キャンプでバードウォッチング

① バードウォッチングをはじめよう

深く静かな森の中や、湖や清流のほとり、眺めのよい海岸など、キャンプ場は豊かで美しい自然環境に囲まれており、野鳥たちと出会うのにも最高な場所です。早朝に鳥のさえずりが聞こえたり、初めて見る鳥が現れたときに双眼鏡があれば大きく見ることができ、さらに鳥の名前や習性がわかると新たな世界が広がるはずです。

バードウォッチングは、双眼鏡一つあれば楽しめるお手軽なアウトドア・アクティビティです。キャンプ中はもちろん、日常の通勤・通学時や近所の公園でも楽しむことができます。ものは試しに、野外に出て双眼鏡をのぞいてみませんか? スズメだと思っていた鳥が実は別の鳥だったり、池に浮かぶカモにはいろいろな種類がいて、美しい模様をしていることがわかるかも。その発見が重なれば、もしかしたらバードウォッチングが一生の趣味になるかもしれません。

中村忠昌(なかむら ただまさ)
小学生のころ、庭に餌台を作ったことがきっかけで野鳥観察を始める。
環境コンサルタントや葛西臨海公園鳥類園のスタッフ、NHKラジオ子ども科学電話相談の回答者などを経て、現在はフリーランスに。
個人ブログ『東京いきもの雑記帳』更新中。

近所の公園でも見ることの多いヒヨドリ(L28cm)。
キャンプ場でもにぎやかな声で鳴いています。
*L:鳥の全長(くちばしの先端から尾羽の先端までの長さ)

人工的な明かりの少ないキャンプ場では、夜も双眼鏡で楽しめます。 双眼鏡のもつ集光力により、肉眼では見えない星が見えたり、月のクレーターがくっきり見えたりします。

② バードウォッチングの楽しみ方

バードウォッチングは手ぶらでも楽しめますが、双眼鏡があるとその楽しさが何倍にも広がります。キャンプに持っていくなら携帯しやすい小型のものがおすすめで、防水機能があると天候を気にせず使えます。まずは身近にいる鳥を双眼鏡で見てみましょう。スズメやツバメなど、身近な鳥の意外な美しさにきっと驚かされるはずです。カラスも実は真っ黒ではなく、青色や紫光沢のある美しい色をしているのがわかります。観察を続ければ、鳥たちのかわいいしぐさやおもしろい行動など、新たな発見もあるでしょう。

このとき気をつけたいのは鳥との距離で、近づきすぎると警戒して飛び去ってしまいます。双眼鏡があれば、鳥たちが安心できる距離感を保てるので、ゆっくり観察することができます。鳥は安心すると向こうから近づいてくることもあります。

ハシブトガラス(L57cm)。遠目には真っ黒でも、双眼鏡で大きく見れば、光の当たり方で変わる青~紫色の美しい姿を見ることができます。

野外に持っていける小さな図鑑があると、鳥の名前や習性などを調べることができるのでおすすめです。はじめは掲載種の少ないものを選ぶと、目当ての鳥にたどりつきやすくなります。

バードウォッチングのマナー

  • 鳥との距離感

    鳥にはあまり近づきすぎないよう気をつけましょう。特に撮影をしていると、つい無理をして近づいてしまうことが多くなります。相手の生活をのぞかせてもらっていることを忘れずに。

  • 観察時の姿勢

    動く際はゆっくり動く、姿勢を低くする(しゃがむ)、目を合わさず関心がない風を装う、直線的に近づいたりせず物陰に隠れながら様子をうかがう、などのコツがあります。常に「怖がらせていないかな?」と気をつけるようにしましょう。

  • 近隣への配慮

    農地など私有地への立ち入りや、路上駐車など、近隣に迷惑がかからないよう配慮しましょう。 また、双眼鏡を使用する際は、近隣の人や生活をのぞくことのないよう気をつけましょう。

