ぐるぐるボケを見せるか見せないか、ユニークな表現ができる Lensbaby Twist28
レンズベビーの製品の中で、ツイストの名前のつくレンズは、画面中心の被写体をシャープに保ちながら、画面周辺部は渦巻くボケが現れる、いわゆる「ぐるぐるボケ」のレンズです。
Lensbaby Twist28は、ミラーレスカメラ専用に設計された、広角28ミリのレンズで、絞りはF3.5の固定絞りです。金属製の固定鏡筒は厚さ38.5mm、140グラム(Eマウントの場合)。コンパクトで軽量なので、気軽に持ち歩けます。ピント合わせはマニュアルフォーカスです。レンズに電子接点はありません。フィルターの取付けはできません。
ソニーEマウント、フジフイルムXマウント、マイクロ4/3のミラーレスカメラの3マウントをラインナップしています。
ツイストは現在60ミリと、28ミリがあります。28ミリは広角なので、背景に映り込む範囲が広くなりますが、普通のレンズと違い、周囲のぐるぐるボケによって、中心に視線を誘導する効果や、周囲のボケによって躍動感や奥行き感が出たりしますので、割とラフに撮影しても、一味違う、雰囲気のある写真になります。
作例1
遠景を撮ってみました。中央部分のみにピントが合います。ツイスト28は焦点距離28ミリで、F3.5固定です。通常 28ミリのレンズで遠景だと、割と全体にピントが合いやすいですが、ツイスト28の場合は画面周囲がかなりボケます。また、フルサイズで撮影すると周辺光量落ちが強く出ます。
作例2
手前に植え込みや枝がある構図で、遠くにある船にピントを合わせてみました。手前にあるものは外へ向かって広がるようなボケ味になります。
作例3
地面に出ていた福寿草を撮影しました。ほぼ、最短撮影距離で撮影しています。最短撮影距離は、レンズ先端から20cmです。ピントを合わせた花より奥にある花は、ぐるぐるとしたボケになりました。
作例4
1センチの方眼のA4サイズの上を最短撮影距離で撮影してみました。中心でピントを合わせました。A4の紙がほぼ画面いっぱいになり、少し画面からはみ出しました。最大撮影倍率は1:7(フルサイズで約0.14倍)です。写真1と同様、周辺光量落ちがわかると思います。周囲はかなりの歪みがあります。そして、同一距離でも周囲はピンボケになりました。(※厳密に垂直水平は出ていません)
青のラインはAPS-Cサイズのセンサーの範囲、赤のラインはマイクロフォーサーズのラインです。それぞれ範囲内が写りますので、周囲の特徴は少なくなります。フルサイズでクロップした場合も、青のライン内になります。
作例5
鍵がたくさんつけてある場所で、最短撮影距離に近い距離で、上から下に向けて撮影しています。中央にしかピントは合わないので、視線を主役に誘導する効果が期待できます。
作例6
28ミリの広角レンズなので、被写体に近づいても、周囲は比較的広い範囲が写ります。背景をどのように入れていくかを考えるのが広角レンズの楽しいところです。
作例7
強いツイスト効果を得るためには、ポートレートなどでは、メインの被写体は2.5メートルより近くに配置し、背景はその被写体からさらに2メートル以上離すような条件を探しましょう。
背景はシンプルなものではなく、模様のある壁や葉が茂った木々などを選ぶとぐるぐるしているのがわかりやすいと思います。
作例8
レンガの壁を背景に入れましたが、ぐるぐる感がわかりやすく出ていると思います。花々が割と密に植えてある場所でしたが、ツイスト28のボケ具合と、グルグルボケの相乗効果で絵画のような印象になりました。
作例9
ピントをきちっと合わせるには、被写体は画面中心にと置きます。この写真で見ると、顔部分はほぼシャープにピントが合っていますが、耳あたり、体部分は、独特のボケの中に入っています。ピント合わせはマニュアルフォーカス(MF)なので、カメラのピーキング機能を使うと合わせやすいと思います。
作例10
犬の背景にある花々はかなりのぐるぐる感が出ていますが、ピントを合わせたところから手前にあるボケは、レンズベビースイートっぽい、外に向かう放射状のボケになります。画面の中に、前ボケと後ろボケを混在させると、不思議感が強まるかも。
作例11
少し広めの景色を撮ると、周囲のボケ量がかなりあることがわかります。絵柄によって似合う、似合わないがあると思いました。絞りはF3.5固定なのでこの周囲のボケ感、ボケ量の調整はできません。
作例12
人物にはピントを合わせずに、ODAIBAのAIあたりにピントを合わせています。普通のレンズですと、ODAIBAの文字は同距離なので全部にピントが合うはずですが、中央のみピントが合いました。
作例13
広い風景をそのまま撮るだけでも、ツイスト28で撮れば、周囲のふんわり感によって、絵本の1ページのような雰囲気になります。中心にポイントを作ってあげると、より素敵な感じになります。
作例14
Twist28は中央にしかピントが合わないので、構図はまずは日の丸構図で撮影し、その構図では嫌な場合には、撮影後にトリミングをするといいです。この写真も、初めは犬の目を中心に撮影していますが、後で、犬を中心から外すようなトリミングをしています。
作例15
この写真も、太い幹にかかる藤の花の先端を中心にして構図を作り撮影していますが、そうすると土の部分が多くなるので、最終的にトリミングで土部分をかなりカットして変形の構図を作りました。
Lensbaby Twist28は、他のレンズベビー製品と同様、かなり個性的なレンズです。このレンズらしさを全面に出すように撮影し、ツイストらしさを楽しむのが王道の使い方。逆に、「なんとなく普通のレンズと違うかな?」というような描写にとどめる使い方をするのもオシャレです。
Lensbaby Twist28を使いこなし、あなただけの物語を作り出してください。
この記事で紹介された製品

川合 麻紀(かわいまき)
彩り写真家。色彩や配色にこだわった花写真やキラキラなイルミネーションをメインに作品作りをしている。多重、ブレやぼけなどを生かした表現なども得意。
作品作りに並行して、企業や行政機関などの広報用撮影なども行なっている。
写真展多数
キヤノンマーケティングジャパン株式会社EOS学園講師、その他撮影会指導。
フォトコンテスト審査(国際文化カレッジ総合写真展、カメラのキタムラフォトコンテスト)、企業会報誌、カメラ雑誌、WEBへの原稿執筆
ガーデンネックレス横浜 里山ガーデンオフィシャルフォトグラファー
テレビ出演(NHK教育、NHK BS、TBS)
公益社団法人 日本写真協会、公益社団法人 日本写真家協会会員

