ベルベット56で楽しむ、ふんわりマクロの世界|中田千翔

ベルベット56で楽しむ、ふんわりマクロの世界 velvet56_bk_sv_300_300x300.jpg

 

私は普段、花や、雫を中心としたマクロ撮影をしています。

使用したのは手軽にソフトフォーカス効果を楽しめ、マクロ撮影までカバーできる「LENSBABY Velvet 56」。
花や雫をどんなふうにフォトジェニックにしてくれるのだろうと、使う前から楽しみでした。
このレンズには撮る前から、使う人に期待を抱かせる魅力がありますね。

 

絞り開放はF1.6と明るく、1/2倍までのマクロ撮影もできるもの。
絞りを変えることでソフトフォーカス効果が変化します。

電子接点は非搭載なので、ピント合わせはマニュアルフォーカスのみ。
フォーカスリングの回転方向は、カメラを構えた状態で右回り。

フォーカスリングは幅が広く、回転角が大きいので、厳密なピント合わせがしやすい。
絞りリングはちょうどいいクリック感で、操作しやすく、ファインダーをのぞいたままの状態でもF値の変化がわかりやすい。

レンズの鏡胴は金属製。今回はシルバータイプ。レンズキャップはカブセ式でクラッシクな外観のレンズ。
重量は410gと、結構ずっしりくる重さです。

焦点距離は56mm。フルサイズセンサー機だと標準レンズとして、APS-Cセンサー機だと中望遠レンズとして使用できます。

最短撮影距離はレンズ先端から13cmで、最大倍率は1:2(0.5倍。半分の大きさで撮影できる)。
マクロ撮影も可能で、フルサイズセンサー機だと、名刺サイズの物なら画面いっぱいに写ります。

私はソフトフォーカスの効果がわかりやすくて、ピントが合わせやすいミラーレス機で使ってみました。
小型軽量なので女性ユーザーにはうれしいです。

カメラはフルサイズセンサー機の「SONY α7Ⅱ」とAPS-Cセンサー機の「FUJIFILM X-T2」。
いずれのモデルにも、レンズを装着した際の大きさや重さも比較的バランスが良く、ホールドし易いと感じました。

 

撮影時のピント合わせは、背面液晶で拡大表示させるか、電子ビューファインダー(EVF)で拡大表示させた方がピントを合わせ易い。

一眼レフとミラーレスで、このレンズを使用した場合、使いやすさが違います。

一眼レフの場合は撮影後に撮影画像を再生してみないと、ソフト効果は確認できません。
ミラーレスの場合は背面液晶や電子ビューファインダー(EVF)でソフト効果を確認しながら撮影できるので、撮影しやすいと感じました。
このレンズは絞りF1.6からF4.0までの使いこなしがポイントになると思います。

ソフトフォーカスでマクロが撮れるから、花の撮影にも最適。
F4.0より絞ると、シャープなマクロ撮影にも使えるところも魅力。

F4.0からはソフトさは無くなり、シャープな描写に変わります。

F2.8からソフト効果が表れてくる。
絞りを開くと、柔らかくふわっとした描写になってきます。
開放時にハイライトが潤んだように滲むのが美しいと感じました。

フルサイズセンサー機では周辺が円弧を描いたようなボケになりますが、APS-Cセンサー機ならそういった効果も 目立たないという点も使い易いと思います。

 

「LENSBABY Velvet 56」を使用してみて、このレンズ一本でソフト効果を活かしたふんわりとしたドリーミーな描写や、 シャープな描写になるので、いろんなシーンの撮影を楽しめました。 このレンズで世界を見ると、なんだか、自分の眼差しが、とってもやさしくなったような気持ちになれて、とてもステキな世界を感じることができました。

 

作例

作例画像1

光に透過した花びらとハイライトの滲みの美しさを活かせるように、開放F1.6での撮影。
私の一番好きなイメージになりました。

機種名:FUJIFILM X-T2
絞り優先AE
F値:F1.6
シャッター速度:1/12000秒
ISO感度:800
ホワイトバランス:AUTO
露出モード:AUTO
露出補正:±0

