2020年の天文情報

2020年の天文情報

今年は惑星と流星群の当たり年です。
10月には、火星が「準大接近」と大きく見やすくなります。
また木星と土星も20年ぶりに接近し、年末には望遠鏡で見ても同一視野に入るほど大接近します。
3大流星群と言われている『しぶんぎ座流星群』『ペルセウス座流星群』『ふたご座流星群』も揃ってまずまずの月のめぐりですし、次いで出現数の多い『オリオン座流星群』『しし座流星群』もなかなかの好条件となります。 皆さん観測して見てください。

2020年1月の主な天文現象

  • 1月4日しぶんぎ座流星群が極大

    今年の極大は4日18時頃と予想されています。3大流星群の一つで出現数も期待できます。極大時の月齢が9.0と上限を過ぎた月がありますが、この群は明け方に多く出現しますので、4日未明の月が沈んでから夜明けくらいまでが観測の好機となります。放射点はりゅう座ι星付近で、北極星とアークトゥールスの間くらいになります。空の状態が良ければ1時間に50個くらいの出現が見られるかもしれません。

  • 1月11日289Pブランペイン彗星が地球に接近

    ブランペイン彗星が地球に0.091天文単位(1天文単位は太陽と地球の平均距離)まで接近します。この彗星の近日点(太陽に一番近づく点)が地球の軌道とほぼ同じくらいのところにあるため、今回は大接近となります。2019年9月頃の予報では4.8等まで明るくなるということでしたが、どんどん暗く修正されています。彗星は太陽の近くに来て突然明るくなることもあり、この彗星は過去にも予想以上に明るくなったこともあります。将来地球に衝突するかもしれないと言われている天体ですので注目してみてください。

2020年2月の主な天文現象

  • 2月1日月面Xが見られる

    上弦の頃約1時間程度限定でクレーターの縁の部分に太陽光が当たり、アルファベットの『X』の文字が浮かび上がったように見えます。その時に月が見やすい位置に来ていないと見ることは困難です。今回は午後8時ころから午後9時ころまでの月の高度が高いところで起こりますので、今年一番のチャンスとなります。

2020年3月の主な天文現象

  • 3月18〜19日明け方の東の空で月と惑星が接近

    3月~5月にかけて、惑星相互の接近がありますが3/18~3/19はその中に月も入り賑やかになります。月、火星、木星、土星がすべていて座に集結します。この3惑星がひとつの星座で観られるのは20年ぶりとなります。
    明け方の空での星景写真を撮るチャンスです。月以外の3惑星はしばらく同じ方向に観られます。

  • 3月25日金星が東方最大離角

    3/25金星が太陽から最も東に離れ東方最大離角となります。このころの金星は天体望遠鏡で見ると半月状になっているのがわかります。4/28の最大光輝(-4.7等)に向けてどんどん大きく細くなっていくのが天体望遠鏡で楽しむことができます。

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2020年4月の主な天文現象

  • 4月3〜4日金星がプレアデス星団に大接近

    3日と4日は、金星がプレアデス星団に大接近する様子を見ることができます。金星は東方最大離角を過ぎてすぐの現象なので、地平線からの高度も高く見ることのできる時間も長くなります。7倍50ミリクラスの双眼鏡があれば、容易に観測できます。天体望遠鏡でも低倍率から楽しむことができるでしょう。次回は8年後となりますので、天気が良い日にぜひ見ておきましょう。

  • 4月8日/10月31日スーパームーン ミニマブルームーン

    4月8日の満月は視直径33.5′(距離35,689万㎞)、10月31日の満月は視直径29.4(′距離40,367万㎞)と、それぞれ2020年で最大最小に見える満月となります。スーパームーンはその年最も大きく見える満月、ミニマムーンはその年の最も小さな満月、ブルームーンは同月に2回みられる満月の2回目の月を指す、占星術などで用いられる用語です。

  • 4月15〜16日明け方の東の空で月と惑星が接近

    3月にはいて座で月、火星、木星、土星が接近しましたが、今回はいて座とやぎ座の二つの星座にまたがった位置で接近します。3月の接近より地平高度は高くなりますので観測(撮影)できる時間は長くなります。また、3惑星とも「衝」の位置に向かっていますのでどんどん明るくなっていきます。

