季節のおすすめフィルター~花火の撮影にオススメのフィルター~
夏の風物詩といえば、花火。 夜空を鮮やかに彩る花火をもっときれいに写したい方におすすめのフィルターと基本的な撮影方法をご紹介いたします。
花火の白飛びを抑え、鮮やかな色を再現 NDフィルター
「夢幻世界」蛭田眞志様 NDフィルター使用
国際フィルターフォトコンテスト2015入選
NDフィルターはレンズに入る光の量を減らす減光フィルターです。花火はとても明るい被写体のため、ISO感度を低くしても露出オーバーになってしまうため、NDフィルターが欠かせません。
フィルター未使用
NDフィルター使用
上の写真を見比べてみてください。フィルター未使用では花火が露出オーバーで白く飛んでいます。NDフィルターを使用すれば、花火のきれいな色をしっかり再現できます。
NDフィルターが必須の理由
絞り値をF22位まで絞り込むことで露出オーバーを抑えることもできますが、絞り過ぎると回折現象(かいせつげんしょう)が起こり画質が低下してしまいます。高解像で色鮮やかに花火を撮るためにはNDフィルターが欠かせません。
花火の基本的な撮影方法
【用意するもの】
カメラ、NDフィルター(ND4かND8)、三脚、レリーズ
※三脚はブレ防止のため、レリーズはバルブ撮影のために必須です。
【撮り方】
①カメラを三脚にセットします。
②カメラの設定は、ISO100かISO200(カメラの最低感度)、絞りF8~11、シャッタースピードはBULB(バルブ)に設定。
③ピントは最初に上がる花火をAF(オートフォーカス)でとらえ、そのままMF(マニュアルフォーカス)に切り換えます。そのあとはピント位置を動かさずに撮ります。
④レンズにNDフィルターを取り付けます。
⑤レリーズを使って、花火が上がってから開花するまでシャッターを開いて撮影します。
撮影した画像を確認して、明るすぎたり暗すぎる場合は、絞り値を変更して撮影します。撮影中に誤ってピントリングを動かしてしまった場合は再度AFにしてピントを合わせます。
ND4使用 撮影:写真家 井上真也
ND4使用 撮影:写真家 井上真也
おすすめNDフィルター
地上風景を活かしたハイレベルな花火写真に ハーフNDフィルター
ハーフNDフィルターはフィルターの半分に減光効果がある角型のフィルターです。花火と街の景色を一緒に画面におさめたい時に、花火の部分にフィルターのグレーの部分がかかるようにすると、露出のバランスを整えることができます。
「天空の滝」由良誠克様 Cokin 121L(ハーフND2ソフト)使用
国際フィルターフォトコンテスト2008-2009入選
上の作品では、大空を埋め尽くす大きな花火にハーフNDフィルターのグレーの部分をあてがうことで、花火の白飛びを抑えながら、屋台のある景色も活かしています。
おすすめハーフNDフィルター
強化ガラスを採用した角型フィルターの最高峰。
Cokin NUANCES EXTREME (ニュアンス・エクストリーム)シリーズ
イチオシの強化ガラス製高性能角型フィルター。角型フィルターには樹脂製とガラス製があり、ガラス製のフィルターは光学性能に優れる一方、落下等で割れるという問題点がありました。「ニュアンス・エクストリーム」は強化ガラスを採用し、誤って床に落としてしまっても簡単に割れないほどの高い耐久性を実現。スタンダードなハーフNDフィルター「GND」に加え、真ん中が最も濃いグラデーションの「リバースGND」、ライン状のNDが入った「センターGND」をラインナップしています。
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スタンダードなハーフND
GND
街の景色も活かしたい時に花火だけを減光します。また花火と水面に写る花火の露出のバランスを整えたい時に使えます。
真ん中が最も濃いハーフND
リバースGND
低い位置で噴出花火が大量に上がるスターマインに。
ライン状のND
センターGND
ナイアガラのような、ライン状の花火の強い光を抑えたい時に。
※花火写真はイメージです。
●サイズ:84mm幅、100mm幅、130mm幅
●濃度:ND4/ND8/ND16 ※センターGNDはND4とND8のみ
※フィルターの取付には別売のフィルターホルダーとアダプターリングが必要です