2021年の天文情報

2021年の天文情報

今年は皆既月食に注目。
スーパームーン皆既月食が5月、ほぼ皆既の部分月食が12月、どちらも日本全国で観測できます。 月面Xも今年は6回チャンスが!

8月に土星・木星が、11月に天王星が衝の位置にきて見やすくなります。
流星群は夏のペルセウス座流星群が好条件。
双眼鏡や天体望遠鏡を使って天体観測を楽しみましょう!!

2021年1月の主な天文現象

  • 1月4日しぶんぎ座流星群が極大

    3大流星群の1つで出現数が期待できます。放射点はりゅう座ι星付近で、北極星とアークトゥールスの間くらいにあります。今年の極大は4日4時頃と予想されますが、この日は22時頃に月齢20.4の月が昇ってくるため、観測の好機は月が昇ってくる前までとなります。運が良ければ1時間に50個くらいの出現が見られるかもしれません。

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2021年2月の主な天文現象

  • 2月19日月面Xが見られる

    月面Xとは上弦の月の頃、月の明暗の境の地形に「X」の文字が浮かび上がる現象をいいます。プランキヌス、ラカイユ、プールバックという3つのクレーター壁によってできた地形で月面の暗いところに浮かび上がって見えます。継続時間が1時間程度と短く条件が揃ったときにしか見えません。今回は18時20分ころを中心に前後30分程度見ることができると思われます。月の高度が高いところで起こりますので、観測のチャンスです。今年は6回チャンスがありますので是非観測してみてください。

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2021年4月の主な天文現象

  • 4月19日月面Xが見られる

    月面Xとは上弦の月の頃、月の明暗の境の地形に「X」の文字が浮かび上がる現象をいいます。プランキヌス、ラカイユ、プールバックという3つのクレーター壁によってできた地形で月面の暗いところに浮かび上がって見えます。継続時間が1時間程度と短く条件が揃ったときにしか見えません。今回は21時10分ころを中心に前後30分程度見ることができると思われます。月の高度が高いところで起こりますので、観測のチャンスです。

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2021年5月の主な天文現象

  • 5月17日水星が東方最大離角

    17日水星が太陽の東側へ22°00′離れて東方最大離角となります。夕方、西の低空ですが2021年では最も高度があり、双眼鏡や望遠鏡を使うと欠けた姿も見られるでしょう。左上には火星が、すぐ下には金星が見えます。

  • 5月26日スーパームーン/ミニマムーン

    5月26日の満月は視直径33.4′ (距離35,746万㎞)になり2021年で最も大きな満月となります。一方、12月19日の満月は視直径29.4′ (距離40,593万㎞)で、2021年で最も小さく見える満月となります。「スーパームーン」や「ミニマムーン」は占星術等で使われる言葉で、「スーパームーン」はその年最も大きく見える満月、「ミニマムーン」はその年の最も小さな満月を指すようです。
    5月26日は皆既月食なので、大きな月が地球の影に入っていく様子を観測できます。

  • 5月26日スーパームーンの皆既月食

    日本全国で3年4か月ぶりに皆既月食が観測できます。月の出とともに欠け始め、低い位置で皆既となります。東京では、18時44.6分に欠け始め、20時09.4分から20時28.0分までの18.6分間皆既となり、21時52.8分に丸い月に戻ります。今回、月が地球の影の北の縁すれすれを通るため、皆既中の赤銅色の濃さが違って見えます。

  • 5月29日夕方の西空で水星と金星が大接近

    日没頃に水星と金星が大接近します。日没直後の金星を見つけられると、金星の左下にかすかに光る水星も見つけられるはずです。水星と金星は約0.5°の距離に接近するため、双眼鏡や望遠鏡で観測してみてください。この時の水星は細長い三日月状のため、明るさは2.3等しかありません。

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2021年6月の主な天文現象

  • 6月10日カナダ・北極海、ロシアで金環日食/南極大陸で皆既日食

    今年は、6月10日にカナダ・北極海、ロシア東部で金環日食、12月4日に南極大陸で皆既日食が見られます。残念ながら日本からは見ることができません。

  • 6月17日月面Xが見られる

    月面Xとは上弦の月の頃、月の明暗の境の地形に「X」の文字が浮かび上がる現象をいいます。プランキヌス、ラカイユ、プールバックという3つのクレーター壁によってできた地形で月面の暗いところに浮かび上がって見えます。継続時間が1時間程度と短く条件が揃ったときにしか見えません。今回は21時30分ころを中心に前後30分程度見ることができると思われます。月の高度が高いところで起こりますので、観測のチャンスです。

  • 6月23日~24日火星がプレセペ星団を通過

    23日~24日にかけて、火星がプレセペ星団の中を通過していく珍しい現象が見られます。日没直後のため、地平線からの高度は高くなりませんが、7倍50ミリクラスの双眼鏡や低倍率の天体望遠鏡で容易に観測できます。

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2021年8月の主な天文現象

  • 8月2日/20日土星が衝/木星が衝

    2日は土星がやぎ座で、20日は木星がみずがめ座で「衝」となります。「衝」とは外惑星がもっとも地球に近づき、明るくなる時期です。南中高度も高く、シーイングの影響も少ない絶好の観望時期となりますので、口径の小さな望遠鏡でも木星の縞模様や土星の環を観測できます。

  • 8月2日やぎ座α流星群極大

    やぎ座α流星群は、数は少ないもののコンスタントに出現してくれる流星群です。この流星群は地球に対して速度が遅く、火球と言われる明るい流星が時折出現するのが特徴です。夜半前の月明りのない時間の観測がおすすめです。