  • 生態系への影響

    屋外で鳥の鳴き声を流したりすると、鳥が警戒してしまうのでやめましょう。また、餌をまいたりするのもやめましょう。

座ってじっとしていると、鳥のほうから近づいてきてくれることもあります。

木陰に隠れてキジが歩いてくるのを待っています。

③ 鳥の見つけ方

鳥を見つけるにはいくつかのコツがあります。

●天候は?
晴天がベストですが、多少の雨でも鳥たちは活動するので、小雨程度なら人も少なく観察しやすい場合もあります。一方で、強風の場合は天気がよくても鳥は見つけづらく、観察は困難です。

●時間帯は?
小鳥類は春から初夏、日の出とともに鳴きはじめるので朝早くがおすすめです。ただ暗いと見にくいので、慣れるまでは明るくなってからがよいでしょう。海の鳥は潮の時間に関係し、潮が引いた時間帯に多くの鳥たちを観察できます。

●鳴き声を聞こう
鳥を見つけるには声を聞くのが一番の近道です。声が聞こえてきたら、もし森ややぶの中に隠れていても、少し待ったり見る角度を変えることでチャンスが増えます。いくつかの声がするときは、より近くの声や自分が気になる声を探すとよいでしょう。「何の鳥の声かわからない」と気にしなくても大丈夫。実はベテランでも100%声がわかるわけではありません。それよりも、どの辺に鳥がいるかの目星をつけることが重要です。慣れてきたら、鳥の声だけでなく地面の落ち葉をひっくり返す音や、木の幹を突つく音などにも注意してみましょう。周りの音が聞こえるように、足音がしないように歩くのも大事です。

夜明けごろから鳥たちの声がにぎやかに聞こえてきます。朝食前に双眼鏡をもって散歩すると、鳥たちとの素敵な出会いが待っているかもしれません。

何人かでいっしょに探すと、一人で探すより見つかりやすくなります。動きの少ない鳥をより大きく見たいときには、高倍率のフィールドスコープが役立ちます。

④ 図 鑑

水辺(川や池)の鳥たち

探し方のポイント
  • 1. 河原 注意深く探してみると、コチドリやヒバリなどが隠れるように降りていることがある。地面に巣があるかもしれないので遠くから観察しよう
  • 2. 水際や浅瀬 セキレイ類やイソシギが水際で昆虫などを探していたり、浅瀬ではサギ類が魚を探している
  • 3. 広い水面 カモ類やカワウ、カイツブリなどが休んでいたり、食物を探している
  • 4. 水面 ツバメが飛びながら水浴びをしたり虫を捕らえたりする。時にはカワセミが鳴きながら飛んでいく。カワセミは獲物の魚を探すため、水面に突き出た枝に止まることが多い
水辺にいる鳥たち
  • コアジサシ
    コアジサシ(L24cm)

    水辺を、まるで白いツバメのようにひらひらと優雅に飛ぶカモメの仲間。空中から水面の魚を目がけて飛び込み、捕らえる。

  • カワセミ
    カワセミ(L17cm)一年中

    『水辺の宝石』とも言われるほど美しい鳥で、多くのバードウォッチャーを虜にしている。水中に飛び込み、小魚やエビなどを捕らえる。

  • マガモ
    マガモ(L59cm)

    一般的に「カモ」といえばこの鳥のイメージが強い。黄色いくちばしと緑色の頭が特徴的だが、これはオスのみ。アヒルの原種。

  • カルガモ
    カルガモ(L61cm)一年中

    おそらく日本で一番有名なカモだろう。くちばしの先の黄色い斑が特徴。一年中日本で見られ、雛を連れている姿が公園の池などでも見られる。

  • アオサギ
    アオサギ(L93cm)一年中

    まるで置物のように動かない大形のサギで、ツルに間違えられることもある。じっと待ちながら魚やカエルなどを狙う。

  • ツバメ
    ツバメ(L17cm)

