カメラ・オブスクラとは

カメラ・オブスクラとは

レンズベビーの新製品「Obscura」にちなんで、エキスパートフォトグラファーのJen Stronginが写真の原点について解説します。

紀元前400年から使われてきたカメラ・オブスクラは、写真の原点として知られている画像投影技術です。何世紀の間にも渡って使われたカメラ・オブスクラについて学び、レンズベビーの新製品「Obscura」にどのように取り入れられているかを見ていきましょう。

レンズベビー「Obscura

写真の歴史を語るのに、カメラ・オブスクラを避けて通ることはできません。カメラ・オブスクラについて最初に書かれた記録は紀元前400年のことでした。10世紀くらいまで、カメラ・オブスクラは、光学について学ぶ道具であったり、日食を安全に見るための道具として使われたりしました。

16世紀レオナルド・ダ・ヴィンチは、カメラ・オブスクラを研究し、200を超える図面を残したほか、カメラ・オブスクラを絵画制作に使用し、多くの芸術家がこれに続きました。

Lensbaby Camera Obscura 1/20秒 ISO640 Sony α7III
Lensbaby Camera Obscura 1/20秒 ISO640 Sony α7III
Lensbaby Camera Obscura 1/8秒 ISO200 Sony α7III
Lensbaby Camera Obscura 1/8秒 ISO200 Sony α7III

カメラ・オブスクラの名前は、1604年にドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーによってつけられました。カメラ・オブスクラはラテン語で「暗い部屋」すなわち暗室(Dark room)を意味します。ボックスに小さな穴を開け、その小さな穴に光を通すことで簡単なカメラ・オブスクラを作れます。これが元祖ピンホールカメラです。暗い部屋の中に、上下逆さまの映像が映し出される・・・まさにマジックのように。

初期のカメラ・オブスクラは大きくて持ち運べないものでした。しかし時が経つにつれて、より小型で持ち運びができるものとなりました。

イギリス、19世紀のビクトリア朝時代には、現代のVRのように、観光地にカメラ・オブスクラの部屋が建設されました。観光客はカメラ・オブスクラの中に入って、内壁に映し出される上下反転した世界を楽しむことができます。今でも体験できるカメラ・オブスクラの記事(英語)をご覧ください。

https//www.atlasobscura.com/lists/camera-obscura-places

最終的にカメラ・オブスクラの画像を、感光材料に定着させる方法を考え出しました。現存する最も古い写真は、1827年にフランスのジョゼフ・ニセフォール・ニエプスが撮影したものです。

Lensbaby Camera Obscura 1/16秒 ISO10000 Sony α7III
Lensbaby Camera Obscura 1/16秒 ISO10000 Sony α7III

なんという変化でしょう。このように科学技術の進化が、芸術に新たな影響を与えました。

レンズベビーの新製品「Obscura」は、私達に写真の原点を体験せさてくれます。既知のピンホールのテクニックを新たな方法で再構築した製品です。

Obscuraには、3種類のピンホールがあり、3つの異なる表現で、ピンホール写真を楽しめます。ゾーンプレートでは、同心円状のリングに囲まれた小さなピンホールがあります。このゾーンプレートが、私が好むピンホールの表現です。ゾーンプレートによるフレアやにじみは見事です。被写体に反射する光によるにじみは、土星のようなカタチとなります。これは、レンズの開口部の形状に起因するものです。

Lensbaby Camera Obscura 1/800秒 ISO160 Sony α7III
Lensbaby Camera Obscura 1/800秒 ISO160 Sony α7III
Lensbaby Camera Obscura 1/8秒 ISO2000 Sony α7III
Lensbaby Camera Obscura 1/8秒 ISO2000 Sony α7III

ピンホールシーブでは、細かなピンホールに囲まれた大きなピンホールがあります。まるで、スイスチーズのような形状だと私は思っています。ピンホールシーズに切り替えると、写真の細部の描写が少し細かくなり、輝きが弱くなります。被写体の反射から星のようなにじみが形成されます。

"You can make a simple camera obscura by creating a small hole in a box and letting the light through that tiny hole. "

- シンプルなカメラ・オブスクラは、ボックスに小さな穴を開け、光を通すだけで成立する -

レンズベビー「Obscura」のピンホールは、伝統的な、シンプルな穴だけのもので、ダヴィンチやケプラーが使っていたものと原理は同じです。ピンホールならではの魔法のようなビンテージな表現で、あらゆる被写体を撮影できます。

Lensbaby Camera Obscura 1/125秒 ISO5000 Sony α7III
Lensbaby Camera Obscura 1/125秒 ISO5000 Sony α7III

レンズベビー「Obscura」の3つの異なる表現ができ、あらゆる被写体で試してみるのはとても楽しいことです。

Lensbaby Camera Obscura 1/80秒 ISO160 Sony α7III
Lensbaby Camera Obscura 1/80秒 ISO160 Sony α7III

レンズベビー「Obscura」はあなた自身の魔法の箱のような、ユニークなレンズです。新たなレンズでどのような芸術が生み出されるか、とても楽しみです。

Learn how the Obscura challenged Jen to step out of her creative comfort zone! 

- ジェンがレンズベビー「Obscura」に挑戦し、クリエイティブに関する「コンフォートゾーン」を抜け出した手法を学びましょう -

あなたがレンズベビーで撮った写真を、インスタグラムで紹介してください。

インスタグラム投稿に#Lensbaby、#ShootExtraordinaryのタグをつけ、仕様レンズを記載してください。

著者 ジェン・ストロングイン

ジェン・ストロングイン
ジェン・ストロングイン

ジェン・ストロングインは、ワシントン州シアトルのサリッシュ海のそばに住むプロのナチュラリスト、教育者、写真家です。彼女は森や海岸をゆっくりと歩き、カメラを手に、大小さまざまな自然の不思議を観察することがもっとも幸せです。彼女の作品は好奇心と不思議さを呼び起こし、観る人にゆっくりと時間をかけて自然界の魔法を観察するように促します。彼女の写真は、シアトル水族館、MASTセンター水族館、サリッシュマガジンで紹介されています。

Instagramhttps://www.instagram.com/jensseattle/
HPhttps://www.jenstronginphotography.com/