Kenkoテレプラス:レンズの焦点距離を延ばすアイテム
テレプラスとは
「テレプラス」はカメラボディと撮影レンズの中間に装着するだけで、焦点距離を伸ばすことができる便利なテレコンバージョンレンズです。リアコンバージョンレンズ、リアコンバーターなどとも呼ばれます。
使用方法はとても簡単で、レンズとボディの間にテレプラスを装着するだけ。
たったそれだけでレンズの焦点距離を延ばすことができます。
APS-Cカメラ + 焦点距離400mmのレンズ |
APS-Cカメラ + 焦点距離400mmのレンズに2倍テレプラスを装着 |
テレプラスは大変コンパクトな機材です。標準レンズほどの大きさのコンパクトな機材のため、持ち運ぶ機材をあまり増やさずにすみます。そのため下の様な状況で、大変便利です。
- 超望遠レンズを持ち歩くのが困難な時
- 望遠ズームレンズ一本で、より広い範囲での望遠撮影を行いたい時
例えば、80mm~400mmの望遠ズームレンズをお持の場合、倍率2倍のテレプラスを一緒に持っていけば、望遠ズームレンズをそのまま使用した場合に加え、テレプラスを間に挟んでの撮影ができます。
つまり、少ない機材の追加で、撮影できる焦点距離は80mm~800mmとなり、撮影の幅が広がります。
ちなみに、この"レンズ焦点距離を2倍にする"というのが、どの程度の拡大効果かと言いますと、テレプラスなしで撮影した画像を縦横両方の長さを半分にした範囲で、画像を拡大する事と同じ効果です。
1.4倍テレプラスを使用する場合は、縦横両方の長さを2/3にした範囲で拡大する形となります。
デジタル一眼レフが普及し、トリミングによる写真の拡大が容易になりました。
このトリミングと、テレプラスを併用することにより、さらに被写体を大きくする事ができます。
お持ちの望遠レンズが200mmの単焦点レンズ一本だった場合でも、1.4倍のテレプラスと2倍のテレプラスをカメラバッグに入れておけば200mm、280mm、400mmの撮影が可能です。
ただ、撮像素子の中心部で受けていた光を、撮像素子全体へと拡げる形になるため、倍率が上がる分写りは暗くなります。
拡大倍率が1.4倍の場合は露出倍数2倍(1段分)、拡大倍率が2倍の場合は露出倍数が4倍(2段分)暗くなります。
光学式ファインダーを覗いて望遠撮影
テレプラスを使用することは、単により望遠の写真が撮れるというだけにとどまりません。
"撮影時に、光学式ファインダーで拡大された画像が見られる"という点も、テレプラスの大きな魅力だといえるでしょう。
撮影時にファインダーの画が拡大されることがなぜ重要なのでしょうか?
それは、撮影したい最終的な画に近い状態でフレーミングができる事にあります。
ですが、拡大してフレーミングを行い撮影する事は、ライブビューモードでも可能です。
それでもなお、テレプラスを使う意味はあるのでしょうか?
あります。
それは、ライブビュー撮影が、"画像を背面液晶に表示する"という機械の中での情報処理を行うために、実際の被写体の状態と、表示され、目で確認できるようになった状態との間に僅かなタイムラグがあるためです。
このタイムラグ、昨今の機械は情報処理が早く、ほんとうに僅かな物です。
このため静物や、あまり動きのない被写体に対してはまったく問題ありません。
しかしそれでもなお、鳥など動きの速い被写体の動いている瞬間を撮影した時にはどうしても影響を及ぼしてしまいます。
テレプラスを使用して拡大した場合、目で確認できる像はレンズ系によって作られた光学的な像です。
つまり、タイムラグは、ほぼ0なのです。
実際に撮影する際は、他にシャッタータイムラグや、指がシャッターを切るまでの時間など、さまざまな要素があるためなかなか「見たママを撮る」事は難しいのですが、それでもそのズレを生じさせる要素の一つを切り詰めることができます。
これが、飛翔する鳥や、飛行機、あるいはレーシングカーといった被写体を撮影する際に決定的なメリットとなるのです。
Kenkoテレプラスの種類
■50mmレンズを基準設計とし、超広角から対応できる汎用タイプ |
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■300mmを基準焦点距離として設計した望遠レンズ専用タイプ |
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デジタルテレプラスPRO300 1.4X DGX <ニコン用> |
デジタルテレプラスPRO300 2X DGX <ニコン用> |
撮影時の絞り値表示はテレプラスを取り付けた実際の絞り値が表示されます。またデジタルカメラでの撮影では、テレプラスを取り付けた実際の焦点距離、絞り値が撮影データに書き込まれます。
Kenkoテレプラスをマクロ撮影で活用する
既にお持ちの機材で、より拡大した接写を行いたいとお考えの場合、ぜひテレプラスをご使用ください。
被写体を大きく撮る方法は以下の2点。
- 焦点距離の長いレンズを使う。
- できるだけ近づいて撮る。
風景や、野鳥、野生動物など近付く事が難しい被写体もありますが、昆虫、花、小物などは近づいて撮る事が多くなります。その際最大倍率1倍のマクロレンズが撮影の強い味方となるでしょう。
最大倍率1倍のマクロレンズは、最短撮影距離まで接近して撮影した際、1cmの物を撮像素子に1cmで撮影できるレンズの事です。等倍マクロとも表現されます。
しかし、レンズには最短撮影距離というものがあり、その距離よりさらに近づいてもピントを併せる事ができません。
等倍マクロ以上に拡大した接写を行いたいとお考えの場合、ぜひテレプラスをご使用ください。
テレプラスを接写撮影で使うメリットは以下の2点です。
- レンズの焦点距離を伸ばすことが出来る。
- 装着しても最短撮影距離は変わらない。
つまり、等倍マクロレンズに装着した場合、簡単に等倍以上のマクロ撮影を行えるのです。
下にテレプラスを使用した場合の比較画像を掲載していますが、右側の撮影の様子を見ていただくと、レンズの先端から被写体までの距離が変わっていないことがお分かりいただきえるかと思います。
フルサイズデジタル一眼レフ + Tokina AT-X M100 PRO D
撮影の様子 |
フルサイズデジタル一眼レフ + Tokina AT-X M100 PRO D + Kenko デジタルテレプラスPRO300 1.4X DGX
撮影の様子 |
フルサイズデジタル一眼レフ + Tokina AT-X M100 PRO D + Kenko デジタルテレプラスPRO300 2X DGX
撮影の様子 |
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