おうちだからこそ楽しめる撮影 ~料理・スイーツ・テーブルフォトの撮影にオススメのフィルター~
皆さんが毎日欠かさず食べている食事をキレイにかっこよく撮影してみませんか。毎日の食事・テーブルフォトを魅力的に撮影する手法をご紹介します。
美味しさを画面いっぱいに クローズアップレンズ
MCクローズアップNEO No.4使用
料理を美味しそうに撮る方法の1つは、特に美味しそうな部分にぐっと寄って撮ることです。普段お使いのレンズに「クローズアップレンズ」を付けるだけで、レンズの最短撮影距離よりさらに近づいてアップで撮れます。
料理や花、小物などに近づいて撮ろうすると、ピントが合わなかったことはありませんか。カメラのレンズには「最短撮影距離」があり、それ以上近づくとピントが合わなくなってしまいます。そこで役に立つのがクローズアップレンズ。レンズの前に取り付けるだけで最短撮影距離よりさらに近づいてピントが合うようになり、被写体を大きく写すことができます。
クローズアップレンズ未使用と使用した場合で撮影距離がどのように変わるか見てみましょう。
クローズアップレンズ未使用の場合
これ以上近づくとピントが合わない!
もう少し寄れたらいいのに...。
クローズアップレンズを使用した場合
もっと近づいてピントが合う!
近づいて画面いっぱいに写せました。
上の作例のようにクローズアップレンズを使えば近くでピントが合い大きく写せます。
※使用するレンズの焦点距離や最短撮影距離、クローズアップレンズの種類によって、撮影距離や倍率は変わります。
ではクローズアップレンズを使うとどんな風に美味しそうに撮れるか見てみましょう。
フィルター未使用
MCクローズアップNEO No.4使用
ミニハンバーガーを撮ってみました。スナップ撮影に便利な35mm のレンズを使用していたので、フィルター未使用の場合、主役のハンバーガーが小さく写ってしまいました。クローズアップレンズをプラスすると、ハンバーガーに寄って大きく写すことができました。撮影距離が近くなるほど背景はぼけるので、ハンバーガーに寄ったことで背景のグラスも大きくぼけて、心地良い雰囲気になりました。
このようにクローズアップレンズを使うと寄れるだけでなく、背景をぼかせるメリットもあります。
フィルター未使用
MCクローズアップレンズ No.10使用 ©その江
上の作例はインドカレーを16mmの広角レンズで撮っています。クローズアップレンズを使い、スプーンですくった部分に寄って撮ったら、流れるような周辺ボケが面白い写真になりました。作例のように広角レンズにクローズアップレンズを付ければ、流れるようなボケ効果も楽しめます。
※広角レンズにクローズアップレンズを使用する場合、フィルター枠が厚いため画面の隅が黒くケラれる場合がありますのでご注意ください。
クローズアップレンズの種類と選び方
撮影距離で選ぶ
クローズアップレンズには、No.1~10まで種類があり、数値が大きいほどグローズアップの倍率が高くなります。まずは、自分のレンズの「最短撮影距離」を確認しましょう。下の目安表を参考にして、レンズの「最短撮影距離」よりも、近づいて撮れるクローズアップレンズを選びましょう。撮りたい被写体に対して、何センチ位まで近づいて撮りたいかをイメージして、選ぶと良いでしょう。
※交換レンズの「最短撮影距離」はカメラの撮像素子面から被写体までの距離です。下図の「撮影距離」はレンズ先端から被写体までの距離です。
最短撮影距離が約1m位の望遠ズームレンズには、No.1~3、最短撮影距離が30cm以下の標準ズームレンズには、No.3~No.5がおすすめです。さらに大きく撮るには、No.10もあります。またクローズアップレンズは重ねづけが可能で、No.2とNo.3を重ねづけするとNo.5相当になります。
※重ね付けすると、画質が低下する場合があります。
MCタイプとACタイプ
クローズアップレンズには「MC」タイプと「AC」タイプがあります。「MC」タイプは、1枚のレンズで構成されたポピュラーなクローズアップレンズです。(MCはマルチコートの略)「AC」はアクロマートの意味で、1群2枚の構成で色収差を補正した、高級タイプのクローズアップレンズです。枠が厚くてやや重くなりますが、MCタイプと比べて優れた描写力を発揮し、シャープな画像が得られます。(ACタイプにもマルチコートが施されています。)
MCクローズアップNEO No.3 |
ACクローズアップレンズ No.3 |
クローズアップレンズを使いこなすポイント
クローズアップレンズできれいに撮るためには、下記のことをおさえておきましょう。
■絞り値を変えてボケの量をコントロール
クローズアップレンズをつけて接写すると、ピントが合う範囲がせまくなります。ピントの合っている範囲を広くしたい場合は、絞り値を大きくしましょう。
■マニュアルフォーカスで撮影
オートフォーカスが働く場合もありますが、意図した位置に確実にピントを合わせるには、マニュアルフォーカスでピントを合わせましょう。カメラのライブビューで拡大してピントを合わせれば、より正確にピントを合わせることができます。
■カメラを三脚で固定
自宅やスタジオなど、三脚を使用できる場所の場合は三脚を使用することをおすすめします。マクロ撮影はピントが合う範囲がせまくなるため、狙った場所にしっかりとピントを合わせるためには三脚が必要です。
おすすめクローズアップレンズ
お求めやすい価格のベーシックなクローズアップレンズ
MC クローズアップNEO No.1/No.2/No.3/No.4
クローズアップレンズは、お持ちのレンズの前面に装着するだけで手軽に使えるマクロ撮影アイテムです。No.数値が大きいほど被写体に近づいて大きく撮れます。マクロレンズよりずっとお手頃価格で、荷物にならないのも魅力です。
キラキラ効果でシズル感アップ クロスフィルター
クロスフィルターはイルミネーション撮影の定番フィルターですが、料理写真にもお使いいただけます。グルメ番組の映像で見かけるようなキラキラ効果で料理をみずみずしく美味しそうに写すことができます。
クロスフィルターは点光源をクロス状の光にしてきらめきを強調するフィルターです。料理の写真でも照明が当たり点状に光っている部分にクロス効果が出ます。
クロスフィルター未使用
PRO1D R-クロススクリーン(W) for wide-angle lens使用
右の写真はクロスフィルターを使用した作例を部分拡大しています。カットされた色とりどりのフルーツがキラキラとみずみずしく輝き、より美味しそうに見えます。
使いこなしのポイント:LEDライトで光を補おう
料理写真の場合、イルミネーションのような強い点光源がないため、クロス効果は出にくくなります。クロス効果が十分に出ない場合は、写真用LEDライトや簡易的にスマホのLEDライトで照らすとクロス効果が出やすくなります。料理写真の場合はクロス効果がさりげなく小さめに出ます。
おすすめクロスフィルター
弱い光でもクロス効果が出やすい
PRO1D R-クロススクリーン(W) for wide-angle lens
弱い光でもクロス効果が出やすい新設計のクロスフィルター。
撮影状況によってはクロス効果とともにソフト効果も出ます。