作例画像2

バラの花びらの中からひょっこり現れた小さなアマガエル。
このレンズはマクロ撮影もできるのが嬉しいですね。
絞りはF2.8で、ふんわりと、夢見心地なイメージで。

機種名:FUJIFILM X-T2
絞り優先AE
F値:F2.8
シャッター速度:1/900秒
ISO感度:200
ホワイトバランス:AUTO
露出モード:AUTO
露出補正:+2

F4.0、F2.8、F1.6の絞りの違いの比較です。

作例画像3

F4での撮影。
絞るとシャープに。
通常のレンズとさほど変わらないシャープな写り。

機種名:SONY α7Ⅱ
絞り優先AE
F値:F4
シャッター速度:1/60秒
ISO感度:320
ホワイトバランス:AUTO
露出モード:AUTO
露出補正:±0
作例画像4

F2.8からソフト効果が表れてきます。A4やA3くらいにプリントするなら、これくらいの方が上品な仕上がりになるかもしれませんね。

機種名:SONY α7Ⅱ
絞り優先AE
F値:F4
シャッター速度:1/80秒
ISO感度:100
ホワイトバランス:AUTO
露出モード:AUTO
露出補正:±0
作例画像5

F1.6ではかなりソフト効果が表れます。
ハイライトが潤んだように滲んで幻想的なイメージに。
絞りを開放にすることで、このように描写が変わります。

機種名:SONY α7Ⅱ
絞り優先AE
F値:F1.6
シャッター速度:1/160秒
ISO感度:100
ホワイトバランス:AUTO
露出モード:AUTO
露出補正:±0

作例画像6

温室の天井からぶら下がっているプランターの花。
私の頭上1メートルくらい上のところに花があります。
後ボケで背景をボカしてみました。
F2.8だと点光源のボケが小さいので、F2.0での撮影。
点光源のボケ具合もちょうど、良くなり、好みのイメージになりました。

機種名:FUJIFILM X-T2
絞り優先AE
F値:F2.0
シャッター速度:1/600秒
ISO感度:400
ホワイトバランス:AUTO
露出モード:AUTO
露出補正:±0

作例画像7

葉の一部に傷みがあったので、逆光で開放のF1.6での撮影。
光の滲みで葉の傷みも隠すことができ、優しい光に包まれたような感じになりました。

機種名:FUJIFILM X-T2
絞り優先AE
F値:F2.0
シャッター速度:1/600秒
ISO感度:400
ホワイトバランス:AUTO
露出モード:AUTO
露出補正:±1
作例画像8

F2.0での撮影。
後ろの葉も滑らかな感じに。
日本画のイメージに仕上げてみました。

機種名:FUJIFILM X-T2
絞り優先AE
F値:F2.0
シャッター速度:1/800秒
ISO感度:200
ホワイトバランス:AUTO
露出モード:AUTO
露出補正:+1
作例画像9

F2.8での撮影。
紅葉した木々のイメージをやさしい雰囲気に。

機種名:FUJIFILM X-T2
絞り優先AE
F値:F2.8
シャッター速度:1/320秒
ISO感度:200
ホワイトバランス:AUTO
露出モード:AUTO
露出補正:+1

F4.0、F2.0の絞りの違いの比較。

作例画像10

F4での撮影。
F4まではシャープな描写になり、普通のレンズと同じ感覚で使えます。

機種名:FUJIFILM X-T2
絞り優先AE
F値:F4
シャッター速度:1/110秒
ISO感度:
ホワイトバランス:AUTO
露出モード:AUTO
露出補正:+1
作例画像11

F2.0での撮影。
夕方の光と。絞りをF2.0まで開放にしたことで全体的に柔らかく、やさしい雰囲気に。
猫が微睡んでいる様子が表現できました。

機種名:FUJIFILM X-T2
絞り優先AE
F値:F2.0
シャッター速度:1/150秒
ISO感度:
ホワイトバランス:AUTO
露出モード:AUTO
露出補正:+1

マクロ撮影も可能なクラシックポートレートレンズ。焦点距離56mm、F1.6。

レンズベビー Velvet 56

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■ 撮影者プロフィール


中田 千翔(ナカダ チショウ)

中田 千翔

photographer

2009年 写真活動を開始。
花と雫をテーマにマクロを主とし、真言宗の尼僧として 学んだ精神世界を表現できればと創作活動を開始。

Blog:「華音〜時の雫」