西平英生Tokinaカメラレンズ作例 - AT-X 107 DX


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AT-X 107 DX

画面構成にこだわると魚眼も「ズーム」になる

AT-X 107 DXカメラに装着するだけで、他の交換レンズとは明らかに異なる描写を誰もが楽しめるレンズが魚眼(フィッシュアイ)レンズだ。魚眼レンズには画面の全方向に180度の画角を持ち、その全視野を画面上に円画像として写し込む全周(円像)魚眼と、画面の対角線方向にだけ180度の画角を持つ対角線魚眼の2種類があるが、一般に使われるのは対角線魚眼でトキナーから発売されている10~17ミリF3.5-4.5も対角線魚眼のズームレンズだ。

現在、デジタル一眼レフ(APS-Cサイズ機)用の魚眼レンズはニコンのDXフィッシュアイ10.5ミリなどが発売されているが、ボクがニコンユーザーやキヤノンユーザーにお薦めする魚眼レンズは、トキナーの10~17ミリだ。ニコン用としてもキヤノン用としても、唯一の魚眼ズームがトキナー10~17ミリで、単焦点の魚眼レンズよりズームで画角をコントロールできる分、気軽に楽しめ簡単に使いこなすことができる。

焦点距離10~17ミリの魚眼ズームが11~16ミリなどの超広角ズームとどこがどう違うのかと言えば、魚眼レンズでは180度の画角を得るために通常のレンズとは異なり、極端なタル型の歪曲が加えられているのが光学的な特徴だ。つまり、通常のレンズが歪曲収差を徹底補正しているのに対して、魚眼レンズは歪曲収差を利用して180度の画角を実現している。その描写の違いは歴然だ。


通常のレンズでは直線に写るはずの被写体がタル型に大きく歪んで写るのが魚眼レンズの特長で、この魚眼レンズ特有の湾曲は画面周辺部ほど誇張される。つまり、魚眼効果を強調するなら地平線や水平線などの直線の被写体を画面周辺に配置し、魚眼効果をなだめて撮るなら画面中央部に配置すればよい。魚眼ズームは単焦点の魚眼レンズとは違って、画角だけでなくこうした魚眼効果までもズーミングすることで微妙にコントロールすることができる楽しいレンズだ。

魚眼レンズではカメラポジション、撮影距離、カメラアングルなどを変えることによって、変幻自在に被写体を変形させることができるが、魚眼撮影で苦労するのが画面周辺に余計なものが写り込んでしまうことだ。余計なものが写り込まないようにアングルやポジションを変えると、画面イメージまでが大きく変わってしまって思うような画面構成ができない。しかし、ズーミングすることで約180度から100度までの画角をコントロールできる魚眼ズームなら、画面イメージを変えることなく、画面周辺の余計なものを簡単にカットすることができる。画面構成にこだわると魚眼もズームになるのが必然で、単焦点魚眼レンズとの違いは明白だ。


 

Index

 

作例01

[10~17ミリ] 焦点距離10ミリ域で使用、絞り優先オート、絞りF8、ISO400、WBオート、キヤノンEOS30Dで撮影


About

群衆で溢れるイベント会場やドームの中など、通常の超広角レンズでは写し込めない、さらに広い範囲を写し込みたいときに、ボクは魚眼レンズを使うことが多い。写真は闘牛場の観客席から魚眼ズームで撮影したカットだ。大きく湾曲している魚眼の描写が自然に見えるから面白いし不思議だ。

 

作例02

[10~17ミリ] 焦点距離10ミリ域で使用、絞り優先オート、絞りF8、-0.7補正、ISO200、WB太陽光、キヤノンEOS30Dで撮影


About

魚眼の描写を強調して撮るか、なだめて撮るかが魚眼撮影のポイントになる。強調して撮る場合には、地平線や水平線を画面の周辺に配置すればよい。地平線を画面下部に配置した作例の写真では地面がめくれたように上向きに湾曲している。これが通常のレンズとは異なる魚眼レンズの描写だ。

 

作例03

[10~17ミリ] 焦点距離10ミリ域で使用、絞り優先オート、絞りF5.6、-1補正、ISO800、WBオート、ニコンD300で撮影


About

魚眼撮影の面白さのひとつが被写体の発見だ。通常レンズでの撮影では何の変哲もない景色が“魚眼する”ことで新鮮な景色に変わる。都市にはそうした被写体が溢れていて、トキナーの魚眼ズームを使って存分に楽しむことができる。

 
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