ブラックミストNo.05で日常を映画のワンシーンのように

ブラックミストNo.05で日常を映画のワンシーンのように

写真家の保井崇志です。ちょうど2年前の今頃、「ブラックミスト No.1を愛用している」といった内容のツイートをしました。このツイートがキッカケでこのレンズフィルターを知ってくださった方も多かったようです。

ブラックミストは、独自のソフトフィルター効果で、まさに霧がかったような写真が撮れます。特に夕方から夜の時間帯のスナップとポートレート撮影で、実際に今でも愛用しています。

そして今回、新しく「ブラックミスト No.05」が発売されるということで、一足先に試させていただきました。今回の写真は全て「ブラックミスト No.05」を装着して撮影しています。

作例写真1

日常を映画のワンシーンのように

今回使用した「ブラックミスト No.05」は、「ブラックミスト No.1」に比べて、ソフトフィルター効果が半分に抑えられているということで、扱いやすいフィルターになっているというのが第一印象。時間帯や主題によってはほとんどフィルター効果がわからない写真もありました。

例えば以下は、同じような時間帯に写した東京日本橋の街灯です。アングルを変えると効果が全然違って面白いですね。

作例写真2
作例写真3

昼や夕景は特に控えめな印象で、よく見れば効果が見られる程度。「ブラックミスト No.1」では効果が強すぎる傾向があったので、「ブラックミスト No.05」はつけっぱなしにしておきたいと感じました。

作例写真4
作例写真5
作例写真6

日が暮れていくと効果が強まってきて、何気ない日常の風景も映画のワンシーンのようです。

仕事で使用するメインカメラとは別に、プライベートではコンパクトデジカメを常に持ち歩いているので、こちらにブラックミストをつけっぱなしにしておくことに決めました。

夕方からのポートレート撮影

ブラックミストを使うケースで、個人的に一番好きなのが、夕方から夜の時間帯のポートレート撮影です。夜になればなるほど効果が強まっていく様子は、感情やストーリーを想起させます。

作例写真7
作例写真8
作例写真9
作例写真10
作例写真11
作例写真12

夕景では、モデルは比較的ハッキリ写っていて背景に少し効果が見られる程度。夜になるとだんだん光に溶け込んでいくイメージになります。風景と違って、ポートレートはレンズを開放にすることも多いので、より背景に効果が期待されるという点もあげておきます。

夜の撮影が楽しくなる

街や風景を撮影していて、綺麗な夕日を見た後はカメラをしまって帰り支度をする・・・。そんなケースも多いのではないでしょうか。

実はブラックミストで試して欲しいのが夜の撮影。幻想的で、微熱を帯びたような美しい写真になります。これだけで写真が上手くなった気になってしまいますが 笑。

作例写真13
作例写真14
作例写真15
作例写真16

夜の写真の主な撮影地は日本橋人形町になります。せっかくブラックミストをつけているので、ネオンの多い街を選んでしまいそうになるのですが、これ見よがしになってしまうので、少し落ち着いた街の方が良いのかなと思っています。

それこそ、地方のポツンとたたずむガソリンスタンドなんかは、もしブラックミストをつけて撮影すれば幻想的な写真になるんだろうな。

レンズフィルターって必要?

そもそも「レンズフィルター」と聞いても、ピンとこない方も多いかもしれません。レンズフィルターがなくても写真を撮影することは出来ます。写真撮影において、必須アイテムというわけではないんですね。

じぶんが初めてレンズフィルターを知ったのは、意外にも写真を始めて間もない頃でした。夕日を撮影していた時に、たまたま隣にいた方が貸してくれたのです。

大阪の北港マリーナという場所の夕日が美しいと聞いて、撮影に出かけていました。期待通り夕日は美しかったのですが、ヨットに露出を合わせていたため、空が真っ白に飛んでしまって映りません。「目ではこんなに綺麗な空が見えているのに・・・」と困惑していました。

それを見かねて、すぐ隣で撮影していた青年が「これを使ってみたら」と、四角い板を差し出してくれました。レンズの前にかざしてみると、カメラの背面モニターに鮮やかな夕日が浮かび上がってきました。それは上半分だけ濃度の入ったハーフNDフィルターだったのです。目で見る以上に鮮やかで美しい夕日が浮かび上がり、感動したのを覚えています。

実はこの時の写真は残っていません。今から考えると信じられないことですが、写真を整理して残しておくという概念さえない初心者だったのです。そんなレベルだったので、フィルターを使いこなす青年がとてつもなく上級者に見えました。じぶんも上手くなったら彼のようにフィルターを使いこなしたいと思ったものでした。

作例写真17

ブラックミストとの出会い

そんな風に思いながらも、けっきょくは長時間露光の際にNDフィルターを使うだけにとどまっていました。プロの写真家になってからは特に、写真のスタイルが大きく変わってしまうような冒険は出来なかったのです。

ただ、なんとなく写真にマンネリを感じていた時に出会ったのがブラックミストでした。まず名前がカッコいい。そんな理由かって感じですけど、これは意外と重要なのです。

そんなわけで、試しに使ってみて、これならじぶんの写真のスタイルにピッタリだと感じて嬉しくなったものでした。東京に住んでいると、街に霧がかかるという場面に遭遇することはあまりないので、ブラックミストを通して見る世界に夢中になりました。

作例写真18

実は、写真を撮る際には、目で見えた景色をそのまま記録したいとは思っていません。カメラやレンズを通して描き出される画にプラスして、そこにじぶんの願望を加えたものが作品になるのです。

前述したようにレンズフィルターは写真には必須ではありません。ただ、じぶんの願望やイメージに近い画を描く時に、ちょっとした手助けをしてくれる存在がレンズフィルターなのだと感じています。

不思議なことに、ブラックミストをつけて撮影していると、実際の景色もブラックミストをつけてるみたいに見えてくることがあります。人間の認知能力というのは、思っているよりも自由なのかもしれませんね。

最後に

この記事では、あえて装着前後の比較や、ブラックミスト No.1と、No.05の比較などの客観的な要素についてはふれませんでした。得意な方にレビューをお譲りすることにして、ここではあくまで主観と実体験をベースにしたつもりです。

じぶんがそうだったように、少し写真にマンネリを感じている方などは、ブラックミストという選択肢を試してみるのも良いと思います。何かしらのヒントにしていただければ幸いです。

作例写真19

この記事の作者

保井 崇志

保井 崇志(やすい たかし)

2010年に趣味で写真を始める。Instagramとの出会いがキッカケで、2015年にフリーランスフォトグラファーに転身。Instagramを通じての企業案件やアーティストの撮影など、新しいフォトグラファー像を追求している。
Webサイト:https://takashiyasui.com/
Twitter:https://twitter.com/_tuck4/
Instagram:https://www.instagram.com/_tuck4/

モデル

小山かんな

小山 かんな(おやま かんな)

東京在住。熊本県出身。モデル、女優、アーティストとして活動。2014年にモデルとしてキャリアをスタートさせ、2019年より音楽活動を本格始動させている。幼少期より音楽番組や映画を愛し、表現の世界に夢中になる。世界中の多くの写真家やクリエイターとのコラボレーションを通して表現の幅を広げている
Webサイト:https://kanna-official.com/
Instagram:https://www.instagram.com/kanna0123/

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