今年は、4月に肉眼で見ることができる彗星の回帰があり、10月には夕方の空に尾を引いた彗星が見られるかもしれません。
夏の風物詩であるペルセウス座流星群も夜半後は好条件です。
そろそろ土星の輪も薄くなってきて、来年以降数年見づらくなります。
惑星同士の接近もありますので、今年も双眼鏡や天体望遠鏡で天体観測を楽しみましょう。
2024年1月の主な天文現象
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1月4日しぶんぎ座流星群極大
4日18時頃「しぶんぎ座流星群」が極大になると予想されます。3大流星群の一つで出現数は期待できるのですが、月齢22の月が夜空を明るくしているため今年は出現の期待が持てません。また、極大時には放射点が地平線の下にありますので見るのは難しいでしょう。
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1月18日月面Xが見られます
1月18日18時50分頃から1時間くらいの間、久々に月面Xが見られます。
月面Xとは上弦の月の頃、月の明暗の境の地形に「X」の文字が浮かび上がる現象をいいます。プランキヌス、ラカイユ、プールバッハという3つのクレーター壁によってできた地形で月面の暗いところに浮かび上がって見えます。継続時間が1時間程度と短く条件が揃ったときにしか見えません。
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2024年2月の主な天文現象
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2月24日ミニマムーン
2月24日の満月は視直径29.4′(距離40.592万㎞)で、2024年で最も小さな満月となります。(最遠時:2月24日21時30分)
対照的に10月17日の満月は視直径33.4′(距離35.737万㎞)で、2024年で最も大きく見える満月となります。(最近時:10月17日20時26分)
スーパームーン、ミニマムーンとは天文用語ではなく、占星術等でスーパームーンはその年最も大きく見える満月、ミニマムーンはその年の最も小さな満月を指すようです。
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2024年3月の主な天文現象
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3月17日〜18日月面Xが見られる
3月17日の23時40分頃から1時間くらいの間、月面Xが観測できます。
月面Xとは上弦の月の頃、月の明暗の境の地形に「X」の文字が浮かび上がる現象をいいます。プランキヌス、ラカイユ、プールバッハという3つのクレーター壁によってできた地形で月面の暗いところに浮かび上がって見えます。継続時間が1時間程度と短く条件が揃ったときにしか見えません。
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3月25日水星が東方最大離角
25日水星が太陽の東側へ18°42′離れて東方最大離角となります。夕方、西の低空ですが2024年では最も高度があり(日没時高度:約18°)見つけやすいでしょう。双眼鏡や望遠鏡を使って見ると、欠けた姿も見られるでしょう。
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2024年4月の主な天文現象
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4月9日北米大陸で皆既日食が見られる(日本では見られない)
9日03時頃(日本時間)北米大陸で好条件の皆既日食が見られます。
皆既帯は太平洋中央で始まりメキシコ、アメリカ(ダラス、インディアナポリス、ニューポート)カナダ(モントリオール)を経由してきた大西洋で日没となります。
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4月21日ボン-ブルックス彗星(12P)回帰 近日点通過
周期彗星ボン-ブルックス彗星(12P)が回帰して明るくなります。3月下旬頃から4月には4等級になると予想されています。空の暗いところであれば肉眼で見ることができそうです。この彗星は周期が70.8年とハレー彗星(周期76年)と似た特徴があるようです。
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4月22日4月こと座流星群が極大
22日 日本時間では日中にこと座の一等星ベガの近くに放射点のある「4月こと座流星群」が極大となります。極大が日中ということと満月前(月齢13)の明るい月が夜空を照らしているため、出現の期待は持てません。
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4月29日~30日火星と海王星が大接近
29日から30日にかけて火星と海王星が大接近する様子が天体望遠鏡等で観測することができます。火星(1.1等)は明るいのですが、海王星は7.9等と肉眼で見ることはできません。一番接近するときで2.1′ですが日本では日中になるのでこの瞬間は見られません。日本での観察は29日~30日の明け方が観測のチャンスです。月の視直径が約30′ですので、ものすごく近づくのがわかります。
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2024年5月の主な天文現象
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5月6日みずがめ座η(イータ)流星群極大
6日の明け方頃「みずがめ座η流星群」が極大となると予想されています。放射点が地平線から登ってくる夜明け前1時間くらいが観測できる時間帯です。この頃は夜明けが早く、観測時間は非常に短時間になります。今年は月明かりの影響も少なく短い時間でも観測できるでしょう。
