軽やかに持ち出せる、F2.8通しの望遠ズーム by 幡あさみ

軽やかに持ち出せる、F2.8通しの望遠ズーム by 幡あさみ

望遠ズームは好きです。離れた被写体を引き寄せたり、背景を大きくぼかしたり、肉眼で見た景色とは違う表現ができるからです。

一方で、大きさや重さを考えると、持ち出す日が限られてしまうこともありました。

SAMYANG AF 60-180mm F2.8 FEを初めて手にしたとき、思わず「軽い!」と声が出ました。ズーム全域でF2.8の明るさを備えながら、質量は約730g。この軽さなら、特別な撮影の日だけでなく、街歩きや旅行にも気軽に持ち出せそうです。

焦点距離は60mmから180mm。60mmでは周囲の雰囲気を残しながら自然に切り取り、180mmでは離れた被写体をぐっと引き寄せられます。大きな背景ボケや望遠ならではの圧縮感を活かし、被写体を印象的に見せられる焦点域です。

ズーム全域で明るさがF2.8に保たれるため、焦点距離を変えても露出が変わりにくく、撮影の流れを止めずに構図を探せます。

SONY α7 IVに装着したときのバランスもよく、ファインダーをのぞきながらズームリングを動かし、被写体や背景に合わせて画角を調整しやすいと感じました。

AFも動きのある被写体にしっかり反応してくれる印象です。表情や仕草が一瞬で変わる子どもの撮影でも、撮りたい瞬間に集中できる安心感がありました。

Schneider-Kreuznach(シュナイダー・クロイツナッハ)とLK SAMYANGの共同開発シリーズならではの、クリアで抜けのよい描写も魅力です。色の境界がすっきりとしていて、花や緑、光のある場面を気持ちよく写してくれます。

AF 14-24mm F2.8 FE、AF 24-60mm F2.8 FEに続いてAF 60-180mm F2.8 FEが加わり、3本のレンズで14mmから180mmまでをカバーできるようになりました。

望遠ズームを使いたいけれど、重さを理由に持ち出すことをためらっていた人にも、望遠表現を身近にしてくれる一本だと思います。

作例1

Sony α7 IV / 180mm / F2.8 / 1/500 / ISO250 / WB:オート

180mm、F2.8で撮影することで背景が大きくぼけ、被写体が自然に浮かび上がりました。木漏れ日の光がやわらかな玉ボケとなり、横顔を印象的に引き立てています。

作例2

Sony α7 IV / 61mm / F2.8 / 1/3200 / ISO100 / WB:オート

SAMYANGのレンズが描く青は、私が好きな描写のひとつです。このレンズでも青空がすっきりと写り、ひまわりの黄色との爽やかなコントラストを残すことができました。

作例3

Sony α7 IV / 180mm / F2.8 / 1/1000 / ISO100 / WB:オート

180mmの圧縮効果によって、前後に広がるひまわりが重なり合い、一面の花に包まれているような密度感が生まれました。広い花畑の中から余計なものを省き、被写体と花の世界に視線を集められます。

作例4

Sony α7 IV / 60mm / F10 / 1/10 / ISO100 / WB:オート

60mmは、周囲の様子を残しながら気になった被写体を自然に切り取れる画角です。ここでは低速シャッターを使い、建物の静けさと、通り過ぎる人物の動きを一枚の中に残しました。

作例5

Sony α7 IV / 180mm / F2.8 / 1/500 / ISO100 / WB:オート

望遠ズームでありながら、小さな花をここまで大きく捉えられることに驚きました。花びらや細い茎、その周囲に張られた蜘蛛の糸まで丁寧に描写されています。背景を大きくぼかしながら、小さな被写体を印象的に見せられるのも、このレンズの楽しさです。

作例6

Sony α7 IV / 106mm / F2.8 / 1/400 / ISO250 / WB:オート

くるくると回る子どもの動きにもAFが反応し、スカートが広がる瞬間を残すことができました。少し離れた場所から見守るように撮れるため、動きを止めずに自然な仕草を狙えます。

作例7

Sony α7 IV / 60mm / F22 / 1/200 / ISO100 / WB:オート

絞りをf/22まで絞り、木々の間から差し込む光を撮影しました。9枚の絞り羽根によって生まれる18本の光芒が、枝や葉の広がりの中で印象的なアクセントになっています。

作例8

Sony α7 IV / 180mm / F2.8 / 1/400 / ISO500 / WB:オート

逆光の中で、シャボン玉を吹く瞬間を180mmで撮影しました。シャボン玉に反射する光や空中に舞う細かな水滴まで写り、画面全体に幻想的な空気が広がりました。

作例9

Sony α7 IV / 60mm / F2.8 / 1/160 / ISO320 / WB:オート

遠くの東京スカイツリーを引き寄せながら、橋や川、周囲の街並みまで一緒に収めました。淡い青からピンクへと移り変わる夕空も、やわらかな階調で残しています。

作例10

Sony α7 IV / 180mm / F2.8 / 1/200 / ISO100 / WB:オート

少し離れた場所から180mmで切り取ると、通りの奥に点在する看板が重なり合い、普段歩いているときとは違う街の表情が見えてきました。離れた場所にある要素同士を一枚の画面に重ねられることも、望遠レンズならではの面白さです。

まとめ

SAMYANG AF 60-180mm F2.8 FEは、望遠表現をもっと気軽に楽しみたい人にぴったりの一本です。約730gの軽さ、ズーム全域F2.8の明るさ、望遠ならではのボケと圧縮感。人物や花、風景、街のスナップまで、「もう少し引き寄せたい」「背景をきれいに整理したい」と思う場面で、頼もしく応えてくれます。

AF 14-24mm F2.8 FE、AF 24-60mm F2.8 FEと組み合わせれば、3本のズームレンズで14mmから180mmまでをカバーできます。撮影する場所や被写体に合わせて、広角から望遠までを軽やかに使い分けられるシステムです。

「今日は望遠も持っていこう」と自然に思わせてくれる。

AF 60-180mm F2.8 FEは、これまで望遠ズームを持ち出すことをためらっていた人にも、望遠の楽しさを身近にしてくれるレンズだと思います。

この記事で紹介された製品

SAMYANG AF 60-180mm F2.8 FE

SAMYANG AF 60-180mm F2.8 FE

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幡 あさみ

幡 あさみ

東京都在住。幼い頃からデザインや表現に親しみ、写真と出会ってその奥深さに魅了される。現在は家族写真やポートレートを中心に、光の描写や空気感、その瞬間らしさを大切に撮影。レタッチ表現も取り入れながら、見る人の心に残る一枚を目指している。Photoshop講座やママ向けの写真講座など、講師活動も行う。サムヤンガールズ2026としても活躍中。