アイルランド紀行Firin20mmのルーツを巡る - 第4章

アイルランド紀行Firin20mmのルーツを巡る - 第4章
小河俊哉

小河俊哉(おがわとしや)

東京都出身。
自動車整備士、カースタントマンなどを経てフリーフォトグラファーとなる。自然、風景、クルマ写真などを専門とし雑誌、クラッシックカーイベントなどで活躍。 現在、作品集作成のため精力的に国内外で撮影中。

第4章 ナイトロケ

今回はナイトロケを滞在期間中結構な日数行いました。3日に一度以上2日に一度未満という感じです。ナイトロケを行う日は当然宿を取らないので、宿代は節約できるのですが夜間はずっと空とにらめっこになるので体を休めることができません。ですので、翌日は結構体が辛くなります。今回は、残念ながら完全無欠の夜空とは対面できず星空の画が少なくなってしまいましたが、それでも雲の隙間を狙って撮影したしました。

まず一枚目

焦点距離:20mm F値:2.0 シャッタースピード:13.0 ISO:3200

この日は雲が多くこの一枚のみをOKカットにしました。街も近くにあり街明かりが入ってくることもわかっていましたので、ひとまず肩慣らしとして撮影しました。真っ暗な中で撮影しても湖面の反射がしっかりと撮像素子に送られていることが分かります。FíRIN 20mmの「透かしの良さ」が再確認できました。

5月のアイルランドの気温なのですが、夜になると結構冷えてきます。日中は晴れていれば12~15度くらいまで上がるのですが、夜間は7度8度まで下がってきます。今回撮影した場所の中では3度まで下がることもありました。念のためと思って持って行ったダウンジャケットとオーバーパンツ、ネックウォーマーが役に立つことになりました。この時ばかりは、持っていって良かったとおもいました。備えあれば憂いなしです。

次の写真です

焦点距離:20mm F値:2.0 シャッタースピード:13.0 ISO:3200

この日も薄雲が出続け、ようやく雲が切れたのは夜明け前。狙いとしては、このひび割れた大地の向こうに満天の星空と天の川が見えるというのが狙いでしたので、この場所から天の川が上がってくるのを待っていたのですが、残念ながら天の川が上がってくるころはご覧のとおりの曇り状態。

焦点距離:20mm F値:2.0 シャッタースピード:13.0 ISO:3200

方角を変えて撮影してみたものの、街明かりが入るためこれ以上右に振ることができず構図的に中途半端なため両方NGとしました。この場所はいつかまたチャレンジしたいと思います。

次のナイトロケは、一晩中空が厚い曇に覆われ、夜明け前には雨が降り出してしまい全くの空振りとなってしまいました。その次のナイトロケも、昼間は晴れるのですが、夜になると一晩中厚い雲が空を覆いやはり空振り。空振りが続くと精神的に追い詰められていきます。そんなにしょっちゅう来ることはできないアイルランドです、「何とかしなくては・・・」と気は焦るのですが、なかなか結果に結びつきません。

あせり始めたころようやく及第点の一枚が撮れることに。

焦点距離:20mm F値:2.0 シャッタースピード:13.0 ISO:3200

天の川の位置が少し高いですが、灯台の明かりの場所を加味すると仕方なし。アンドロメダもしっかり見えているのでいいでしょう!うん、ようやくOKに出来るカットが撮れました。

続いては、プロフォトグラファーがお勧めするナイトロケのアイテム

スターリーナイト

 
スターリーナイトなしスターリーナイトあり

星空撮影にはこのスターリーナイトフィルターが僕としては、かなりお勧めです。街明かりの、特にミックス光を綺麗に抑えてくれるのと同時に、コントラストも上がるので天の川がよりハッキリします。FíRIN 20mmとの組み合わせですが、FíRIN 20mmは基礎体力(そもそもの解像とコントラストの高さ)が高く、またF2と明るいレンズであるため、より一層効果的なようでした。

LUME CUBE AIR

街明かりによる色カブリを抑える光害カットフィルター。星景・夜景撮影に最適。

スターリーナイト

製品情報を見る

スターリーナイトフィルターは、街明かりが入ってしまうことの多い日本の夜空でも「くっきりとした星空」を撮ろうと思った場合必須のアイテムともいえます。最後は、商品のご紹介みたいになってしまいましたが、アイルランドの夜にも使ってみて、掛け値なしに良いアイテムだと思いました。