秋の夜長はギリシャ神話の星々と語り合いましょう

秋は湿度も下がり、夏の間はかすみがちだった空も透明度が増し、星が輝いて見えることでしょう。秋の夜空は、夏に比べ明るい星がやや少なく寂しい感じもしますが、ギリシャ神話の星々が夜空を演出しています。「ギリシャ神話古代エチオピア王家の物語」の登場人物が勢ぞろいしますので、秋の空に描かれた星座たちを探してみましょう!

秋の星座の目印、秋の四辺形を探してみよう!

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まず、秋の星座を探すために便利な「秋の四辺形」を探してみましょう。各季節には星座を探す手がかりとなる「大三角」があります。「大三角」を形作っている星のほとんどが1等星からなっていますが「秋の四辺形」は2等星と3等星の星で形作られています。暗くて見つけにくいのではないかと思われるかもしれませんが、秋の夜空には明るい星が少ないので、すぐに見つけられるでしょう。夜更けになると天頂近くに4つの星が四角く並びます。それが「秋の四辺形」です。

古代エチオピア王家の神話

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古代エチオピア王国にケフェウスという王がいました。ケフェウスは、王妃カシオペヤと、一人娘のアンドロメダ姫と穏やかに暮らしていました。しかしある日、王妃のカシオペヤが娘アンドロメダの美しさを自慢して「アンドロメダの美しさは、海の精ネレイドでもかなわない」と口走ってしまいました。

海の精ネレイドとは、海の神ポセイドンに使える妖精でポセイドンの孫娘にあたります。ポセイドンは、カシオペヤの言葉に大変腹を立て、思い上がった人間達を懲らしめようとエチオピアの海岸に連日、化けくじら(後のくじら座)を送り津波を起こしては人々に襲い掛かりました。ケフェウスは、どうすればポセイドンの怒りを沈めることができるか神に伺いをたてることにしました。すると「アンドロメダを生贄に捧げよ」とのお告げがありました。ケフェウスは国を守るために仕方なく、アンドロメダ姫を海岸の岩場に鎖で縛り付けました。化けくじらがアンドロメダ姫を見つけ襲おうとした時、ペガススに乗った英雄ペルセウスが現れました。ペルセウスは怪物メデューサを退治してギリシャに帰る途中でした。ペルセウスは化けくじらの前にたちはだかり、化けくじらに向かって怪物メデューサの首を突きつけました。メデューサとは、顔を見たものは全て石にしてしまうという恐ろしい怪物でした。死してもなおメデューサの魔力は絶大で、メデューサの顔を見た化けくじらはたちまちのうちに石になり海へと沈んでいきました。

その後、アンドロメダ姫を救ったペルセウスは、アンドロメダ姫と結婚し、幸せになりました。

 

秋の四辺形を使って見つけられる星座

秋の四辺形のまわりには古代エチオピア王家の物語の登場人物が勢ぞろい。神話を読みながら、秋の夜空を見上げよう!

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ペガスス座(天馬)

秋の四辺形は、別名を「ペガススの四辺形」とも言います。それは、「秋の四辺形」がほぼ「ペガスス座」でできているからです。命名はギリシャ神話のペガスス(翼の生えた天馬)にちなんでつけられています。ペガススはギリシャ神話で勇者ペルセウスが怪物メデューサの首を切り落とした時、飛び散る血しぶきの中から生まれたと言われています。形は、そのペガススの頭を下にして、逆さまの姿になって見えます。ペガススの四辺形の中にも細かな星が見えます。いくつくらい見つけられるかな?

