。またコンパクトで軽いのも、旅写真ではありがたかった。

ここではベトナムのホーチミン市を旅して撮影した。ホーチミン市はベトナム経済の中心地。かつてはサイゴンの名で、ベトナム戦争時は南ベトナムの首都だった。さらにベトナム戦争以前は、仏領インドシナと呼ばれていてフランス領だった。そのため現在でもヨーロッパ建築が見られ、「東洋のパリ」とも呼ばれる。そうしたヨーロッパの香りが残る街や、昔ながらの市場など、ホーチミン市の今の姿を撮るのに、広々と撮れるAT-X 107 DXが活躍した。


 

Index

 

作例01

ニコンD7000 絞り優先AE(F11、1/320秒) -0.7EV補正 WB:晴天 ISO100 14mm域


About

ホーチミン市の観光スポットのひとつ、サイゴン大教会(ノートルダム大聖堂)。アジアにいることを忘れるような、見事なヨーロッパ建築だ。焦点距離は14mm(21mm相当)。周囲を入れすぎず、かつ魚眼らしい歪曲が感じられるように焦点距離とアングルを決めた。こうした個性的な写真が撮れるのは、AT-X 107 DXのメリットといえる。しかも解像力がとても高く、シャープな写真が撮れた。

 

作例02

ニコンD7000 絞り優先AE(F8、1/6秒) WB:晴天 ISO200 10mm域


About

サイゴン大教会のすぐ隣に建つ、ホーチミン市中央郵便局。19世紀にフランス人建築家によって建てられた郵便局。通常の郵便業務はもちろん、観光客向けのお土産も売っている。10mm(15mm相当)の画角180度で、ヨーロッパの香りが漂う局内を撮影。地元のベトナム人の他、観光客、さらにベトナムの民族衣装、アオザイを着たスタッフなど、局内の様子を丸ごと画面に入れることができた。奥にはベトナム革命の指導者、ホー・チ・ミンの肖像画も見える。

 

作例03

ニコンD7000 絞り優先AE(F8、1/640秒) -0.3EV補正 WB:オート ISO100 17mm域


About

ホーチミン市を流れるサイゴン川。そこに魚の顔をしたディナークルーズ船を見つけた。撮影時は昼間なので、準備をしているようだ。焦点距離を17mmにして撮影。17mmでは歪曲が少なくなるため、通常の広角レンズのように使える。それでも歪曲は残っているので、サイゴン川周囲の広々した雰囲気が表現できた。AT-X 107 DXのズーミングは、単に焦点距離を変えるだけでなく、歪曲の調整にも使える。

 

作例04

About

昔ながらの市場には、肉や魚、野菜や果物など、ホーチミン市の人々の生活を支える品々がたくさん並び、活気に溢れている。そこで野菜を撮らせてもらった。最短0.14mを活かして、カゴに入った唐辛子に近づく。魚眼なので周囲の様子も入り、しかも歪曲で魚眼らしい画面の楽しさも出た。AT-X 107 DXは、被写体に思い切って近づくと、通常のレンズでは撮れない写真が楽しめる。


ニコンD7000 絞り優先AE(F8、1/200秒) -1EV補正 WB:オート ISO400 11mm域


 

作例05

ニコンD7000 絞り優先AE(F8、1/25秒) -1.3EV補正 WB:オート ISO400 10mm域


About

ホーチミン市を代表する市場、ベンタイン市場。地元の人から観光客まで、毎日多くの人たちでにぎわっている。広い市場内はすれ違うのがやっとの狭い通路もある。その周りはおびただしい数の商品。この中にいると、現在のホーチミン市の姿が見えてくる。その印象をとらえるのに、魚眼レンズは最適だ。10mmで市場の様子を撮影。AT-X 107 DXは、広々とした風景を撮るだけでなく、狭い屋内でも威力を発揮する。

 

作例06

ニコンD7000 マニュアル露出(F5.6、1/10秒)  WB:オート ISO800 15mm域


About

夜のベンタイン市場の入り口。市場の前はロータリーになっていて、たくさんのバイクや車が走っている。その雰囲気を撮るのに、ロータリーの中心から市場の建物を狙い、手前に走るバイクを入れた。焦点距離は15mm(22mm相当)。建物の水平線が歪まないようにフレーミング。さらに手前の歪みを利用して、走るバイクをダイナミックに入れた。魚眼ながらズームのAT-X 107 DXは、幅広い表現が可能だ。しかも小型軽量なので、1/10秒のスローシャッターでも手持ちで撮れた。

 
このページのトップへ戻る

[著作権および画像利用についてのご注意]

本スペシャルページで提供している「実写生データ」の著作権は、撮影者である藤井智弘氏に、使用権は 株式会社ケンコー・トキナー に帰属しています。著作権所有者および 株式会社ケンコー・トキナー への事前の承諾を得ること無しに、その全てまたは一部を、いかな る形式、いかなる手段によっても、複製・改変・再配布・再出版・表示・掲示または転送することは禁じられています。

本スペシャルページの「実写生データ」は、お客様のコンピュータースクリーン、もしくはお客様ご自身のプリンターまたは プリント手段等による、私的な画像確認での利用に限ってのみ、ご利用いただけます。