サムヤンAF75mm F1.8Xの魅力 by 関一也
関 一也(せきかずや)
日本写真家協会正会員(JPS)写真家 礒村浩一氏に師事。星景ポートレートの第一人者。
カメラ関係の写真や動画のセミナーの講演、カメラ雑誌などの執筆・寄稿、TV関連の動画撮影なども行う。カメラ関連のメーカー作例など撮影。WPC2017 ウェディング部門日本代表。
【著書】
・ポートレートRAW現像入門(玄光社)
・フォトグラファーのためのポートレートポージング入門(玄光社)
・風景RAW現象入門(玄光社)
Adobe LightroomやPhotoshopを使用した現象レタッチサロン
「セキの沼『写研部』」運営
サムヤンから富士フィルムXシリーズユーザーのためのAF75mm F1.8Xが登場。 APS-Cセンサーとの組み合わせでは75mmレンズはフルサイズ換算112.5mm相当の中望遠レンズとなる。
このレンズの最大の特徴はコンパクトさにある。
AF75mmF1.8Xは全長69.3mm、重量257gと軽量となっている。
望遠オートフォーカスレンズの中では最も小さくて軽く、携帯性を最大化しているため気軽に中望遠画角の撮影が楽しめる。
レンズには触り心地の良いマイクロパターンのゴム性フォーカスリング、マット仕上げ、レッドリングデザインを採用している。さらに計5カ所にウェザーシーリングを採用されており、小雨・雪・ほこりなどからレンズを守られるので環境を選ばず使えるのも魅力のひとつだ。
カスタムスイッチには「プリセット絞り機能」が搭載されており、カスタムスイッチモード2を利用することでスムーズに絞りを変えることができるので動画撮影中でも露出に違和感なくスムーズに絞り込むことができる。
また、サムヤン独自のウルトラマルチコーティング(UMC)により、逆光撮影時でも高井解像力と鮮明度を実現している。
FUJIFILM X-H2 マニュアル(F1.8、1/8000秒、ISO125) WB:太陽光、フィルムシュミレーションCLASSIC CHROME実際、撮影してフレアやゴーストがでるようにわざとフードを外し、絶対でそうな画角を太陽に向けて探してみたが、ゴーストに関してはごく僅か、フレアに関しては全体的に優しく包み込むような自然で綺麗な雰囲気となった。ポートレートにおいては積極的に利用したくなるほど良い感じだった。
ほぼ周辺減光がないのでそのままでも気持ちいい。
FUJIFILM X-H2 マニュアル(F1.8、1/3200秒、ISO125) WB:太陽光、フィルムシュミレーションCLASSIC CHROMEFUJIFILM X-H2 マニュアル(F1.8、1/125秒、ISO320) WB:太陽光、フィルムシュミレーションCLASSIC CHROME、モデル:MANA
FUJIFILM X-H2 マニュアル(F1.8、1/160秒、ISO200) WB:太陽光、フィルムシュミレーションCLASSIC CHROME、モデル:MANA
AF75mmF1.8Xは浅い被写界深度で被写体を際立たせられる。
複雑な背景の中でも被写体の存在感を立体的に魅せたい時に役立つ。9枚絞りの羽根から作り出す柔らかいボケは重なり合ってもうるさくなく綺麗だ。
FUJIFILM X-H2 マニュアル(F1.8、1/80秒、ISO800) WB:4219K、フィルムシュミレーションCLASSIC CHROME、モデル:MANA
AFは素早く正確に合うので複雑な環境でも合いやすかった。
FUJIFILM X-H2 マニュアル(F8、1/200秒、ISO400) WB:太陽光、フィルムシュミレーションCLASSIC CHROME
FUJIFILM X-H2 マニュアル(F8、1/60秒、ISO125) WB:4600K、フィルムシュミレーションPROVIA
F8まで絞ると隅々まで解像するので風景など様々な用途でも活躍する。
FUJIFILM X-H2 マニュアル(F1.8、1/320秒、ISO400) WB:太陽光、フィルムシュミレーションCLASSIC CHROME、モデル:MANA
FUJIFILM X-H2 マニュアル(F1.8、1/160秒、ISO125) WB:太陽光、フィルムシュミレーションCLASSIC CHROME、モデル:MANA
コントラストが高く、しっとりとした質感が素晴らしい。
レンズ最短0.69m
FUJIFILM X-H2 マニュアル(F1.8、1/4000秒、ISO125) WB:太陽光、 フィルムシュミレーションCLASSIC CHROME
総評
はじめて触れた時の感想としてはこんなにコンパクトでフルサイズ換算112.5mm相当の絵が撮れてしまうのか...という驚きだった。 純正には56mmF1.2R WRという画角があるが、それ以上となると200mmF2R LM OIS WRとかなり大きいレンズしか選択肢がない。その点においてもアドバンテージが大きい。 私自身としては小さく軽いのでXシリーズに合わせて使っているカメラバックにも丁度よくストレスがないのが何より嬉しい。
F8まで絞ると隅の解像度も高くなるので風景でも積極的に使いたくなるほど良い。 携帯性があり、中望遠画角特有の圧縮効果とF1.8の明るさを利用したボケと立体感を味わいたい方は、おすすめのレンズだ。
「Samyang」のその他の記事
- ライブ撮影に魅力的な、SAMYANG AF 35-150mm F2-2.8 FE
- サムヤンAF75mm F1.8Xの魅力 by 関一也
- 【実写レビュー】雰囲気を纏いながらも主題をシンプルに浮かび上がらせるSAMYANG AF 75mm F1.8 FE
- 【実写レビュー】素晴らしい描写に美しいボケと、これだけの写りを提供してくれるSAMYANG XP50mmF1.2
- 【実写レビュー】風景だけでなく、室内撮影やスナップ撮影でも面白い「SAMYANG XP 10mm F3.5」
- 【実写レビュー】旅や散歩でのスナップ撮影にぴったりなSAMYANG AF 18mm F2.8 FE
- 【実写レビュー】柔らかみのある描写で独特の写りをするSAMYANG AF 35mm F1.4 FE
- 【実写レビュー】見たままをそのまま切り取っていくSAMYANG AF 45mm F1.8 FE
- 【実写レビュー】美しいボケ味を魅せる SAMYANG AF 85mm F1.4 FE