 

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アンドロメダ座

アンドロメダ座は、秋の四辺形の星のひとつ「アルフェラッツ」から左に伸びています。形は、古代エチオピアのアンドロメダ姫の姿を表したものです。アンドロメダ姫は、エチオピア王ケフェウスとカシオペヤ王妃の一人娘です。この星座には有名な「M31 アンドロメダ大星雲」が含まれていることで知られています。「M31 アンドロメダ大星雲」は、渦巻銀河で約230万光年離れた遥か彼方にある天体です。しかし大変明るく大きい(視直径が約3度)ので、双眼鏡でもぼんやりと光る銀河が見つけられることでしょう。ちなみに月の視直径が約0.5度ですので、とても大きいことがわかります。

 

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ペルセウス座

ペルセウス座は、アンドロメダ座の星の列の先に位置しています。秋から冬にかけてはカシオペヤ座から続く天の川銀河の中にあります。形は、ギリシャ神話で大活躍する英雄ペルセウスの姿になっており、怪物メデューサの首を持ち、剣を振り上げている姿になっています。ペルセウス座は、夏の風物詩ともいえる「ペルセウス座流星群」でも有名です。毎年、夏休みのお盆のころになると私たちの目を楽しませてくれています。またペルセウス座β星(アルゴル)は代表的な食変光星(二つの星がお互いにまわりながら周期的に明るさの変わる星)です。

 

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カシオペヤ座(アンドロメダの母)

秋の四辺形の四角の各辺は東西南北の方向に添っているので、空の中での方向を知る手掛かりとなります。カシオペヤ座は、秋の四辺形の東(左)の辺を北に伸ばしていくと、W字に並んだ5つの星の並びにぶつかります。この星の並びが「カシオペヤ座」です。カシオペヤ座は、古代エチオピア王国のカシオペヤ王妃の姿を表したものです。カシオペヤ座は、北極星を探す目印になりますので覚えておいてください。特に秋には「北斗七星」が北の空低くに下がってしまうので、カシオペヤ座が「北極星」を探すときに役に立ちます。

 

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ケフェウス座(アンドロメダの父)

ケフェウス座は、カシオペヤ座の西隣にある少し歪んだ五角形の星です。秋に観察がしやすいので秋の星座に入れられていますが、北極星に近いところに位置していますので、一年中観察することができます。形は、古代エチオピアの王ケフェウスの姿になっています。ケフェウスの妻は「カシオペヤ王妃」で娘が「アンドロメダ姫」で親子3人が星座となって並んでいます。ケフェウス座δ星は宇宙の距離を計るのに最初に使われた脈動変光星です。このケフェウス型変光星は変光の周期と光度差と距離の相関関係が決まっているため、遠い宇宙でも物差しのように使われています。

観測にオススメのアイテム ~スカイエクスプローラー SE-GTシリーズ~

SE-GTシリーズは、自動導入(コンピュータ内蔵)モデル。付属の"NEWスカイコントローラー"で見たい星を入力すると、望遠鏡が自動で捉え、追尾してくれます。

スカイエクスプローラー
SE-GT70A
 集光力:100.00倍

口径70mmの屈折式天体望遠鏡。

希望小売価格:¥99,000(税別)

SE-AT100N

天体望遠鏡の種類:屈折式
対物レンズ:70mm 焦点距離:700mm
極限等級:11.0等星
鏡筒サイズ:φ100×長さ420mm
鏡筒重量:1.2kg
三脚+マウント高さ:840~1,375mm
三脚+マウント重量:3.4kg

スカイエクスプローラー
SE-GT100N
 集光力:204.08倍

主鏡100mmのニュートン反射式望遠鏡。星雲や星団の観測に最適。
希望小売価格:¥84,000(税別)

SE-GT100N

天体望遠鏡の種類:ニュートン反射式
主鏡有効径:100mm 焦点距離:450mm
極限等級:11.8等級
鏡筒サイズ:φ140×長さ420mm
鏡筒重量:1.6kg
三脚+マウント高さ:840~1,375mm
三脚+マウント重さ:3.4kg

スカイエクスプローラー
SE-GT102M
 集光力:212.33倍

主鏡102mmのマクストフカセグレン式望遠鏡。惑星の観測に最適。
希望小売価格:¥115,000(税別)

SE-GT102M

天体望遠鏡の種類:マクストフカセグレン式
対物レンズ有効径:102mm
焦点距離:1300mm 極限等級:11.8等星
鏡筒サイズ:φ115×長さ310mm
鏡筒重量:1.9kg
三脚+マウント高さ:873~1,333mm
三脚+マウント重さ:4.2kg