    速い鳥の代名詞。スマートな体と「燕尾」の由来となった、長く2 つに分かれた尾が特徴。家の軒下などに泥で巣を作り、子育てをする。

  • ハクセキレイ
    ハクセキレイ(L21cm)一年中

    最近、町なかでも目立ってきたモノトーンのスマートな小鳥。長い尾を振りながら歩く。草地や農地、水辺、駐車場など、さまざまな環境で見られる。

  • コサギ
    コサギ(L61cm)一年中

    小形のシラサギの仲間。頭の細長い飾り羽と、黄色い足の指が特徴。足を水中で震わせ、驚いた小魚などを素早く捕らえる漁をする。

  • キセキレイ
    キセキレイ(L20cm)一年中

    黄色のお腹が目立ち、長い尾を振りながら歩く。川の中流や渓流を好み、「チチン、チチン」と高い声で鳴きながら飛ぶ。

  • カイツブリ
    カイツブリ(L26cm)一年中

    カモの子どものような小さな水鳥。びっくりしたような目がかわいい。水中に潜り、小魚やエビなどを捕らえる。「キュルルル」と甲高い声が目立つ。

  • バン
    バン(L32cm)一年中

    黒い体に赤い額、黄緑色の足、とシックでおしゃれな水鳥。カモに似ているがカモではない。植物の茂みに隠れて、姿はなかなか見られない。

  • コチドリ(L16cm)

    目のまわりの黄色い縁が特徴。河原などの開けた場所で、「ピウピウピウ」と甲高い声で鳴いている。

草原の鳥たち

草原の鳥たち 探し方のポイント
  • 1. 高い木の頂近く カッコウやホオジロ、モズが止まってさえずるポイントになっている
  • 2. 上空 ノスリ、チョウゲンボウがホバリング(停空飛翔)しながら獲物を探すことがある
  • 3. 草地の中の低木など ホオジロやオオヨシキリが止まっていないかチェックしよう
  • 4. 丈の低い草地 動く影が見えたらキジが姿を現すかもしれないので(タヌキなどの哺乳類の可能性もある)、じっくりと探してみよう
草原の鳥たち
  • カッコウ
    カッコウ(L35cm)

    初夏に響く「カッコー」という鳴き声が特徴。ほかの鳥の巣に卵を産み付け、育てさせる「托卵」をすることでも有名。

  • モズ
    モズ(L20cm)一年中

    鋭いくちばしで獲物を枝先に突き刺す「はやにえ」をする鳥。ほかのさまざまな鳥の声を真似るため、漢字では「百舌」と表記する。

  • ホオジロ
    ホオジロ(L17cm)一年中

    スズメに似た鳥。複雑なさえずりは「一筆啓上仕り候(いっぴつけいじょうつかまつりそうろう)」と聞こえるとも言われる。

  • ノスリ
    ノスリ(L55cm)

    カラスよりも大きなタカの仲間。草原や河原のような開けた場所で、ホバリング(停空飛翔)しながらネズミなどの小動物を狙う。

  • オオヨシキリ
    オオヨシキリ(L18cm)

    ヨシ原などから「ギョギョシ、ギョギョシ」とカエルのような大きく騒がしい声が聞こえたらこの鳥。姿は地味だが、双眼鏡で見ると、口の中が赤いのがわかる。

  • キジ(L♂81cm/♀58cm)一年中

    雄は赤い顔と緑色の体、長い尾が特徴。草むらにいるため姿は見にくいが、「ケーン」と大きな声で鳴くので存在がわかる。日本の国鳥。

森の鳥たち

森の鳥たち 探し方のポイント
  • 1. 木の上部 木の先端は鳴き声が遠くまで届きやすいので、オオルリなどがさえずっているかも。声が聞こえたら、まず注目
  • 2. 木の幹 コゲラやアカゲラなどのキツツキ類がいるかも。くちばしでつついた跡がないかもチェックしよう
  • 3. 林の中 キビタキなどの多くの小鳥類がさえずっているので、気配に注意してみよう
  • 4. 地面の草地や低木 虫などを探して地面に降りている小鳥が多い。ガサゴソと音がしたら動かずに待って探してみよう
森の鳥たち
  • コゲラ
    コゲラ(L15cm)一年中

