金属成膜のメニュー

光学レンズの製造工程について

2018年10月12日 トピックス

光学レンズというのはどのように作られるのでしょうか?
光学レンズの製造工程を、弊社内の工程を例に簡単にご説明します。

まず材料からです。
光学レンズの材料となる光学ガラスは、皆さんが普段目にしているような窓ガラスなどのガラスとは違い、それぞれ用途ごとに適した透過率・屈折率となるよう様々な材料を1300~1500℃になるまで熱し溶解して、それぞれの型に移され、ゆっくりと時間をかけて冷却します。この時点で外観は、ガラスといえど全く透明にはなっておらず、完全に白曇りした状態です。

ここからが弊社内の工程となりますが、荒ずり(CG)と呼ばれている工程です。
カーブジェネレータ―と呼ばれる装置を使い、筒状の人工ダイヤモンドで、材料の状態のガラスを、指定されたRや厚み付近まで削っていきます。筒状の人工ダイヤも番手等があり、それぞれの材料に適したダイヤを選定します。形はレンズの形状に近づいていきますが、まだ透明度はなく、白く曇った状態です。

砂かけ(ペレット、又は、スムージング)工程は、粒、又は、総型の人工ダイヤを鋳物で出来ている皿状の治工具に貼り付け、荒ずりが終わった状態のレンズを、さらに図面通りの面精度・外観に仕上げる為、荒ずり工程より細かく正確に削っていきます。ここでも様々な種類の人工ダイヤがありますが、各材料に適した人工ダイヤを選定します。

材料に合わないダイヤを使用してしまうと傷が深く入り、次の研磨工程で傷が取れなくなる場合がありますので、今までの経験と擦り合わせて慎重に選定します。この時点で、やや透過がみられるようになりますが、まだスリガラス状で透明とは言えません。

芯取工程では、光軸がブレてしまわない様に、レンズの外径を真円に近づくように外径を人工ダイヤモンドのホイールで削ります。ダイヤモンドホイールにも、様々な番手・形状があり、各レンズに合わせオーダーでホイールを作製します。

ここでも機械のセット・設定が少しでもずれてしまうと、規格からはずれてしまい不良の製品が出来てしまうので、細心の注意を払い加工します。
弊社では、ベルチャック方式の芯取を主とし、手動機・自動機で試作・量産を可能にしております。

研磨工程では、砂かけ工程でスリガラス状まで仕上げたレンズを、もちろん透明でありキズが無くなるまで研磨して行きます。鋳物で出来た皿状の治工具に、ポリウレタンパッドを貼り付け回転させ、酸化セリウムなどの研磨剤を流しながら、傷が無く、なおかつ指定通りの面精度・中心厚になるよう磨き上げていきます。

ここでもやはり、材料に合わせて、研磨剤、ポリウレタンパッド、研磨機の設定を選定していきます。基本どの工程でもそうですが、間違えた加工をすると、全て傷だらけ=全て破損ということもあり得ますので、経験と擦り合わせた間違いのない選定が必要となってきます。

光学レンズの面精度は、原器という指定の面精度の対となるr(Radius)の物にレンズを当て、ニュートンリングの本数・歪みを見て精度を確認します。
最近では、より高精度な面精度を求められるようになり、原器だけでの確認ではなく、干渉計、又は、解析装置を用いての面精度の保証が必須となっています。

各工程後、一つ一つ検査を実施し、各公差内に納まっているかどうかを確認し、次工程へと進みます。最近では規格公差が1/100mm、1/1000mm、のレンズも増え、測定する道具も高性能な物を取り揃える必要性があり、様々な箇所でより繊細な技術・検査が必要とされています。

弊社内での最終工程となりますが、コート工程では研磨完了後のレンズ表面に人間の目では認識できない程の薄い膜を蒸着させ、何層も重ね、反射防止膜(ARコート Anti Reflective coating)を、成膜します。成膜することにより、ガラス表面自体の反射を防ぎ、より多くの光を透過することが出来る様になります。

さらに、貼り合わせが必要なレンズはバルサム(貼り合わせ)工程、墨塗り工程(外周部から光が乱反射しない様、外周部を特殊な薬品で黒く塗る)へと進み、一つのレンズとして完成します。たった一つの光学ガラスレンズを作るだけでも、これだけの製造工程を経て生産されています。

その後、組み立て工程へと進み、いくつものレンズ・金物を組み合わせ、皆様の下に製品として出荷されています。