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2024年6月の主な天文現象
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6月上旬明け方の空に月と惑星が集合
夜明け頃の東の空に(6月4日)左から、木星(-1.8等)、水星(-1.5等)、天王星(5.8等)、月、火星(1.0等)、海王星(7.9等)、土星(1.2等)と並びます。
夜明け頃の薄明が始まるころは幻想的な風景となり、星景写真を撮るチャンスとなります。
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2024年7月の主な天文現象
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7月29日みずがめ座δ(デルタ)南流星群極大/やぎ座α(アルファ)流星群が極大
29日「みずがめ座δ南流星群」と「やぎ座α流星群」が極大になると予想されています。明け方に細い月があるものの、さほど影響無く観測できるでしょう。この時期はペルセウス座流星群も活動を始める頃で出現数は少ないのですが3タイプの流れ星を見ることができるチャンスです。早くて北のほうから流れてくるペルセウス座流星群とゆっくりで南のほうから流れてくるやぎ座α流星群の対比は面白いです。
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2024年8月の主な天文現象
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8月1日~7日スターウイーク
毎年8月1日~7日は、星空に親しむ週間として「スターウイーク」と呼ばれています。
8月最初の一週間は梅雨もすっかり明けて晴れることが期待できます。
この期間に星空を楽しんでは如何でしょうか。
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8月10日伝統的七夕
明治6年に暦が変わり現在の『太陽暦』となりましたが、それまでは『太陰太陽暦』が使われていました。伝統的七夕とはそれまで行われていた日の七夕を指す日で『太陰太陽暦の7月7日に相当する日』となります。この日は月齢6の月があり、この月が天の川の渡し船に見立てられていました。7月7日であればほとんどの地方は梅雨の真っ最中ですからこちらの方が七夕にはふさわしいかもしれませんね。(太陽太陰暦で二十四節季の処暑の直前の新月を七月一日と定めています。七夕はそこから六日後の七月七日となります。)
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8月12日~13日ペルセウス座流星群極大
12日23時頃ペルセウス座流星群が極大になると予想されています。月が夜半ころまで出ていますが、月が沈むころから明け方まで暗夜の好条件で観測ができるでしょう。13日の未明にかけて出現数が増えていくと思われます。ペルセウス座流星群には、明るく痕を残す流星が多く、特に夜半過ぎに出現数が多くなる傾向があります。
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8月14日火星と木星が大接近
23時54分に火星(-0.8等)と木星(-2.0等)が18.4′まで接近します。月の大きさが約30′程度なので月の視直径よりも近づくということになります。この時間、おうし座にある火星と木星はちょうど東の空から登ってくるころで時間がたつと並んでいる明るい木星と赤い火星を見ることができます。
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2024年9月の主な天文現象
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9月8日土星が衝
土星がみずがめ座で「衝」となります。「衝」とは外惑星がもっとも地球に近づき、明るくなる時期です(光度0.6等)。土星の環は2025年に向けて閉じてきていますので、そろそろ小口径の望遠鏡では環がかなり薄くなって見えます。2025年には、土星を真横から見ることになりますので環が見えなくなってしまいます。
この時期は土星の絶好の観望時期となりますので、シーイングの良い日を選んで観察してみてください。
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9月10日月面Xが見られる
9月10日 九州南部~沖縄にかけての地域のみ22時10分頃から1時間くらいの間、月面Xが観測できます。
月面Xとは上弦の月の頃、月の明暗の境の地形に「X」の文字が浮かび上がる現象をいいます。プランキヌス、ラカイユ、プールバッハという3つのクレーター壁によってできた地形で月面の暗いところに浮かび上がって見えます。継続時間が1時間程度と短く条件が揃ったときにしか見えません。
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9月17日中秋の名月
旧暦の8月15日の月を「中秋の名月」と呼んでいますが、今年の中秋の名月は9月17日です。中秋の名月は必ずしも満月とは限りません、今年は満月の前日となります。
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2024年10月の主な天文現象
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10月2日南太平洋~南米で金環日食
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10月8日~9日10月りゅう座流星群極大
