atx-m 11-18 F2.8 Xで自撮りを極める! by Rinaty

こんにちは、セルフポートレート写真家のRinatyです。
私は普段からセルフポートレート作品を撮影する中で、広角レンズを非常によく使用しています。どんな場所に行く際も、必ず持っていくくらい大好きです。
私がカメラを始めたての頃、人生で初めて購入した広角レンズはTokinaのAT-X 124 PRO DX(12-24mm F4 キヤノン用)でした。オーストラリアで短期留学をする際、美しい風景を残しておきたいと思い購入しました。 当時学生だった私でも手が届くお値段で、大変お世話になりました。
今回はTokinaの広角レンズ「atx-m 11-18mm F2.8 X」で撮影しました。
こちらのレンズはFUJIFILMのXマウント用のレンズで、35mm換算16.5~27mmの画角で撮影できます。
全国各地いろんな場所を訪れ、その風景を作品に含める私にとって非常に使いやすい画角です。
初めて触った時に感じたことは、「軽い」「コンパクト」ということ。今まで使用した明るい広角レンズはどれもずっしりと重く、あまり持ち運びやすいとは言えませんでした。
このレンズはたった320g。全長74.4mm。f2.8通しの広角レンズがこのサイズ感で収まることに感動しました。
私はセルフポートレート撮影をする際、たいてい大荷物です。
カメラ、レンズ、ライティング機材、衣装、メイク用品、小道具など必要なものを全て一人で持っていかなければなりません。現地に到着し、すぐに撮影に集中するためには、この荷物もできるだけ少なくして体力の消耗を防がなければなりません。
また、広角レンズは前玉が出っ張っていたり、かなり口径が大きかったりで、専用のホルダーを取り付けたフィルターしか使えないものが多い多い印象でした。
しかしこのレンズは、口径67mmでいろんな種類のフィルターを取り付けて撮影を楽しむことができます。
さらに、こちらのレンズはなんと10万4,000円(税別)!
広角でF2.8通しのレンズは15万円を軽く超えてしまうものが多いため、かなり頑張って抑えられていると感じました。
では実際の作例を紹介させていただきます。

こちらはセミナー中に参加者さんがモデルさんを撮影されている際に脇撮りした1枚。
日が沈み、暗くなっていましたが、素早くピントを合わせて撮影することができました。 空のグラデーションが美しく表現されています。

こちらもセミナー中に撮影した1枚。
手持ちで夜間に撮影する際、シャッタースピードを下げすぎるとぶれてしまうため、ISO感度を上げるかF値が低いレンズを使用する必要があります。背景に夜景と海が入るようにして撮影しましたが歪みが少なく、違和感なく写すことができました。

こちらはモデルさんの脚を画角の端に向かって伸ばしてもらって撮影。広角レンズの歪みの効果で足元がダイナミックに写り、モデルさんの顔への視線誘導になっています。
広角レンズはあまり見慣れない面白い表現ができるので、撮影に連れていくとかなり遊べます。
Model :池内りな

こちらの作例は、早朝のミツマタ群生地で撮影したセルフポートレートです。ミツマタにレンズを近づけて手前の花をぼかし、道の間に立って写っています。逆光で照らされたミツマタが柔らかく滲み、非常に美しい一枚を撮影することができました。
私は、普段絞りを絞って撮影することが多いですが、花畑などで立体感を出したいときはやや開放にして前ボケを入れます。
このようにダイナミックでそのロケーションの良さを閉じ込める作品を撮りたい時にとてもおすすめだと感じます。
Dress:アリスガワアリス
accessory:marywest
Specialthanks:みっきぃ・関岡大晃

光がさらに強いタイミングで、カメラの設定を変えて被写体を入れずに撮影した1枚。ミツマタが神々しく写っています。
こちらの作品は、桜の時期に夜の公園で撮影したセルフポートレートです。 背景の桜もセルフでライティングしています。
今回着用している衣装は裾にレースがついていてとても可愛いドレスだったため、衣装を活かせるよう、レンズの手前にドレスの裾を近づけて撮影しました。


こちらの作品も同じ場所で撮影。
広角レンズの効果で、脚長効果を得ています。さらに桜の枝を大きく入れて視線誘導として利用しています。この作品では、フィルターなしで月がふんわりと滲んで写っており、その場の雰囲気をさらに魅力的にすることができました。

桜の枝の広がりを生かして撮影した1枚。このロケーションの良さを活かすためには広角のレンズが必須です。桜を画角いっぱいに入れ込み、その世界の真ん中に立ち、夢の中のような世界を切り取りました。
Dress &accessory :marywest様
Specialthanks:oriori・関岡大晃
このレンズを上海にも連れて行って、撮影してみました。
海外で撮影する場合、気になるのが荷物の量です。飛行機に乗る際、機内持ち込みの荷物の重量に制限があるため、いつも持っていく機材にかなり悩みます。このレンズはとても軽くてコンパクトなので、てとても助かりました。
上海の夜景は世界三大夜景の一つです。この美しい夜景を背景にいろんな場所で撮影してみました。

上海タワーが見えるスポットで撮影。背景に写る夜景のボケが幻想的です。 まるで映画の中の世界のような表現になります。歪みもほとんどなく理想の構図で撮影できました。

こちらの写真は広角を生かして撮影したセルフポートレート。レンズに手を近づけて、上海の世界に導くような構図を作りました。最短撮影距離も短いため、カメラに近い位置でもしっかりピントを合わせることができました。

こちらはSLIK ライトカーボンE84 HIIの三脚を使って、俯瞰で撮影したセルフポートレートです。トラベル用三脚も持っていますが、海外で撮影する際も、高いところから撮れずに後悔したくないため、必ず持っていきます。
手すりにピントを合わせ、セルフタイマーが切れるタイミングに合わせて回転して写りました。 道の奥行き、スカートの広がり、上海の夜景が全て入る欲張りな1枚を残すことができました。
これらの写真は、街中を歩きながらスナップのように撮影しました。とても軽く、持ち運びが便利だったため、スナップ撮影がメインの方にもかなりおすすめしたい1本です。
「リアラエース」設定で撮影

こちらは自然光のみでシンプルに撮影したセルフポートレート。フェンスを導入線としてしっかり生かして迫力のある構図にしています。逆光が強い場所でしたが、フードをつけると不要なゴーストは発生せず、青空も含めて美しく撮影することができました。解像しすぎないため、FUJIFILMのフィルムシュミレーションを組み合わせるとかなりシネマ感が増します。
「ノスタルジックネガ」設定で撮影

まとめ
今回広角好きのセルフポートレート写真家である私が atx-m 11-18mm F2.8 Xを使用してみて、コスパ最強で使い勝手抜群のレンズだと感じました。この軽さでこんなにもいろんなバリエーションで撮れることにかなり驚いています。クセが少なく、セルフポートレートに限らずいろんなジャンルで活躍すること間違いなしのレンズだと思います。ぜひ、たくさんの方に手に取っていただき、この感動を味わってみてほしいです。

Rinaty (リナティ)
セルフポートレート写真家・モデル
公益社団法人 日本写真家協会 正会員
東京カメラ部10選2022
1998年宝塚市生まれ。大阪を拠点に、全国的に活動中。
近著に「撮影もモデルも全部わたし。#セルフポートレートの裏側」(玄光社)がある。