西平英生Tokinaカメラレンズ作例 - AT-X 16-28 F2.8 PRO FX


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AT-X 16-28 F2.8 PRO FX

描写力に徹底的にこだわった35ミリフルサイズ対応の超広角ズーム
トキナーから大口径の16~28ミリ

AT-X 16-28 F2.8 PRO FX2010年後期、ニコンとキヤノンから35ミリフルサイズ対応のデジタル一眼レフ用(35ミリ判用)交換レンズの発表発売が相次いでいて、フルサイズ機ユーザーにとっては新製品情報のチェックが欠かせない。そうした中でトキナーからも見逃せない新レンズが発売された。35ミリフルサイズ対応の大口径超広角ズーム16~28ミリF2.8(AT-X 16-28 F2.8 PRO FX)だ。

35ミリフルサイズ対応の大口径超広角ズームは、ニコンからAF-S14~24ミリF2.8と17~35ミリF2.8、キヤノンからEF16~35ミリF2.8が発売されているが、いずれも希望小売価格が20万円を超える高価なレンズで、多くの一般ユーザーにとっては高嶺の花。しかし、トキナー16~28ミリF2.8ならニコン14~24ミリF2.8やキヤノン16~35ミリF2.8の半値で手に入れることができる。広角描写にこだわるフルサイズ機ユーザーなら、見逃せないし、検討する価値のあるレンズだ。

今回はニコンD700とキヤノンEOS5DマークIIに装着して使ったが、他のフルサイズ用大口径超広角ズーム同様、正直言ってでかくて重い。年々、機材の重さが身に堪えるようになったボクとしては歓迎しない大きさ重さだが、絞り開放からクリアなヌケの良い描写力には大満足。また、ニコン14~24ミリよりワイド側の焦点距離は2ミリ短くテレ端は4mm長い、キヤノン16~35ミリよりテレ側の焦点距離が7ミリ短い、ズーム比が2倍にも満たないトキナー16~28ミリだが、標準ズームの多くが焦点距離24ミリをカバーしていることを考えれば、16~28ミリの焦点距離範囲に不足はない。

フォーカス方式はフロントインナーフォーカス方式で、最短撮影距離は28cm。超音波モーター駆動のAFではないが、新開発のDCモーターを採用することで静粛性を大幅に高め、さらにAF制御用センサーとしてGMRセンサー(高精度磁気センサー)を搭載することで、高精度で素早いフォーカス制御を実現しているという。確かに従来のDCモーター駆動のAFより格段に静粛で、ピントに迷うことも少なくスッとピントが合うから撮影していて気持ちが良い。また、フォーカスリングを手前にスライドさせるだけでAFからMFに切り替わるワンタッチフォーカスクラッチ機構も採用されている。MF時のフォーカスリングの滑らかな操作感はAFレンズとしては抜群だ。

全長は130mmを超え、最大径も90mm、重さも900gを超える堂々たる大きさ重さの超広角ズームだが、ボディに装着したバランスは悪くなく、全般的な操作感も良好だ。また、マウント外周部のゴムシーリング加工など防塵防滴の配慮が為されているのも嬉しい。フードはレンズのフロント部を囲うように固定された花形フード。ズーミングによってレンズ前面はフードの内側で前後する。 注目の描写力は、ズーム比を欲張らなかったこともあり、各焦点距離域で絞り開放から安定した良好な性能を示す。1段絞れば周辺光量の低下も目立たなくなり、画面全体の均質性も増して文句のない高画質となる。歪曲も大口径F2.8で16ミリ域までをカバーする超広角ズームとしては良く補正されている。ボケ描写も口径食が少なく素直。逆光時のフレアやゴーストも目立たない。描写力に徹底的にこだわった超広角ズームであることが分かる。フルサイズ機で高画質の超広角描写が存分に楽しめるレンズとして推奨したい。


 

Index

 

作例01

焦点距離16ミリ域で使用、絞り優先AE、絞りF11、-0.7補正、ISO200、WBオート、キヤノンEOS5DマークII


About

一面に広がるキバナコスモス。脚立に登りファインダーを覗く、こうした風景は超広角ズームの絶好の被写体だ。大口径の描写力を特に問う撮影シーンではないが、クリアな描写力が気持ち良い。

 

作例02

焦点距離20ミリ域で使用、絞り優先AE、絞りF8、-0.3補正、ISO400、WBオート、キヤノンEOS5DマークII


About

コスモスの花にぐっと迫る。超広角域の撮影では、ちょっとした撮影ポジションやアングルの違いで画面効果に大きな違いが出るが、被写体にぐっと迫ってみることとフットワークに労を惜しまないことが、使いこなすポイントだ。トキナー16~28ミリの最短撮影距離は28cmで近接撮影能力にも不足はない。

 

作例03

焦点距離16ミリ域で使用、絞り優先AE、絞り開放F2.8、ISO800、WBオート、ニコンD700


About

夕暮れの街角のスナップだ。感度をISO800に設定すると絞り開放F2.8でシャッター速度は1/20秒。明るいファインダーを見ながら手持ち撮影が楽しめ、絞り開放から安心して使えるフルサイズデジタル対応の描写力は、多くの撮影シーンでその威力を発揮する。

 

作例04

焦点距離28ミリ域で使用、絞り優先AE、絞り開放F8、-0.7、ISO200、WBオート、ニコンD700


About

百日紅(サルスベリ)のある空間。見事な百日紅に目を奪われカメラを向ける。オフィスビルを背景に従えたちょっと不思議な空間。ズームリングを回してフレーミングし、ローアングルで切り取る。ズームリングの操作感も良好だ。

 

作例05

焦点距離16ミリ域で使用、絞り優先AE、絞り開放F4、ISO800、WBオート、ニコンD700


About

室内撮影でも威力を発揮。都市風景はもちろんのこと、室内撮影でも威力を発揮するのが大口径の超広角ズーム。引きのない場所や撮影ポジションが限られる場所でも、自由度の高いフレーミングで撮影が楽しめる。トキナー16~28ミリは歪曲が良好に補正されているのも嬉しい。

 
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