萩原和幸

トキナーレンズでポートレート


AT-X M35 PRO DX

AT-X M35 DXAT-X M35 PRO DXは、35mm判フィルム換算で約56mm(キヤノンEOS/APS-Cサイズセンサー搭載機時)と、いわゆる標準レンズにあたる画角のマクロレンズだ。APS-Cセンサーサイズ機だと、「50mm/50mmマクロ」レンズは、中望遠レンズ相当となってしまい、使い勝手に困惑する場面も多かったが、AT-X M35 PRO DXは、その心配を払拭してくれた。

僕の中ではAT-X M35 PRO DXはマクロレンズという区分よりも、“最短撮影距離のもどかしさを取り払ったAPS-Cセンサーサイズ機用標準レンズ”という位置付けだ。オールマイティな標準レンズ画角+マクロで、しかも全長60.4mm、重さ340gと、これだけコンパクトとなれば付けっぱなしの常用レンズとなるのは当然。またマクロレンズは構造上、歪みがない画を提供してくれるので、ポートレートにもうってつけだ。モデルのとの距離感をそのままに、もっともっと寄っていける撮影が可能。出掛けるところで気軽に引きのカットも寄りのカットも撮れる楽しみが待っている、必携の1本になるレンズだ。


 

Index

 

作例01

About

派手にならず、ニュートラルな発色が非常に好印象。ボケはとても柔らかく、なめらかに溶けていくようだ。ワーキングディスタンスが確保できないような場所でもマクロ撮影を可能にする最短撮影距離0.14mは、このようなちょっとした枝葉の撮影が得意。目についた被写体にススッと寄ってみたくなるレンズだ。


Canon EOS7D 絞りF2.8 1/160秒 ISO200 WB:オート RAW


 

作例02

About

思いがけないところで見つけた自然のアートを、ちょこっと切りとるようにレンズを向ける。水の流れはシャープさを表現しつつも全体的に刺々しさはない。寄りの写真のピント合わせは、AFよりもMFできちっと合わせたくなる。ワンタッチフォーカスクラッチ搭載のこのレンズは、 ピント合わせの作業をストレスなく行なえ、撮影に集中できるところも嬉しい。


Canon EOS7D 絞りF2.8 1/125秒 ISO200 WB:オート RAW


 

作例03

About

モデルとの距離感が素直に出る標準レンズが僕は大好きだ。しかし通常の標準レンズではせいぜい寄れても0.45mで、もうちょっと自然に近寄りたい…と思う時にもどかしさを感じることも合った。その点AT-X M35 PRO DXはこのもどかしさを解決してくれるだけでなく、構造上歪みがないこともあり、まさに僕好みの標準レンズだ。 肌色の発色はとても良好で、とくに中間調の色再現がきれいなのがありがたい。


Canon EOS7D 絞りF2.8 1/50秒 ISO200 WB:オート ストロボ使用 RAW


 

作例04

About

僕はポートレート撮影の際、モデルとのコミュニケーションは重要事項だ。コミュニケーションが上手くとれていないと、表情が硬くなってしまうだけでなく、モデルとのギクシャクした空気感も写真に現れてしまう。逆に上手くとれているときは、距離を縮めることができる。AT-X M35 PRO DXは距離感が素直に出るレンズ。自然な表情をもっと近くで撮りたい!という欲求を叶えてくれる。


Canon EOS7D 絞りF2.8 1/10秒 ISO200 WB:オート ストロボ使用 RAW


 

作例05

About

流れるかのように光るカラフルなイルミネーションを背景に、彼女が良く浮かび上がっている。高い描写力はピントが合っている彼女の顔のシャープさが物語っているが、キツさはなく好感触だ。開放値F2.8から高い描写力を見せてくれるので、安心して開放から撮影できる。ポートレート派にはそれがとてもうれしい。


Canon EOS7D 絞りF2.8 1/20秒 ISO200 WB:オート ストロボ使用 RAW


 

作例06

Canon EOS7D 絞りF4.5 絞り優先AE(1/50秒)+1.0EV補正 ISO400 WB:オート RAW


About

テーブルフォトや、お出掛け先で見かけたかわいい小物をちょこっと撮影するのに、コンパクトで引きがない被写体でも撮影可能なAT-X M35 PRO DXはもってこいだ。この作品は“黄色”一色で構成されているが、このレンズの高い色再現力が濃淡を写し出してくれている。ボケはまったりとしていて柔らかだ。

 
モデル:水上桃華(レプロエンタテインメント http://yaplog.jp/lp-m-momoka/
撮影協力:御殿場高原 時之栖(静岡県御殿場市神山719 http://www.tokinosumika.com/
撮影協力:静岡県小山町(http://www.fuji-oyama.jp/info/index.html
 
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