宙(そら)を見よう!2024年4月〜6月までの主な天文現象

宙(そら)を見よう!2024年4月〜6月までの主な天文現象

ポン-ブルックス彗星(12P)が
70年ぶりに回帰

彗星とは

彗星とは、夜空に長い尾を引いて現れる天体です。日本では、その姿がほうきに似ていることから「ほうき星」とも言われています。
彗星は、太陽の周りをまわる太陽系の天体の仲間ですが、惑星のように円に近い軌道を回っているわけではありません。太陽のはるか遠くから太陽系の内部に近づき、太陽をかすめて遠ざかっていきます。彗星には、何度も太陽への接近を繰り返す「周期彗星」、一度だけ太陽に近づいてそのまま太陽系の彼方に消えていく「非周期彗星」があります。また、「周期彗星」のうち太陽に近づく周期が200 年以内のものを「短周期彗星」と呼び、200 年以上のものを「長周期彗星」と呼んでいます。

彗星の解説画像

彗星の仕組み

彗星本体は直径約1~10km位の氷とチリのかたまりの核と呼ばれているものと、核の周りを覆うコマと呼ばれる部分とそこから伸びる尾で構成されています。
尾は一般に太陽と反対方向へまっすぐのびる青いガス(プラズマ、イオン)の尾と、太陽と反対方向から軌道方向へ広がった黄色い塵(ダスト)の尾があります。

彗星を観測しよう

彗星は淡い天体なので観測するときはなるべく街灯や街明かりのない暗い場所を選びましょう。肉眼で見えにくい明るさでも双眼鏡があれば彗星を探すことができるでしょう。
双眼鏡を選ぶときは、口径が大きく倍率の低く視野の広い双眼鏡が適しています。例えばですが、7 倍50mm、8 倍42mm、8 倍32mmくらいの双眼鏡を使用すると見つけやすいでしょう。
天体望遠鏡で観測するときも、なるべく口径の大きなもので倍率を低くして見ることをお勧めします。

彗星を撮影しよう

撮影するときも街灯や明かりのない場所を選びましょう。最近のデジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラは感度が上げられるので天体を撮影するのに向いています。カメラと広角の明るめなレンズを用意しましょう。またシャッターブレを防ぐためにレリーズとしっかりした三脚を用意しましょう。
彗星の方角に向け撮影を始めます。彗星は暗いため、オートフォーカスでピントを合わせることができませんのでマニュアルに設定してください。ピントは遠くの景色(1㎞以上)などで合わせると合わせやすいでしょう。感度の目安はISO400~3200くらいです。露出時間もオートにすると明るくなりすぎますのでマニュアルで撮影してください。できれば何段階か試し撮りをして、最適な露出を決めるのが良いと思います。レンズの絞りは、開放か1段絞るくらいにしましょう。
彗星をより良く撮影したい場合は、スカイメモ等のポータブル赤道儀を使うと良いでしょう。

2024年4月〜6月の主な天文現象

  • 4月21日ポン‒ブルックス彗星(12P)回帰 近日点通過

    周期彗星ポン‒ブルックス彗星(12P)が回帰して明るくなります。3月下旬頃から4月には夕方の西の空で4等級になると予想されています。空の暗いところであれば肉眼で見ることができそうです。この彗星は周期が約70年とハレー彗星(周期76年)と似た特徴があるようです。

  • 4月29日~30日火星と海王星が大接近

    29日から30日にかけて火星と海王星が大接近する様子が天体望遠鏡等で観測することができます。火星(1.1等)は明るいのですが、海王星は7.9等と肉眼で見ることはできません。一番接近するときで2.1′ですが日本では日中になるのでこの瞬間は見られません。日本での観測は29日~30日の明け方がチャンスです。月の視直径が約30′ですので、ものすごく近づくのがわかります。

  • 5月6日みずがめ座η(イータ)流星群極大

    6日の明け方6時頃「みずがめ座η流星群」が極大となると予想されています。放射点が地平線から登ってくる夜明け前1時間くらいが観測できる時間帯です。この頃は夜明けが早く、観測時間は非常に短時間になります。今年は月明かりの影響も少なく短い時間でも観測できるでしょう。

  • 6月上旬明け方の空に月と惑星が集合

    夜明け頃の東の空に(6月4日)、左から、木星(-1.8等)、水星(-1.5等)、天王星(5.8等)、月、火星(1.0等)、海王星(7.9等)、土星(1.2等)と並びます。薄明が始まる頃は幻想的な風景となり、星景写真を撮るチャンスとなります。

10月には肉眼彗星になると期待されている紫金山̶アトラス彗星もやってきます!

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