宙(そら)を見よう!2022年7月〜9月までの主な天文現象

宙(そら)を見よう!2022年7月〜9月までの主な天文現象
夏の天の川を見てみよう

こと座のベガ、白鳥座のデネブ、わし座のアルタイルで作られる夏の大三角。 空の暗いところでは、そこから南に下がっていくと、何やらもやもやと天の川が濃くなってくるのが見えるはず。この辺りは銀河系の中心方向で、多くの星雲や星団が集まり、低倍率の望遠鏡や双眼鏡でも楽しめます。

M23、M24、M25
いて座の天の川の中にある散開星団でどれも双眼鏡でよく見えます。
M20三裂星雲
赤い星雲が3つに裂けて見えるため、三裂星雲と呼ばれています。M8干潟星雲のすぐ北に位置しています。口径10cmの望遠鏡では淡い星雲の中に暗黒帯がかすかに見える程度ですが、20cm以上の望遠鏡では星雲を切り裂く暗黒帯が見えます。
M8干潟星雲
明るく輝く散光星雲の手前に南北に横切る暗黒星雲があり、その姿が干潟に似ているため干潟星雲と呼ばれています。双眼鏡でも散開星団と重なったぼんやりした星雲であることが分かります。
M17オメガ星雲
星雲がギリシャ文字のΩ(オメガ)のようなループ状に見えるため、オメガ星雲と呼ばれています。南中時に望遠鏡の倒立像で見ると水面に浮いた白鳥のような形にも見える散光星雲です。
M18
M17の下、M24の上にある星の数が少ない散開星団。双眼鏡や小口径低倍率の天体望遠鏡で見ることができます。
M21
M20のすぐ北にある小さな散開星団です。暗い星が多いので目立ちませんが、M20と同一視野で見ることができるため見つけやすいです。

2022年7月〜9月の主な天文現象

  • 7月6日月面Xが見られる

    7月6日18時10分頃~月面Xが観測できるでしょう。月面Xとは上弦の月の頃、月の明暗の境の地形に「X」の文字が浮かび上がる現象をいいます。プランキヌス、ラカイユ、プールバッハという3つのクレーター壁によってできた地形で月面の暗いところに浮かび上がって見えます。継続時間が1時間程度と短く条件が揃ったときにしか見えません。今年は後3回チャンスがありますが、2023年は一度も観測できないのでこのチャンスに見てみよう!

    【2022年月面Xが見頃の日】

    ・7月6日18時10分頃 ~
    ・9月3日16時45分頃 ~
    ・11月1日16時50分頃 ~
    ・12月30日20時00分頃 ~ (今年一番の好条件)
    ※上記時間から約1時間くらい
  • 7月14日スーパームーン

    7月14日の満月は視直径33.4′(距離35.742万㎞)で、2022年で最も大きく見える満月となります。1月18日の満月は視直径29.8′(距離40.102万㎞)で、2022年で最も小さな満月でしたので、見た目の大きさがかなり変わります。スーパームーンとは天文用語ではなく、占星術等でその年最も大きく見える満月を指すようです。

  • 7月21日~22日火星食

    下弦過ぎの月が、日付が変わる直前に東の地平線から出ます。ちょうどその月出の頃に、月が火星を隠す「火星食」が見られます。北海道・東北地方では全過程が見られますが、関東以西では月が出た頃には火星は月に隠れています。九州・沖縄地方では見ることができません。日本で夜間に見られるのは1987年2月3日以来で、次回見られるのは2042年3月4日です。この機会にぜひご覧ください。

  • 7月30日/8月2日みずがめ座δ南流星群極大/やぎ座α流星群極大

    7月30日みずがめ座δ南流星群は、極大を迎えると予想されています。空の暗いところでは極大時で1時間に10個ほど見ることができます。極大の前後合わせて2日間くらいは多く観測できるでしょう。8月2日は、やぎ座α流星群が極大を迎えると予想されています。毎年出現数は少ないものの、コンスタントに出現してくれる流星群です。速度が遅くゆっくりとした流れ星が特長で、時折火球と言われる明るい流れ星が出現することがあります。この時期は、ペルセウス座流星群も活動していますので、いろいろな方向からの流れ星を楽しむことができます。13日はペルセウス座流星群が極大となりますが、満月が邪魔をして流れ星は見えにくいため、月のないうちに楽しんでおきましょう。

  • 8月1日~7日スターウイーク

    毎年8月1日~7日は、星空に親しむ週間として「スターウイーク」と呼ばれています。8月の最初の一週間は梅雨もすっかり明けて晴れることが期待できます。この期間に星空を楽しんでは如何でしょうか。

  • 8月4日伝統的七夕

    明治6年に暦が変わり現在の『太陽暦』となりましたが、それまでは『太陰太陽暦』が使われていました。伝統的七夕とはそれまで行われていた日の七夕を指す日で、『太陰太陽暦の7月7日に相当する日』となります。この日は月齢6の月があり、この月が天の川の渡し船に見立てられていました。7月7日であればほとんどの地方は梅雨の真っ最中ですからこちらの方が七夕にはふさわしいかもしれません。 (太陽太陰暦で二十四節気の処暑の直前の新月を7月1日と定めています。七夕はそこから6日後の7月7日となります。)

  • 8月13日ペルセウス座流星群極大

    三大流星群の1つ「ペルセウス座流星群」が13日11時頃極大になると予想されています。今年は極大が昼間ということと月齢15の満月がみずがめ座にあり、夜空を一晩中照らし続けるため条件は最悪です。月明かりに負けないような火球も出現しますので、晴れていれば空を見上げてください。

  • 8月15日土星が衝

    土星がやぎ座で、「衝」となります。「衝」とは外惑星がもっとも地球に近づき、明るくなる時期です。(光度0.3等)。土星の環はそろそろ閉じてきていますが、まだ小口径の望遠鏡でもはっきりと存在がわかります。絶好の観望時期となりますので、シーイングの良い日を選んで観察してみてください。

  • 9月10日中秋の名月

    旧暦の8月15日の月を「中秋の名月」と呼んでいますが、今年の中秋の名月は9月10日です。中秋の名月は必ずしも満月とは限りませんが、今年は去年に続き満月となりますので、まんまるのお月様でお月見ができます。

  • 9月27日木星が衝

    木星がうお座で「衝」となります。「衝」とは外惑星がもっとも地球に近づき、明るくなる時期です( 光度-2.8等)。南中高度が年ごとに高くなっておりシーイングの影響も少ないので、口径の小さな望遠鏡でも表面の縞模様が見やすくなってきています。木星は約10 時間で自転しているので、時間をおいて見ると模様の変化がわかるでしょう。また、4つの大きな衛星(月)があり、毎日位置が変化しますのでその様子を観測しましょう。絶好の観望時期となりますので、シーイングの良い日を選んで観察してみてください。

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