小河俊哉 - トキナーレンズの高画質をより引き出すレタッチ技術

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AT-X 124 PRO DX Ⅱ

TOKINA AT-X 124 PRO DX Ⅱは、APS-Cデジタル一眼レフに対応した12mm-24mmの焦点距離をもつ広角ズームレンズだ。
AT-X124 PRO DXの特徴は、なんと言っても「驚くほどの描写力」である。
使い込んでゆくと分ることなのだがF5.6も絞っておけば十分な描写が得られるという驚きの広角レンズである。 また、広角側では広角レンズらしい程好いディストーションが画作りのスパイスになるためダイナミックな画作りが可能なレンズだ。 発色はトキナーレンズらしいニュートラルで抜けの良い発色であり、シャープさは冒頭の通り驚くようなシャープな描写である。 トキナーには、もう一本AT-X116 PRO DXという味の違う広角レンズも用意されているが、AT-X124 PRO DXはダイナミックでシャープな画作りを好む方にお勧めしたい一本である。 また、PROシリーズに搭載のワンタッチフォーカスクラッチ機構も、もちろん搭載されておりマニュアルフォーカスに変更も瞬時におこなえる。

以下、作例をご覧頂きながら解説をしてゆきたいのであるが、僕の撮影方法は「頭に浮かんだイメージを再現する」撮り方を行っているため、作例には自分のイメージ通りに再現するための撮影、現像、レタッチを行った作例であることを先におことわりしておきたい。 また、作例解説には、TOKINA AT-X 124 PRO DX Ⅱ(以下AT-X 124とする)の特徴を生かした撮影方法と、レタッチの方法も合わせて解説してゆきたい。

AT-X 124 PRO DX Ⅱ
 

Index

 

作例01北海道羊蹄山を撮る

焦点領域12mm(35mm判換算18mm相当)で使用、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/400、絞りF8、ISO200、WB晴天、カメラD300


About

北海道らしい大きな空と真っ直ぐに伸びてゆく畑の作物。 こうした画は手前から奥までカリッとした画で撮影したくなのだが、あまり絞りすぎてしまうとコントラストが高くなってしまうため色反射率の低い作物の緑がくすんでしまいがちになる。 しかし、AT-X124は驚きの描写力も持っているためF8も絞っておけば周辺減光もなく画面隅々までカリットした画を提供してくれる。 AT-X124の持つこの特色は、唯一無二の特色で他に類をみないものである。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、特に補正する部分は見当たらなかったためそのままで完成とした。

 

作例02北海道富良野のラベンダー畑を撮る

焦点領域12mm(35mm判換算28.5mm相当)で使用、撮影モード絞り優先オート、シャッタースピード1/100、絞りF11、ISO100、WBオート、カメラD2x


About

AT-X124の持つ高い解像性能は、広い大地一面に咲くラベンダーの一本一本をキチンと解像している。 こうした画は、解像が甘くなるとどうしても奥行き感が失われてしまうのだが、AT-X124は期待通りの描写を提供してくれる。 また、一連のトキナーレンズらしくカラーバランスもニュートラルかつ抜けの良い色合いだ。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、隠し味程度コントラストを上げた後に、色指定でくすんでしまったラベンダーの茎の部分の緑の明度を上げて完成とした。

 

作例03秋の京都を撮る1

焦点領域12mm(35mm判換算18mm相当)で使用、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/100、絞りF8、ISO320、WB曇天、カメラD300


About

大原三千院の庭を撮影した。 撮影日は残念ながら曇天となってしまったのだが、かえって日本庭園らしい色合いになったようだ。 AT-X124のニュートラルなカラーバランスはこうした曇天下の撮影であっても正確に色反映をしてくれる。 また、AT-X124の程好いディストーションが視線を中心部へと誘ってくれるため、視覚的な広さと奥行き感を演出してくれている。 この程好いディストーションは、隣のカメラマンとの差をつける良いスパイスになると思うのである。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、特に補正する部分は見当たらなかったのであるが隠し味ていどコントラストを上げ完成とした。

 

作例04秋の京都を撮る2

焦点領域12mm(35mm判換算36mm相当)で使用、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/500、絞りF8、ISO250、WBオート、カメラD300