  • 4月22日こと座流星群極大

    22日13時頃こと座の1等星ベガの近くに放射点のある『4月こと座流星群』が極大をむかえると予想されています。夜更けに放射点が高く上ることから観測もしやすくなります。極大予想が22日13時なので、22日の夜から23日の明け方にかけてたくさん見られると思います。新月が近いため月明かりの影響を受けずに観測できます。

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2020年5月の主な天文現象

  • 5月22日夕方の西空で水星と金星が大接近

    22日の日没頃水星と金星が大接近します。一番近づくのが18時42分頃で東京での日没が18時46分ですから日没直後に金星を見つけることができれば同じ視野の中に水星を見つけ出すことができます。水星と金星は53′の距離なので望遠鏡の50倍程度で二つの星がぎりぎり一緒に見えるくらいです。2つの星が沈むのが日没後約90分ですが、金星が明るいので金星を見つけることはさほど難しくないと思います。

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2020年6月の主な天文現象

  • 6月4日水星が東方最大離角

    4日水星が太陽の東側へ23°36′離れて東方最大離角となります。夕方、西の低空ですが2020年では最も高度があり見つけやすいでしょう。双眼鏡や望遠鏡を使って見ると、欠けた姿も見られるでしょう。

  • 6月21日日本全国で部分日食

    約半年ぶりに日本全国で部分日食が見られます。
    台湾では金環食となりますので南へ行くほど大きく欠けます。

    次回は2023年4月20日に小笠原諸島、沖縄県と四国九州の一部でほんの少し欠ける日食が見られますが、その他の地域は10年後の2030年6月1日まで見られません。
    今回は日本全国で見ることができるので、ぜひ観測してください。

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2020年7月の主な天文現象

  • 7月14日/21日木星が衝 土星が衝

    14日に木星、21日に土星がいて座で「衝」となります。「衝」とは外惑星がもっとも地球に近づき、明るくなる時期ですので是非観測してみてください。口径の小さな望遠鏡でも、木星は表面の縞模様が見れますし、土星は環が観測できます。木星の自転は約10時間ですので、時間をおいて見ると模様の変化がわかるかもしれません。木星には4つの大きな衛星(月)がありますので毎日の位置の変化も観測しましょう。土星はそろそろ環の傾きも小さくなってきますがまだ小口径の望遠鏡でもはっきりと存在がわかります。

  • 7月26日やぎ座流星群極大

    26日やぎ座流星群が極大を迎えると予想されています。毎年出現数は少ないものの、コンスタントに出現してくれる流星群です。この流星群は地球に対して速度が遅くゆっくりとした流星群が特長で、時折火球と言われる明るい流星が出現することがあります。今年は月が早く沈むため月明りもなく、好条件で観測できるでしょう。

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2020年8月の主な天文現象

  • 8月12日ペルセウス座流星群極大

    12日22時頃ペルセウス座流星群が極大になると予想されています。夜半頃に月が出てきますので、月が出てくるまでは暗夜の好条件で観測ができるでしょう。ペルセウス座流星群には、明るく痕を残す流星が多いので月明かりを気にせずに、夜半過ぎも観測するとよいでしょう。

  • 8月25日伝統的七夕

    明治6年に暦が変わり現在の『太陽暦』となりましたが、それまでは『太陰太陽暦』が使われていました。伝統的七夕とはそれまで行われていた日の七夕を指す日で『太陰太陽暦の7月7日に相当する日』となります。この日は月齢6の月がありこの月が天の川の渡し船に見立てられていました。7月7日であればほとんどの地方は梅雨の真っ最中ですからこちらの方が七夕にはふさわしいかもしれませんね。

