「撮るために軽くする」という新しい発想 by 関一也

「撮るために軽くする」という新しい発想 by 関一也
ISO400 / 100mm / F4.5 / 1/125

はじめに

F2.8通しの望遠ズームといえば、多くの人が70-200mmを思い浮かべると思います。
描写力は申し分ない反面、1kgを超える重量は長時間の撮影では少なからず負担になります。AF 60-180mm F2.8 FEは、そんな常識を見直すという発想から生まれたレンズです。
焦点距離を60-180mmとすることで、描写性能を維持しながら730gという軽量設計を実現。14-24mm、24-60mmと組み合わせることで、14mmから180mmまでをコンパクトなF2.8通しズーム3本でカバーできるシステムが完成しました。

ISO200 / 82mm / F8 / 1/320

第一印象

最初に感じたのは「本当にF2.8通しなのか」と思うほどの軽さです。
一般的な70-200mm F2.8を使い慣れている人ほど、この重量差は撮影中にはっきりと実感できます。
移動の多いロケやウェディング、風景、旅行撮影では、この機動力がそのまま撮影の自由度につながります。
このレンズ最大の特徴は、一般的な70-200mmではなく、60-180mmという焦点距離を採用していることです。
70mmでは少し狭いと感じる場面でも、60mmなら人物だけでなく背景との関係性まで自然に取り入れられます。
一方、180mmまであれば十分な圧縮効果が得られ、ポートレートやステージ撮影でも不足を感じる場面は多くありません。
「70-200mmの代用品」ではなく、「撮影現場で本当に使いやすい焦点距離」を再設計した一本という印象です。

焦点距離比較

60mm
100mm
135mm
180mm
ISO400 / 81mm / F2.8 / 1/80

描写性能

ズーム全域でF2.8を維持するため、画角を変えても露出変化を気にせず、写真だけでなく動画撮影でも非常に扱いやすいレンズです。
フローティングフォーカス機構を採用することで、近距離から無限遠まで安定した高い描写性能を実現しています。ポートレートだけでなく、動物、商品撮影やテーブルフォトでも安心して使えます。

ISO200 / 180mm / F4 / 1/500
ISO400 / 100mm / F2.8 / 1/320

接写性能

最短撮影距離はワイド端35cm、最大撮影倍率は0.26倍。
望遠ズームでありながらここまで寄れることで、花や料理、小物なども一本で撮影でき、レンズ交換の回数を減らせます。

ISO640 / 60mm / F4.5 / 1/200
ISO400 / 180mm / F11 / 1/100

AF性能

リニアSTMを採用し、静止画では素早く、動画では滑らかなフォーカスを実現。
AF/MFスイッチや防塵防滴設計も備え、ロケ撮影でも安心して使える仕様です。

逆光耐性

強い逆光下でもコントラストが低下しにくく、安心して撮影できました。

ISO200 / 86mm / F2.8 / 1/8000

実際に撮影して感じたこと

実際に使って最も印象的だったのは、そのサイズ感と軽さです。730gという重量は長時間持ち歩いても負担になりにくく、「本当にF2.8通しの望遠ズームなのか」と感じるほどでした。描写性能も十分高く、このサイズによく収めたものだと感心しました。
私自身、中望遠域は普段あまり使う機会の多い焦点距離ではありません。しかし、圧縮効果を活かした表現や、被写体を印象的に切り取る撮影では非常に扱いやすく、望遠ならではの魅力を改めて実感しました。
また、ワイド端35cm・最大撮影倍率0.26倍という高い近接性能も魅力です。スナップ撮影中に小物や料理を撮りたい場面でもレンズ交換の必要がなく、テンポ良く撮影を続けることができました。

ISO200 / 60mm / F5 / 1/2000
ISO200 / 61mm / F10 / 1/40
ISO400 / 100mm / F3.5 / 1/60
ISO200 / 180mm / F4 / 1/15
ISO400 / 60mm / F5.6 / 1/500
ISO400 / 180mm / F2.8 / 1/1250

こんな方におすすめ

  • 70-200mm F2.8は重いと感じている方
  • ウェディングやイベント撮影が多い方
  • ポートレート撮影を楽しみたい方
  • 機材をできるだけ軽量化したい方

まとめ

AF 60-180mm F2.8 FEは、「軽い望遠ズーム」ではなく、撮影者の負担を減らすことを前提に設計された新しいF2.8ズームだと感じました。
730gという軽量ボディ、ズーム全域F2.8、近接撮影性能、そして14-24mm・24-60mmと組み合わせたコンパクトズームシステムという考え方は、長時間撮影を行うフォトグラファーにとって大きな魅力になるでしょう。

モデル:透子 (https://x.com/touko_ao)

この記事で紹介された製品

LK SAMYANG AF 60-180mm F2.8 FE

SAMYANG AF 60-180mm F2.8 FE

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関 一也

関 一也(せきかずや)

日本写真家協会正会員(JPS) 写真家 礒村浩一氏に師事。星景ポートレートの先駆者。
カメラ関係の写真や動画のセミナーの講演、カメラ雑誌などの執筆・寄稿、TV関連の動画撮影なども行う。カメラ関連のメーカー作例など撮影。WPC2017 ウェディング部門日本代表。

【著書】
・ポートレートRAW現像入門(玄光社)
・フォトグラファーのためのポートレートポージング入門(玄光社)
・風景RAW現象入門(玄光社)

Adobe LightroomやPhotoshopを使用した現象レタッチサロン
セキの沼『写研部』」運営