About

被写体にグッと近づき奥を大きく入れ込む。 これも、広角レンズの使い方の一つである。 昨今のデジタル一眼レフカメラはライブビュー撮影が可能なことが多く(ライブビュー撮影が出来なかった頃は、AT-X124の場合フード先端部分を目安にシャッターを切っていた)、今回使用した撮影機材のD300も、ライブビュー撮影が可能であることから地面すれすれで撮影した。 望遠端24mmを使い、手前の落ち葉にピントを合わせ奥をボカした画作りを試みる。 AT-X124はボケ味も楽しめる広角レンズである。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、陰影をより印象付けるためにトーンカーブでハイライト側を持ち上げ、その後シャドー部分を若干下げる作業を行った。 最後に、記憶色補正として彩度を2メモリ上げ完成とした。

 

作例05秋の京都を撮る3

焦点領域15mm(35mm判換算22.5mm相当)で使用、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/1.6、絞りF5.6、ISO640、WBオート、カメラD300


About

清水寺のライトアップを撮影した。 絞りF5.6も絞ればシャッキリくるAT-X124はここでも実力を申し分なく発揮してくれる。 実際この画は、F5.6までしか絞っていないのであるが、右端建物のひさし部分はシャッキリ解像している。 また、必要以上に絞らずにすむということは、その分光の回りが良く本来黒つぶれしてしまうような塀もディティールを残すことができより臨場感が増すのである。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、特に補正を必要とする部分が見当たらなかったためそのままで完成とした。

 

作例06雪の山里を撮る

焦点領域12mm(35mm判換算18mm相当)で使用、撮影モードマニュアル、シャッタースピード30秒、絞りF4、ISO2000、WBオート、カメラD300


About

こうした降雪時の撮影は、ことの他レンズの実力が問われる。 この一枚は、モノクロームではなくカラーでの撮影である。 そして、光が回らない曇天下、白の中の白の再現はレンズの実力が物を言う。 解像力の無いレンズで撮影した場合、白の中の白は上手く再現されていない場合が多い。 しかし、AT-X124は白の中の白をキチンと再現し且つ、厚い雪曇に残る僅かなグラデーションも再現してくれている。 これも、AT-X124の高い解像力の成せる業であろう。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、特に補正を必要とする部分は見当たらなかったためそのままで完成とした。

 

作例07真冬の浅間山で満天の星空を撮る

焦点領域12mm(35mm判換算36mm相当)で使用、撮影モードマニュアル、シャッタースピード1/500、絞りF8、ISO250、WBオート、カメラD300


About

開放絞りF4で星空を撮る。 北斗七星からだいぶ離れてしまっているため、APS-Cの撮像素子では30秒もシャッターを開けると星は流れてしまう。 しかし、それが返ってAT-X124の実力を示してくれた。 写りこんでいる無数の星全てが僅かに流れているのである。 AT-X124は満天の星を余すことなく再現してくれている。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、山向こうの街灯りが空に色かぶりをおこさせてしまったため、現像時ホワイトバランスを蛍光灯に変更している。

 

作例08広角レンズらしいダイナミックな画作り

Nikon D300 ISO800 F13 1/250秒 WBオート 12mm


About

AT-X 124は、こうした街並みをダイナミックにとらえてくれるレンズだ。 パリの街に立つ建物を大胆に入れ込みアオリ構図で大きく空を入れ込みシャッターを切る。 旅先でこうしたシチュエーションに出くわした時、大胆に街を撮ることができる一本だ。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、撮影時、空が白飛びしてしまうことを恐れ適正露出から-2/3段落とし撮影している。 PCでの補正はアンダー部分をトーンカーブで持ち上げ明るさを見た目に近くなるように補正した。 その後、カラーバランスで、青を+3、赤を+3スライドし、最後にもう一度全体を整えるためにトーンカーブを逆S字にして完成とした。

 

作例09高い解像力

Nikon D2X ISO100 F7.1 1/640秒 WBオート 17mm


About

AT-X124は、驚きの解像力を発揮してくれている。 この一枚は、F7.1しか絞っていないのであるが地の果てまでキチンと解像してくれている。 何度も繰り返すがF7.1である。 F7.1で、こんなにシャープに撮れるものなのかと驚いた一枚である。

