金属成膜のメニュー

アルミ製金型へのTiN膜コーティング

埼玉県の金型を製作している会社より、樹脂成形時の離型性を向上させるためにアルミ製の金型に窒化チタンコーティングを処理してほしいとの問い合わせを頂きました。

真空成形と呼ばれる手法で成形を行なっており、まずプラスチック板をヒータにより加熱して柔らかくします。その後金型にセットされ、金型に空いている穴から、製品と金型の間の空気を抜いていきます。

この時真空ポンプと呼ばれる装置を用います。真空ポンプにより空気を取り除く排気作業を行っていくと製品と金型の間は真空になり密着します。その後製品を冷却しプラスチックを効果させ、真空を解放し製品を金型から取り外します。

真空成型は生産性が高く、特に大型や薄肉の成型を得意としています。仕様される材料はPP,ABS・PC・PE・PETが一般的です。近年では発泡シート・不織布などを複合した複合多層材料やシルクスクリーン印刷された材料も使用されています。

PPはポリプロピレンの略称で特徴として耐熱、耐寒性に優れており、強度や耐摩耗に対しても優れています。冷凍食品のトレーなどに使用される事が多いです。耐薬品性も優れており、アルカリや酸、鉱物油などにも耐えられます。

耐年津温度は100度~140度と比較的高く調理する環境においては対応可能な場面が多いです。また、工業用用途しても多くの製品に利用されています。
PPは耐候性が弱く、日光などのエネルギーが強い光に当たると白く変色してしまいます。

通常であればアルミ材の金型をそのまま使ったりするのですが、樹脂の種類によって張り付きが発生してしまう事があるそうです。そこで、窒化チタンコーティングにより改善を検討しました。金型は400mm×600mm×10mm程度の大きさで、樹脂を貼り付ける片面のみの処理となります。

このような薄い板状のものにコーティングする際は歪みが発生しやすく、低温処理が望ましいです。また、治工具への取り付け時にも歪みが発生しにくいような取り付け方法を検討する必要があります。

弊社のAIP装置では約200度での窒化チタンコーティングが可能で、そのようなケースの場合でも対応する事が可能です。しかし、低温処理の場合には膜厚が薄くなってしまうというデメリットもあります。

成膜中は膜を形成するために材料粒子が製品基板上に衝突しており、その衝突エネルギーが熱に変換されます。そのため、成膜時間が長くなるほど製品温度が上昇し歪み等が発生しやすくなります。

弊社では成膜時間を減らして、基板が低温状態で成膜を終了させ、もう一度冷却したのち成膜する事で歪みに対して対応しております。

お客様からは「離型性としてこれまで張り付いていた物が、貼り付かなくなりました。ありがとうございました。」とのお声をいただきました。

このページのトップに戻る