8日~9日にかけて「10月りゅう座流星群」が極大を迎えると予想されます。月は夜半前早々に沈みます。出現数は、空の暗いところでも数個程度と予想されますがこの群の特徴は突発的に出現することがあるため目が離せません。月没後が観測の好機となります。
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10月13日紫金山-アトラス彗星が近地点を通過
2023年1月に発見された紫金山-アトラス彗星が地球に最接近するといわれています。
9月28日ころに太陽に一番近いところ(近日点)を通りその後どんどん北上して10月13日ころに地球に最も近づく(近地点)を通過します。その時の明るさは予報では0等~-1等くらい(ベガとかカペラくらいの明るさ)と予想され日没後の西の空に肉眼で尾が見られる彗星となりそうです。-5等くらいまで明るくなると予想している方もいます。
この彗星の近日点は水星の軌道くらいまで近づきますので、その時に表面の物質がたくさん放出されれば長くて大きな尾が出るものと思われます。
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10月17日スーパームーン
10月17日の満月は視直径33.4′(距離35.737万㎞)で、2024年で最も大きく見える満月となります。(最近時:10月17日20時26分)
スーパームーンとは天文用語ではなく、占星術等でスーパームーンはその年最も大きく見える満月を指すようです。
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10月22日オリオン座流星群極大
22日ハレー彗星を母彗星とする「オリオン座流星群」が極大になると予想されています。オリオン座は10月下旬ともなると夜更けに空高く上るので観測しやすいでしょう。今年は極大のころにすぐ上のふたご座あたりに大きな月があり、観測には難しいと思います。
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2024年11月の主な天文現象
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11月上旬おうし座流星群極大
2日「おうし座南流星群」が、12日「おうし座北流星群」が極大になると予想されます。活動期間が長く、際立った極大を持たないので月明かりのない時間帯を選んで観測するといいでしょう。スピードはゆっくりで時として大火球が出ることもありますので観測してみてください。
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11月17日天王星が衝
天王星がおひつじ座で「衝」となります。5.6等の明るさがあり視直径は3.7″となります。天王星は太陽からかなり離れた場所にあるため、その位置は毎年大きな動きはありません。町明かりのない暗い場所で、肉眼で探してみてください。天体望遠鏡で見ると他の星とは違い青緑色に見えます。
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11月18日しし座流星群極大
18日「しし座流星群」が極大になると予想されます。極大が著しく短く、短時間に多く出現をする流星群です。今年は満月すぎの月(月齢17)が夜空を明るく照らしているため観測は難しいでしょう。
母彗星は55P/テンベル・タットル彗星です。
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2024年12月の主な天文現象
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12月8日木星が衝
木星がおうし座で「衝」となります。「衝」とは外惑星がもっとも地球に近づき、明るくなる時期です(光度-2.7等)。南中高度が年ごとに高くなっておりシーイングの影響も少ないので、口径の小さな望遠鏡でも表面の縞模様が見やすくなってきています。木星は約10時間で自転しているので、時間をおいて見ると模様の変化がわかるでしょう。また4つの大きな衛星(月)があり、毎日位置が変化しますのでその様子を観測しましょう。絶好の観望時期となりますので、シーイングの良い日を選んで観察してみてください。
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12月8日土星食
8日夜 上弦の月に土星が隠される土星食が一部の地域で見られます。北限界線が沖縄~九州南部~四国~近畿~北陸~東北地方(青森県を除く)で見ることができます。その他の地方では土星は月に隠れることなくすぐそばを通過していきます。境界線付近では土星の一部が月に隠される珍しい現象となります。
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12月14日プレアデス星団の食
夜半過ぎから明け方にかけて月にプレアデス星団が隠されるプレアデス星団の食が見られます。プレアデス星団は月の通り道の近くにあるため、このような現象はたびたび起こります。2028年まで少しずつ移動しながらプレアデス星団の中を通っていく現象が起こります。
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12月14日ふたご座流星群極大
14日8時頃「ふたご座流星群」が極大を迎えると予想されています。
今年は満月直前の大きな月(月齢13)が夜空を照らしてくれるため、観測には向きません。
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12月22日こぐま座流星群極大
22日「こぐま座流星群」が極大を迎えると予想されています。この日は下限の明るい月(月齢21)があるため条件はよくありません。
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