    日本で一番小さなキツツキ。背中の白黒のしま模様が特徴で、「ギー、ギー」とネジを巻くような声で鳴く。都会にも進出してきている。

  • アカゲラ
    アカゲラ(L24cm)一年中

    尾の付け根の赤色が特徴的なキツツキの仲間。背中から見ると白黒の模様が目立つ。木の幹をくちばしで連続して叩き、「ドラミング」という音を立てる。

  • ホシガラス
    ホシガラス(L35cm)一年中

    全身の白い斑がおしゃれな小形のカラス。亜高山から高山帯の針葉樹林に暮らし、ハイマツの実を貯蔵することで知られる。冬には低い山にも降りてくる。

  • シジュウカラ
    シジュウカラ(L15cm)一年中

    白い頬とネクタイのような胸の黒い帯が特徴の小鳥。町中から高い山まで、広い範囲で見られる。

  • エナガ
    エナガ(L14cm)一年中

    小さい体に不釣り合いな長い尾と、「ジュルリジュルリ」という声が特徴。北海道の亜種シマエナガはより白く、特に人気がある。

  • ウグイス
    ウグイス(L♂16cm/♀14cm)一年中

    誰もが知る「ホーホケッキョ」というさえずりはこの鳥。姿は薄茶色と非常に地味なので、見つけられたらラッキー。日本三鳴鳥の1種。

  • オオルリ
    オオルリ(L16cm)

    雄は背中の深いブルーが美しい。沢沿いの木の先端などでさえずるため、白いお腹側から見ることが多い。日本三鳴鳥の1種。

  • キビタキ
    キビタキ(L14cm)

    黄色いお腹と黒い背中・翼、喉のオレンジ色が特徴の美しい小鳥で、日本には春にやってくる。林内でさえずることが多い。

  • アオジ
    アオジ(L16cm)一年中

    黄色いお腹に緑がかった背中で美しいが、やぶの中が好きなシャイな鳥。高地では春から初夏にかけては雄が枝先でさえずるので、観察するチャンス!

  • メジロ
    メジロ(L12cm)一年中

    スズメよりも小さな小鳥。目のまわりが白いことが名前の由来。小さいうえに緑色をしているので、木の葉に紛れやすい。花の蜜など甘いものを好む。

  • ルリビタキ
    ルリビタキ(L14cm)一年中

    雄は水色の背中と脇の黄色が美しく、人気の鳥。夏は亜高山帯で繁殖し、冬は平地の林などにもやってくる。

  • ミソサザイ
    ミソサザイ(L11cm) 一年中

    日本で一番小さい鳥の1つ。だが、その体からは想像できないほど大きな声でさえずる。渓流沿いでよく見られる。

海の鳥たち

海の鳥たち 探し方のポイント
  • 1. 上空 トビやミサゴ、ハヤブサ、カモメ類などが飛んでいる。くるくると旋回している鳥を探してみよう
  • 2. 海面 冬にはカモ類やカモメ類などが群れになって浮かんでいる
  • 3. 岩や堤防、テトラポッドなど イソヒヨドリがよく止まってさえずっている。トビが休んでいることもある
  • 4. 波打ち際 シギ類やチドリ類がちょこまかと食物を探して歩いている
海辺の鳥たち
  • ミサゴ
    ミサゴ(L57cm)一年中

    白黒の体色で、スマートな体形のタカ。主に海岸や湖畔で見られる。空中からダイビングをして、足で魚を捕らえる。

  • トビ
    トビ(L60cm)一年中

    最も身近なタカ。海辺から山地まで幅広い環境で見られる。死んだ魚や動物の死骸などを食べる自然界の「掃除屋さん」。海の近くでは人の食べ物を盗んだりもする。

  • ウミネコ
    ウミネコ(L47cm)一年中

    日本近海で繁殖するカモメの仲間。目が黄色いので目つきが悪く見える。「ミャーオ」というネコのような鳴き声が名前の由来。

  • チュウシャクシギ
    チュウシャクシギ(L42cm)春・秋

    下に湾曲した長いくちばしが特徴。このくちばしで泥の中のカニを捕らえる。春と秋に海岸などで見られる。

  • キョウジョシギ
    キョウジョシギ(L22cm)春・秋

    短くて赤い足が特徴。海岸の石や流木などをくちばしでひっくり返して、小形の虫などを探す。漢字では「京女鷸」と表記する。

  • イソヒヨドリ
    イソヒヨドリ(L23cm)一年中

    雄は青い背中と赤いお腹でよく目立つ。かつては海辺の磯や港などで暮らしていたが、最近は町なかにも進出してきた。

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