  • 8月12日~13日ペルセウス座流星群極大

    13日4時頃ペルセウス座流星群が極大になります。月が沈んでから明け方まで、暗夜の好条件で観測ができます。ペルセウス座流星群は明るく痕を残す流星が多く、夜半過ぎに出現数が多くなる傾向があります。

  • 8月14日伝統的七夕

    明治6年以前は現在の『太陽暦』ではなく『太陰太陽暦』=『旧暦』が使われていました。伝統的七夕とは『旧暦の7月7日に相当する日』となります。この日は月齢6の月があり、この月が天の川の渡し船に見立てられていました。『太陽暦』の7月7日は多くの地域は梅雨の真っ最中。『旧暦』のほうが七夕にはふさわしいかもしれません。(旧暦で二十四節気の処暑の直前の新月を7月1日と定めています。七夕はそこから6日後の7月7日となります。)

  • 8月15日月面Xが見られる

    月面Xとは上弦の月の頃、月の明暗の境の地形に「X」の文字が浮かび上がる現象をいいます。プランキヌス、ラカイユ、プールバックという3つのクレーター壁によってできた地形で月面の暗いところに浮かび上がって見えます。継続時間が1時間程度と短く条件が揃ったときにしか見えません。今回は20時30分ころを中心に前後30分程度見ることができると思われます。月の高度が高いところで起こりますので、観測のチャンスです。

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2021年10月の主な天文現象

  • 10月9日10月りゅう座流星群極大

    今年は9日午前3時に極大を迎えると予想されます。月は夕方早い時間に沈んでいますので月明かりの影響を受けずに観測することができます。出現数は、空の暗いところでも数個程度と予想されますがこの群の特徴は突発的に出現することがあるため目が離せません。放射点は天頂近くまで上がりますので、どの方向を見ても観測できます。
    この流星群の特徴は、対地速度が速くないためどちらかというとゆっくりと流れる流星が多いです。

    この10月りゅう座流星群、以前はジャコビニ流星群と呼ばれていたもので、周期6.5年のジャコビニ・ヂンナー彗星を母彗星とした流星群です。 1933年と1946年には1時間に数千個の大出現がみられたり1972年には大出現の予想を裏切り全く出現しなかったりと目の離せない流星群です。 近年では、1985年、1998年、2011年と母彗星の周期の2倍の13年ごとに数十個~100個程度の極大の出現が見られています。 これは、この彗星がまだ若くその軌道上にばらまかれている流星のもととなる物質が彗星の近辺にしかなく、彗星が回帰(太陽の近くに戻ってくる)して地球の軌道を横切る前後に地球がさしかかったときに多く出現するということです。

  • 10月13日月面Xが見られる

    月面Xとは上弦の月の頃、月の明暗の境の地形に「X」の文字が浮かび上がる現象をいいます。プランキヌス、ラカイユ、プールバックという3つのクレーター壁によってできた地形で月面の暗いところに浮かび上がって見えます。継続時間が1時間程度と短く条件が揃ったときにしか見えません。今回は20時20分ころを中心に前後30分程度見ることができると思われます。月の高度が高いところで起こりますので、観測のチャンスです。

  • 10月30日金星が東方最大離角

    金星が太陽から最も東に離れ、東方最大離角となります。この頃の金星は天体望遠鏡で見ると半月状に見えます。この先12月4日の最大光輝(-4.7等)に向け、金星がどんどん大きく細くなっていく様子を天体望遠鏡で楽しめます。なお、黄道の一番南に寄った位置にあり地平高度はあまり上がりません。

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2021年11月の主な天文現象

  • 11月5日天王星が衝

    天王星がおひつじ座で「衝」となり、明るさは5.6等、視直径は3.7″になります。天王星は太陽から遠く離れた位置にあるため大きな動きはありません。周囲が暗い場所では肉眼で見ることもできます。天体望遠鏡で見ると他の星とは違い青緑色に見えます。

  • 11月6日/13日おうし座南流星群/おうし座北流星群極大

    明るい火球が多く見られる流星群で人気があり、おうし座南流星群は6日、おうし座北流星群は13日に極大となります。南流星群は月明かりの影響を受けずに観測でき、北流星群は月が沈んでから好条件となります。いくつもの放射点があり活動期間も長いので、前後一週間くらいは観測できます。

  • 11月19日ほぼ皆既に近い部分月食

    月の右下が少しだけ光っている、ほぼ皆既といえる部分月食となります。東京では月の左側が少し欠けた状態で月が昇り、北海道や東北地方では月が昇ってから欠け始めます。次回の月食は2022年11月8日の皆既月食となります。

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2021年12月の主な天文現象

  • 12月7日~9日夕方の西の空で月と惑星が接近

    日没後、西の空に並ぶ金星(7日)土星(8日)木星(9日)に月が接近します。夕方の低空ではありますが、星景写真や惑星観測に適しているので、この機会に観測してみましょう。

  • 12月11日月面Xが見られる

    月面Xとは上弦の月の頃、月の明暗の境の地形に「X」の文字が浮かび上がる現象をいいます。プランキヌス、ラカイユ、プールバックという3つのクレーター壁によってできた地形で月面の暗いところに浮かび上がって見えます。継続時間が1時間程度と短く条件が揃ったときにしか見えません。今回は22時30分ころを中心に前後30分程度見ることができると思われます。月濃厚度が高いところで起こりますので、観測のチャンスです。

  • 12月14日ふたご座流星群極大

    14日16時頃に極大を迎えます。月齢10を超えた月が夜半過ぎに沈んだあとが観測のチャンスです。放射点高度は夜更けにほぼ頭上に達し、1時間当たり100個近い流星を観測できる可能性があり、火球となる明るい流星も見られるかもしれません。

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