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2020年9月の主な天文現象

  • 9月14日月と金星がプレセペ星団に接近

    4月にプレアデス星団に大接近した金星ですが、今度は かに座にあるプレセぺ星団に接近します。 金星とプレセペ星団は約2°離れていますので、7倍50ミリクラスの双眼鏡を使って観測すると美しい姿を見ることができるでしょう。 なるべく暗い場所で観測するのがおすすめです。 また すぐそばには月齢26の細い月もありますので、月と金星の接近だけでも美しいでしょう。 午前2時頃東の地平線から上り、夜明けまで見ることができますので、早起きをして見てみてください。

  • 9月24日〜26日月・木星・土星の集合

    宵のころ、南西の空で接近している木星と土星に上限過ぎの月が加わり賑やかな夜空が見られます。 この2つの惑星は、12月の最接近に向け、どんどん近づいていきます。

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2020年10月の主な天文現象

  • 10月1日中秋の名月

    旧暦の8月15日の月を「中秋の名月」と呼んでいますが、今年の中秋の名月は10月1日です。中秋の名月は必ずしも満月とは限りません。今年は、満月の1日前となりますので、少し欠けた状態でのお月見となります。

  • 10月6日/14日火星が地球に準大接近 火星が衝

    火星が2年2か月ぶりに地球に接近し、視直径20″以上になる日が1か月ほど続きます。前回より地平高度も高くなり火星表面での砂嵐も収まるため、見やすくなると思われます。口径10㎝以上の望遠鏡でシーイングの良い日に観測するのが良いでしょう。14日は衝の位置(-2.6等)に来ますので、一晩中見ることができます。

  • 10月21日オリオン座流星群極大

    15時頃にオリオン座流星群が極大になると予想されます。10月下旬のオリオン座は、日没後から明け方まで観測でき、夜更けに空高く上ります。月も三日月状で早い時間に沈んでしまいますので好条件で観測できるでしょう。母彗星はハレー彗星です。

  • 4月8日/10月31日スーパームーン ミニマブルームーン

    4月8日の満月は視直径33.5′(距離35,689万㎞)、10月31日の満月は視直径29.4(′距離40,367万㎞)と、それぞれ2020年で最大最小に見える満月となります。スーパームーンはその年最も大きく見える満月、ミニマムーンはその年の最も小さな満月、ブルームーンは同月に2回みられる満月の2回目の月を指す、占星術などで用いられる用語です。

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2020年11月の主な天文現象

  • 11月1日天王星が衝

    1日おひつじ座で天王星が「衝」となります。5.7等の明るさがありますが近くに月があるため、この1週間前や1週間あとくらいのほうが双眼鏡で見つけやすいでしょう。町明かりのない暗い場所では、肉眼でも探せるかもしれません。天体望遠鏡で見ると他の星とは違い青緑色に見えます。

  • 11月18日しし座流星群極大

    18日20時頃、しし座流星群が極大になると予想されます。極大が著しく短く、短時間に多くの出現をする流星群です。夕方のうちに月が沈みます。月明かりのない好条件で観測出来ますので一晩中観測することができます。母彗星は55P/テンベル・タットル彗星です。

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2020年12月の主な天文現象

  • 12月14日ふたご座流星群極大

    14日10時頃ふたご座流星群が極大を迎えると予想されています。新月にあたるため月明かりの心配もなく絶好の条件で観測できるでしょう。放射点高度も夜更けにはほぼ頭上に達しますので、1時間当たり100個近い流星を観測することも可能かもしれません。

  • 12月21〜22日木星と土星が大接近

    22日3時18分に木星と土星が約6′まで(月の直径は約30′)大接近します。この時間、日本では地平線の下になっていて見ることはできませんが、21日と22日は大接近する様子を望遠鏡で見られます。日没時の高度は20°くらいですが、すぐに地平線の下に沈んでしまいますので、日没後すぐに探してみてください。 100倍の望遠鏡では、視野の中に木星と土星が並びさらにその衛星も見えるという素晴らしい光景が見られるでしょう。

  • 12月22日こぐま座流星群極大

    22日18時頃、こぐま座流星群が極大を迎えると予想されています。母彗りゅう座星はタットル彗星で出現は1時間に10個程度です。今年は上弦の月が沈んでから明け方まで観測ができます。明け方に突如として出現数が上がるかもしれませんので、暖かくして観測しましょう。 (地平線)

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