西平英生Tokinaカメラレンズ作例 - AT-X 116 PRO DX, AT-X 124 PRO DXⅡ


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AT-X 116 PRO DX, AT-X 124 PRO DX II

目的と好みで選べる2本の超広角ズーム

AT-X 116 PRO DX, AT-X 124 PRO DX IIご存じのように、デジタル一眼レフは35ミリ判フィルム一眼レフと交換レンズを共用するシステムとなっていて、従来からの35ミリ判用の交換レンズを活用することができる。しかし、APS-Cサイズのデジタル一眼レフでは、画面サイズの関係で撮影画角が狭くなり、例えば、ニコンD300やD90などに35ミリ判用の超広角ズーム20~35ミリを装着しても、35ミリ判換算で30~52.5ミリ相当の焦点距離イメージを持つレンズとなり、超広角の描写を得ることができない。

35ミリ判フィルム一眼レフでは18~35ミリクラスの超広角ズームが一般化していたことを考えると、デジタル一眼レフ(ここでは主にAPS-Cサイズ機の意)においても本格的に撮影を楽しむためには、18ミリ相当までの画角をカバーするレンズが必要になる。トキナー12~24ミリなど、デジタル専用の超広角ズームはそのためのレンズだ。

トキナーからは2本(11~16ミリF2.8と12~24ミリF4)の超広角ズームが発売されているが、仕事柄、写真教室などで「どちらのほうがいいのでしょうか」などと相談を持ち掛けられることが少なくない。大きさや重さや価格に大きな違いがあればまだしも、そうした面ではほとんど違いのない2本の超広角ズームの、どちらか1本を選ぶとなると、確かに悩ましい選択となる。
選択のポイントのひとつは、やはり標準ズームとの連携だ。標準ズームが16~50ミリなどで16ミリ域をカバーしている場合は、11~16ミリF2.8と12~24ミリF4のどちらを選択しても連携に問題はないが、標準ズームのワイド側の焦点距離が18ミリ(18~55ミリなど)の場合、連携という面では11~16ミリを選びづらくなる。また、24~105ミリや24~120ミリなどの35ミリ判用の標準ズームと併用する場合には、12~24ミリを選択したほうがレンズシステムとしてはやはり素直だ。

もうひとつの選択ポイントは、光量の乏しい状況下で撮ることが多いかどうかだ。最近のデジタル一眼レフは高感度ISO機能が進化していて、800や1600の高感度も問題なく使え夜間の撮影にも強いが、レンズが大口径のF2.8であれば、やはり撮影に余裕がある。その余裕が大口径ズームの魅力のひとつで、11~16ミリにもそうした魅力がある。

一般的には、トキナー16~50ミリF2.8やニコン16~85ミリVRなどと組み合わせて使うなら11~16ミリF2.8。24~105ミリや24~120ミリや24~85ミリなどの35ミリフルサイズ用の標準ズームと併用するなら12~24ミリF4。明るさにこだわるなら11~16ミリ。標準ズームとの連携重視なら12~24ミリと言うことになる。いずれにしても悩ましい選択だが、どちらを選んでも、多くの場面でしっかりと期待に応えてくれるから有り難い。


 

Index

 

作例01 - AT-X 116 PRO DX

[11~16ミリ] 焦点距離11ミリ域(35ミリ判換算16.5ミリ相当)で使用、絞り優先オート、絞りF8、ISO400、WBオート、ニコンD90で撮影


About

デジタル専用の超広角ズームで大口径F2.8を実現したレンズは他にない。そうした稀少価値を評価するのが西平流だ。11~16ミリF2.8と12~24ミリF4のどちらにしようかと迷っているなら、11~16ミリをお薦めする。写真は一面に広がる彼岸花を11~16ミリで撮影したカットだ。大口径の描写力が特に生きる撮影ではないが、各焦点距離域での安定した描写力が素晴らしい。

 

作例02 - AT-X 116 PRO DX

[11~16ミリ] 焦点距離11ミリ域(35ミリ判換算16.5ミリ相当)で使用、絞り優先オート、絞りF4、-0.3補正、ISO400、WBオート、ニコンD300で撮影


About

絞り込んで使うことの多い超広角ズームだから、レンズの明るさは標準ズームや望遠ズームほど気にならない。それでもF2.8の大口径なら絞りの設定にも余裕があるし、ファインダーの見え具合も違う。写真は夕暮れの都市スナップだが、F2.8の大口径だから1段絞って使う余裕があった。

 

作例03 - AT-X 124 PRO DX II

About

画角も焦点距離範囲も広ければ広いほうがいいが、一般的に考えれば12ミリ(ニコンDX機の場合で35ミリ判換算18ミリ相当)までをカバーしておけば十分と言える。トキナー12~24ミリはF4一定の手堅い描写力と優れた操作性が魅力で、35ミリ判の標準ズーム(24~120ミリなど)との連携性もよい。


[12~24ミリ] 焦点距離12ミリ域(35ミリ判換算18ミリ相当)で使用、絞り優先オート、絞りF5.6、ISO400、WBオート、ニコンD70で撮影


 

作例04 - AT-X 124 PRO DX II

[12~24ミリ] 焦点距離12ミリ域(35ミリ判換算18ミリ相当)で使用、絞り優先オート、絞りF8、ISO200、WBオート、ニコンD200で撮影


About

標準ズームと望遠ズームの2本があれば、日常の撮影シーンのほとんどに対応することができるが、デジタル一眼レフを本格的に活用するために、第3の交換レンズとして超広角ズームをシステムに加えたい。ニコンからも同スペックの超広角ズームが発売されているが、トキナーの12~24ミリはニコンの約半値で購入できる。その気になって使いこなしてほしいレンズがトキナーの12~24ミリだ。

 
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