Retouch

この一枚レタッチであるが、トーンカーブを若干逆S字にしコントラストを少々高め。 その後、彩度を若干上げ完成とした。

 

作例10広がり感のある画作り

Nikon D2X ISO200 F9 1/640秒 WBオート 12mm


About

手前にメイン被写体を置き奥に広がる画を撮る。 これも広角レンズらしい構図構成の一つである。 手前に配置した海鳥は近くによっても逃げることがなく、海辺街モナコらしい一枚を撮影することができた。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、この一枚は殆ど補正するところがなく隠し味程度にコントラストを上げて完成とした。

 

作例11抜けの良い発色

Nikon D2x ISO200 F13 1/320秒 WBオート 12mm


About

AT-X124はトキナーレンズらしいニュートラルな発色のレンズだ。 抜けの良いスッキリとした発色とキレの良い高いコントラストを持つ一本である。 雪原と青空の組み合わせでは、白が白としてキチンと情報に送られてくることがレンズに求められてくる。 また、青空の青に濁りがあってはスッキリ感のある画が得られない。 しかし、AT-X124はその期待に見事に応えてくれている。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、この一枚は白飛びを恐れ、撮影1/3段アンダーにして撮影した後、PC作業において見た目と同じに戻すため、トーンカーブでシャドウ部分を若干持ち上げ完成とした。

 

作例12アオリ構図で滝を撮る

Nikon D300 ISO200 F7.1 1/5秒 WBオート 15mm


About

光差し込む滝を広角ならではの至近距離からアオリ構図で撮影したものだ。 こうした構図での撮影は、AT-X124の得意分野である。 朝陽差し込む空までを一気に入れ込んでの撮影は、広角レンズだからこそ撮れる一枚である。 また、広角らしい程好いディストーションが画作りのスパイスになっているため落差を感じる一枚にもなっている。

Retouch

レタッチであるが、この一枚はほぼ補正することがなかったが、隠し味程度にコントラストを付け完成とした。

 

作例13夜明けの空を撮る

Nikon D2x ISO100 F10 1/25秒 WB 曇天 12mm


About

広く抜けの良い風景を絞り込んで撮る。 雲と雲の間に昇る太陽を撮影した一枚である。 こういった場合、雲海をメインに望遠系のレンズで太陽を切り取ることもするのだが、この一枚は空の雲をメインにしシャッターを切った一枚だ。 AT-X124の持つ高い解像力が、雲の果てまでをキチンと解像してくれており説得力のある一枚になっている。 大きく入れ込んだ空は、AT-X124が持つ程好いディストーションのお陰でよりダイナミックな空になっている。 この一枚は、AT-X124ならではの一枚といえよう。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、撮影時頭に浮かんだイメージを再現させるため、トーンカーブを逆S字にし、コントラストをあげた後、カラーバランスで赤を+8、青を+5スライドさせている。 最後に、全体を整えるためもう一度トーンカーブで中間調を調整し完成とした。

 

作例14広角レンズで流し撮りをする

Nikon D2x ISO100 F10 1/40秒 WB オート 12mm


About

通常、あまり広角レンズで流し撮りなどはしないのであるが、僕は仕事上広角レンズでの流し撮りをすることがあるため、今回あえてAT-X124で流し撮りを試みた。 広角レンズは被写体との距離が近くなるためわりと早めのシャッタースピードでもバックの画が流れてくれる。 AT-X124はシャープな画を提供してくれるため流れるバックの画が崩れすぎずに程好く流れてくれている。 こうした画が撮れるのもAT-X124ならではのことである。

Retouch

この一枚のレタッチであるが、殆ど補正する部分はなかったのだが、隠し味程度トーンカーブを逆S字にしコントラストを高めた。 その後、プライバシー保護のため車のナンバープレートを黒く塗りつぶし完成とした。

 
まとめ
AT-X124は、高い描写力を持ち、ダイナミックな画作りが楽しめる珠玉の一本といえよう。 また、AT-X124が持つ程好いディストーションが画作りのスパイスとなりAT-X124でしか撮れない画も存在する唯一無二の広角レンズである。
 
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