ミラーレンズ
ミラーレンズ、もしくはレフレックスレンズとは、通常のカメラレンズで使用する光学レンズではなく、鏡を利用して光を収束するレンズです
光学レンズを使用した望遠レンズとくらべて以下の特徴があります。
- 圧倒的にコンパクト。
- 圧倒的に軽量。
- 色収差がほぼない。
- リングボケ
コンパクトで軽量であるという特性は、通常重量があり、大きく、なかなか持ち出せない超望遠レンズを、サブレンズとして持ち歩くことが可能になります。
また、散歩や、登山など、撮影以外の要素が大きい場合でも撮影機材を負担にならない範囲に収めることが可能です。
色収差がないという特性は、波長に依って屈折の量が異なるという現象が起こらない鏡による光の収束であることが起因します。
ただし、反射鏡は色収差が発生しませんが、それのみで他の収差、コマ収差や球面収差が補正できません。
このため、単純な反射光学系ではなく、収差の補正にレンズ光学系を追加した「反射屈折(カタジオプトリック)光学系」になっていることが多くなります。
リングボケはミラーレンズならではのボケの現れ方です。名前の通り、点光源などがボケると中空のリング状のボケを発生します。これは副鏡が入射光の中心部を遮っていることから発生します。
超望遠レンズによる圧縮効果の作例。画角が狭いため、遠いものと近いもので写真上の大きさの差が大きくでません。上の作例では、この圧縮効果により手前の駅員と、ホームに到着した電車とが実際の距離感より近く見えます。このように、距離の詰まった密度のある写真を撮るために超望遠レンズは必須です。
野鳥の様子の撮影など、近づいて撮影することが叶わない被写体を、大きくフレームに収めるために超望遠レンズは必須の装備です。ですが、はじめからそういった対象を想定していないと、大きな超望遠レンズはなかなか持ち歩けない物。ミラーレンズなら軽量・コンパクトなので大きな負担になりません。
旅先で、"ひょっとすると出会うかもしれない良い被写体 "のために、ミラーレンズは最適な選択肢です。
リングボケは、ミラーレンズの特徴的なボケ味です。点光源をぼかすと、中心が抜けたリング状のボケを生じます。この特徴的なボケをどう活かすかが、作品作りの大きなポイントとなるでしょう。
使用している作例は全てKenko ミラーレンズ 400mm F8とAPSーCフォーマットのカメラの組合せで撮影しています。35mm版焦点距離に換算すると600mm相当の画角となります。
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