西平英生Tokinaカメラレンズ作例 - AT-X 165 PRO DX


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AT-X 165 PRO DX

大きさ重さと価格に見合う堅牢性の高い作りと描写力

AT-X 165 PRO DXズームレンズの焦点距離範囲は広いほど、レンズの明るさは明るいほど、最短撮影距離は短いほど、多くの場面で威力を発揮してくれるが、すべては大きさ重さと価格との兼ね合いになる。レンズ選びもそうしたバランスを考慮した上での話になるが、描写性能だけにこだわるのであれば、話は簡単だ。同じスペックのレンズなら、大きく重く高価なレンズを選んでおけば、まず間違いない。

デジタル専用の大口径標準ズームは各社から発売されていて、F2.8の明るさとワンランク上の描写力で人気がある。トキナーからも16~50ミリF2.8が発売されていて、堅牢性の高い作りと良好な操作性と優れた描写力で高い評価を得ているが、ライバルレンズより大きく重く高価なために、販売の面ではライバルに遅れを取っているようなのだ。

レンズ選びにおいて、大きさ重さと価格はとても重要な要素だが、大きく重く高価になるには理由があり、多くの場合、それだけの価値がある。例えばフォーカスリングを見てみよう。トキナーではワンタッチフォーカスクラッチ機構が採用されていて、フォーカスリングの前後操作でAFとMFの切り替えができ、AF時にフォーカスリングが連動して回転することはない。しかし、ライバルレンズはAFに連動してフォーカスリングが回転してしまう。このことだけでもライバルレンズより大きく重く高価になってしまうが、操作性やホールディング性を考えれば、それだけの価値があると言える。


また、デジタル撮影では広角域(超広角ズームの全域および標準ズームの広角域)の倍率色収差が目立ちやすいため、デジタル専用の大口径標準ズームには、その色収差を徹底補正するために特殊低分散レンズが採用されている。この特殊低分散レンズは通常の光学レンズより相当に高価で加工も難しいことから、当然、製品のコストにはね返る。

トキナーの16~50ミリには特殊低分散のSDレンズ2枚とLDレンズ1枚が採用されているが、特殊低分散レンズが1枚しか採用されていないライバルレンズもあり、当然、トキナーのほうが高価なレンズになる。もちろん一般的には1枚よりも2枚、2枚よりも3枚採用したほうが色収差は徹底補正でき、多くの場合、描写性能も高くなる。つまり、レンズが大きく重く高価になるには、そうした理由があり、多くの場合、それだけの価値があると言うことだ。軽量コンパクトさを優先するかどうかなど、目的や優先順位が違えば選ぶレンズも変わってくる。トキナー16~50ミリの場合、ライバルレンズより大きく重く高価だが、操作性や描写力にこだわるなら、それだけの価値があるレンズだ。


 

Index

 

作例01

[16~50ミリ] 焦点距離36ミリ域(35ミリ判換算54ミリ相当)で使用、絞り優先オート、絞りF5.6、ISO200、WBオート、ニコンD80で撮影


About

トキナーの大口径標準ズームは、ライバルレンズより広い画角のワイド端16ミリをカバーしながら、35ミリ判の大口径標準ズームより遥かに使い勝手のよい大きさ重さの標準ズームに仕上がっている。さらに贅沢な光学設計で諸収差を徹底補正し、高品位の描写力を実現している。ボケ味もよく、クリアな発色も文句ない。写真は早春に鮮やかな淡紅色の花を咲かせ楽しませてくれる河津桜を撮影したカットだ。

 

作例02

About

日中の撮影では有り難さをそれほど感じない大口径ズームだが、こうした撮影では大口径標準ズームが俄然威力を発揮する。ファインダーの見え具合が違うし、絞り値の設定にも余裕がある。夜間に行われることの多い神楽や田楽など民俗芸能の撮影がボクのライフワークだが、大口径標準ズームはそうした撮影に欠かせないメインレンズだ。


[16~50ミリ] 焦点距離42ミリ域(35ミリ判換算63ミリ相当)で使用、シャッター速度1/50秒、絞りF4、ISO400、WBオート、フラッシュ同調、ニコンD80で撮影


 
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