クロスフィルターの使い方ガイド

クロスフィルターの使い方ガイド

クロスフィルターとは

クロスフィルターは強い点光源から光の線を伸ばして、きらめきを強調するレンズフィルターです。夜景やイルミネーションの他、花火や星、水面の反射や木漏れ日、ジュエリー等の点光源に効果があります。ライブ等のステージやプロモーションビデオの撮影にも使用されます。被写体のキラキラした印象を強く表現したい時に絶大な効果を発揮します。

画像をクリックすると拡大します。

クロスフィルター ラインナップ

クロスの線の本数が4本線、6本線、8本線タイプがあります。またスタンダードなクロスフィルターより線が短い「トゥインクル・スター」シリーズもあります。トゥインクル・スターシリーズはスタンダードなタイプよりもソフト効果がかかります。

タイプ スタンダードタイプ トゥインクル・スターシリーズ
商品名 PRO1D R-クロススクリーン(W)N PRO1D R-スノークロス PRO1D R-サニークロス PRO1D R-トゥインクル・スター(W) PRO1D R-トゥインクル・スター6X(W) PRO1D R-トゥインクル・スター8X(W)
クロスの
線の本数
4本線 6本線 8本線 短めの4本線 短めの6本線 短めの8本線
使用例

※使用例は一例です。光源などの条件によって線の出方は変わります。

使い方のポイント

1. 点光源を画面に入れる

クロス効果は丸い光 (点光源)でないと現れません。 蛍光灯のような光源には向いていません。光源の強さや光源からの距離により、クロス効果の出方は異なります。

cross_guide_t1_1.jpgフィルター未使用
cross_guide_t1_2.jpgクロスフィルター使用

2. 暗いほど効果が強くなる

背景が暗い方がクロスの線がはっきり写ります。昼間の明るい時間帯だとクロスの線は控えめに現れ、日が落ちて暗くなるほど線がはっきり現れます。夜景やイルミネーション、手持ち花火を撮る時は、真っ暗になってから撮るより、日没後の空に青さが残るブルーモーメントでの撮影がおすすめです。明るい時間帯はスタンダードなクロスフィルター(クロススクリーン、スノークロス、サニークロス)、強い光源が密集したイルミネーションは線が短いトゥインクル・スターシリーズがおすすめです。

cross_guide_t2_1.jpg明るいとクロス効果は控えめ
cross_guide_t2_2.jpg暗いとクロス効果が強くなる

3. クロスの角度を調整

クロスフィルターは回転式の枠になっており、回転枠(前枠)を回すことで、クロスの角度を変えて撮影することができます。ファインダーや液晶モニターでクロスの角度を確認しながら撮影しましょう。動画撮影の場合は回転させて動きをつけることもできます。

cross_guide_t3_1.jpgトゥインクル・スター6X使用
cross_guide_t3_2.jpg角度を変えて撮影

4. 焦点距離と絞り

クロスフィルターは、広角レンズで絞りを絞って撮ると、クロスの線が途切れてしまう場合があります。また広角では線が歪んで写る場合があるため、標準以上の焦点距離、開放近くの絞りがおすすめです。

cross_guide_t4_1.jpg絞り:F5.6 ※写真の一部をトリミング
cross_guide_t4_2.jpg絞り:F11 不自然に線が途切れている部分があります

5. 露出補正

露出補正を+側に明るく補正すると、よりキラキラした印象になります。夜景は明るい部分と暗い部分の差が大きいので、白飛びや黒つぶれが気になる場合があります。カメラ本体の設定で明暗差を補正する機能があれば活用するとよいでしょう。また撮影後にパソコンやスマホでレタッチをする場合は、シャドウを上げてハイライトを下げると明暗差を抑えることができます。

cross_guide_t5_1.jpg露出補正なし
cross_guide_t5_2.jpg露出補正+2

6. ピントが合いにくいときはMFに

通常はオートフォーカスがでピントが合いますが、ピントが合いにくい時はマニュアルフォーカスに切り替えてピント合わせをしてください。

7. イルミネーション撮影時はフリッカー現象に注意

イルミネーション撮影時はシャッター速度に注意が必要です。LEDは目に見えない速さで点滅しているため、シャッター速度が速いと画像に明るい部分と暗い部分ができて縞模様に写ってしまいます(フリッカー現象)。カメラにフリッカー低減の設定がある場合は設定をすると低減できます。フリッカーを抑えつつ、手持ちでブレないシャッター速度で撮るには、周波数が50Hzの東日本では1/100秒か1/50秒、60Hzの西日本では1/125秒(1/120秒)か1/60秒にシャッター速度を設定するとよいでしょう。

cross_guide_t7_1.jpgヨコ位置の場合ヨコ線が入る
cross_guide_t7_2.jpgタテ位置の場合タテ線が入る

8. 玉ボケに網目状のパターン

クロス効果を出すためにフィルターガラスに施した網目状のパターンが玉ボケ部分などに写り込む場合があります。あえて模様として活かしても面白いかもしれません。

cross_guide_t8_1.jpgトゥインクル・スター8Xのガラス表面のパターン
cross_guide_t8_2.jpgトゥインクル・スター8Xを使用した時の玉ボケの例

9. ソフトフィルターと重ねて幻想的に

「ブラックミスト」など、光を拡散するソフトフィルターと重ねて使用すれば、さらに幻想的になります。

cross_guide_t9_1.jpgトゥインクル・スター8X使用
cross_guide_t9_2.jpgトゥインクル・スター8X+ブラックミストNo.1使用

クロスフィルターできらめく世界を

クロスフィルターは光のきらめきを強調し、写真や動画を印象的にします。被写体を引き立てるアクセントとして、時にはこれといった被写体が無くても光そのものを主役にします。クロスフィルターをレンズに付けて、ファインダーや液晶モニターに映し出されるキラキラした世界をお楽しみください。

cross_guide_s7.jpg

▶ クロスフィルターのラインナップを見る