風景写真家が見る Lensbaby「Velvet 28」

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アメリカ南西部の砂漠は、絹のようなソフトな光景はまったくありません。トゲトゲした岩場とサボテン、そして強い太陽による風景写真は美しいものの、ノイジーで細々としたデティールとなります。


2020年7月17日に新しく発売されるVelvet28なら、サボテンのトゲや岩場を驚くほどシャープに描写しますが、絞りリングを操作するだけで、ソフトな夢のような世界の表現とすることができます。

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このレンズを初めて使用した時、シャープな風景写真ではなく「ボヤけた」イメージが必要なわけがわかりませんでした。F2.5からF4の絞り値で撮影した場合、ピントが合っていないように見えました。F5.6よりも絞りを絞り込んだ場合にシャープで風景写真に求められるような写真が得られるように思いました。振り返って、絞りを開けた時の写真を見てみると、実際には写真上には「シャープな線と岩のパリッとした表情」が映し出されているのですが、しかし、Velvet28のレンズの効果で、砂漠の厳しさが和らげられるように描かれました。


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「何度も撮影した風景を新しい手法で撮り始める」


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絞りを開けた状態でピントを合わせるのは困難で、絞りをF5.6にセットする必要があります。しかしピントリングの∞マークの位置はかなり正確で、風景撮影や星景撮影ではあてになります。Velvet28を使い慣れたことで、今までさんざん撮った風景を新たに表現する方法や、撮影後にPCで調整しないと表現できなかったような写真の表現をVelvet28で表現する新しい方法も見つけ始めました。


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このレンズを受け取ってから、いつもカメラに付けて持ち歩いています。このレンズはシャープな風景写真も、ドリーミーな絵画調の写真も撮ることができ、信じられないほど多彩です。マクロ撮影で、2インチ(レンズ先端から約5cm)離れたサボテンの針にピント合わせをする場合も、200万光年離れた星を撮るときでも、シャープにもソフトにも表現でき、このレンズは多くの風景写真家の要求に応えるレンズです。


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撮影・執筆者: Rico Del Sesto